1月6日に放送されたテレビ東京系『家、ついて行ってイイですか』で、壮絶ながん闘病と最期までステージに立ち続けた姿が話題を呼んだミュージシャン・イノマーさん(享年53)。音楽誌の“編集者”でもあった彼がバンドシーンに遺したものを解き明かすラジオ特番の放送が決まり、親交の深かったお笑い芸人・江頭2:50がナレーションに初挑戦することが22日までにわかった。

【写真】峯田和伸、綾小路翔らイノマーさんの盟友が出演

 「もしイノマーさんがいなかったら…」。彼が編集者時代に見出した多数のバンドマンはその後インディーズシーンを飛び出し、約20年の歳月を経て今なお高い人気を誇るアイコンとなった。その足跡を、峯田和伸(銀杏BOYZ)、綾小路翔(氣志團)、コザック前田(ガガガSP)、サンボマスターといった盟友たちの証言と楽曲から紐解いていく。

 イノマーさんは音楽・サブカルチャーに精通した編集者としても活躍し、オリコンが発行していた週刊誌『オリコンウィークリー』の編集長に同社当時最年少の29歳で就任。在籍中の1999年12月24日、ギターのオノチン(JET BOYS)、ドラムのガンガンと共に自身がボーカル&ベースとして3人組ロックバンド、オナニーマシーン(通称オナマシ)を結成した。退社後の2003年7月、サンボマスターとのスプリットアルバム『放課後の性春』でメジャーデビューを飾ると、シーモネーター(現SEAMO)とのコラボレーションシングル「家出/恋のABC」なども発表し“童貞のカリスマ”の異名もとった。

 オナマシ結成20周年企画を温めていた矢先の2018年7月21日(“オナニー”の日)、口腔底がんステージ4で余命3年と公表。舌の全摘手術が無事成功し、まともな発声・滑舌は失われるも再びステージでパフォーマンスできるまでに回復。その後は抗がん剤治療など懸命な闘病生活を続け、同年10月に前述の盟友らが集った自身過去最大のライブ『=オナマシ20周年記念特別企画=ティッシュタイム・フェスティバル~大感謝祭~』を開催した。

 バンドマンを愛する一方で芸人では江頭2:50をこよなく愛し、編集者時代から連載企画や数々の特集を担当。舌を切除したあとは雑誌で江頭との対談も実現。「対談企画は全部断っている」という江頭が近年、唯一応じた対談となった。そして、ライブから約2ヶ月後の12月19日未明に死去。息を引き取ったのが偶然にも深夜“2時50分”だったことから、家族に笑いがこぼれる前代未聞の臨終。この模様は死後に『家つい』で放送され、一般視聴者、芸能人らもSNSで反応するなど高い反響を呼んだ。

 そんな彼が日本インディーズバンドシーンに与えた影響は、一体何だったのだろうか。TOKYO FMでは、イノマーさんに影響を受け助けられたと語るアーティストたちの証言から「オナニーマシーン・イノマー」の功績をひも解く特別番組『ステージ4でステージに勃つ~イノマーと青春パンクロック~』を、今月28日深夜2時(3月1日午前2時)から実に2時間にわたりオンエアする。

 イノマーさんと共に音楽シーンを歩み、亡くなる直前まで親交が続いた峯田、綾小路、サンボマスター、前田、ガンガン&オノチン、そして2019年10月のライブに観客として参加していた同局系『SCHOOL OF LOCK!』のさかた校長(サンシャイン・坂田光)が、それぞれの視点からイノマーさんとのエピソードやバンドの功績を語る。この番組のインタビューで口々に語る「もしイノマーさんがいなかったら自分たちのバンドは世に出ていなかった」という真意、イノマーさんを回顧する証言は必聴だ。