この一年に放送・公開された映画・ドラマ作品の中から、最も地域を沸かせ、人を動かした「作品×地域」に贈られる作品と、作品を支えた地域を表彰する「第11回ロケーションジャパン大賞」の受賞結果発表と授賞式が18日、東京・リーガロイヤルホテル東京で開催された。グランプリには【映画『浅田家!』×三重県津市】、準グランプリには【連続テレビ小説『エール』(NHK)×福島県福島市】が選ばれた。

【写真】グランプリを受賞した映画『浅田家!』の中野量太監督

 今回は、2019年12月~20年10月31日までに公開・放送された映画やドラマが対象。全30作品、52地域がノミネートされ、ロケ地への調査(撮影サポート度、行楽度、地域の変化)、6000人の一般アンケート(支持率)、有識者の審査をもとに、選定された。

 『浅田家!』は、出演・二宮和也、黒木華、菅田将暉、風吹ジュン、平田満、妻夫木聡などが出演。市広報紙に同映画の特集を組んだところ全国から送付依頼が殺到。このことが新聞やネットニュースでも話題になり、さらなる話題を呼んだ。イベント動員数3万人超、市の公式ホームページの閲覧数は通常の300倍を記録、映画公開を機に専修寺などロケ地への来訪は例年の3〜4倍に増加したことなどが評価された。

 授賞式には、中野量太監督が出席し、「津市はうなぎがめちゃめちゃおいしかったです。皮面をパリパリに香ばしいくらい焼き上げて身はふわふわ。撮休の日に昼にうな丼、夜にもうな丼というのを、初めての経験をしました。何が言いたいかというと、ご飯のおいしいロケ地は最高だということです」と、ロケ地をPR。「ロケハンをしながら、町のにおいを感じました。このにおいがする町に住んでいる人を描けばいんだな、とすぐに思い浮かびました」と、映画づくりにおけるロケ地の重要性も語っていた。

 『エール』で受賞した福島市は、主人公のモデルとなった作曲家・古関裕而の出身地。番組の制作統括・土屋勝裕氏は、「福島でロケが始まってすぐに、台風19号(2019年)に見舞われて阿武隈川が氾濫するなど被害があったなか、できる限りのところでロケをしていたんですが、新型コロナの感染拡大で、さらに難しいことになってしまった。それでも地元の皆さんが応援してくださって、番組も盛り上がることができました」と、振り返った。コロナ禍ではあったが、スタンプラリー、ラッピングバス、「エール展」などを開催し、古関裕而記念館への来訪者は前年度の約2.5倍、県外から旅行・観光消費は推定8億円を超えたという。

 同作は福島市のほかに、古関さんの妻・金子さんの出身地・愛知県豊橋市でもロケを行っており、土屋氏は「タイトルバックの海は豊橋、森は福島。地元の皆さんの応援があって、番組作ることができました」と、感謝を述べていた。

 このほか、特別賞 行楽度部門は【映画『弱虫ペダル』×静岡県浜松市】、特別賞 地域の変化部門は【映画『星屑の町』×岩手県久慈市】、特別賞 支持率部門は【映画『糸』×北海道上富良野町】が、それぞれ受賞。

 『星屑の町』に主演したのんはビデオメッセージを寄せ、連続テレビ小説『あまちゃん』のロケ地でもある久慈市について、「皆さん穏やかで、愛情があって、毎日楽しい撮影だったなと思い出します。お昼に食べた鹿肉カレーが忘れられません。久慈市には恩がある。第二のふるさとと思っています。またよろしくお願いします」とコメントしていた。

 また、映画・ドラマのロケ地となった実績を観光資源として活用して、観光客誘致・集客の向上、地域の活性化、企業ブランディングなどに積極的に取り組んでいる地域・企業を表彰する「第4回ロケツーリズムアワード」の授賞式も同時に行われ、地域大賞を【千葉県茂原市】、企業大賞を【リーガロイヤルホテル東京】が受賞した。