プライドが高く外面を気にし、家では妻を見下した発言を連発するモラハラ夫。その浮気相手も性悪で、若さと美貌で多くの男をたぶらかし、匂わせ写真をSNSに投稿して妻にマウントを取っては自己顕示欲を満たす…。その徹底したクズキャラ設定がリアルすぎると反響を得ているのが、マンガアプリ「comico」で連載中の『インモラルに復讐を』。本作の作者・サクラさんに、リアルな物語設定について話を聞いた。

【漫画】「こういう女っているよね!」SNSで反響、略奪女のイラつく“匂わせ”テクニック

■写真で現場をチラ見せ…、マウント仕掛ける“匂わせ女”

――不倫する夫・拓海と復讐を誓う主人公・詩穂の物語です。拓海は典型的なモラハラ夫ですが、ご自身で描きながら嫌悪を感じたようなエピソードはありますか?

【サクラさん】第1話目からモラハラ発言連発で、常に上から目線で女性を見下しています。こんな人間は男としてありえないですよね、最初からずっとムカつきながら描いています(笑)。妻にひどいこと言っている夫としてのひどさ、ゲスさが描けていると思います。

――不倫相手のエレナも強烈なキャラクターです。SNSの“匂わせ”など、わざと妻にバレる行動をします。

【サクラさん】映画館で夫婦デートをしているときに、わざと近くにやってきて拓海を奪おうとします。奥さんにマウントを取って楽しんでいるんです。あと、SNSに拓海とガラス越しの写真を載せて匂わせているとき、優越感を得ている恍惚とした表情も嫌な感じですよね(笑)。エレナは「こんな女ありえない」と思って描いています。

――手に入れるだけなら匂わせなくてもいいのに、妻に感づかせようとするところに性悪感が出ています。

【サクラさん】奪うだけではなくて、「私が勝っている」と相手に思わせるところがエレナですね。

――現実にも身近にいそうなキャラクターです。

【サクラさん】ネットの声などを拾ってイメージしました。エレナは自己顕示欲が強くて、常に自分が一番でいたいという気持ちがあって、どうしても拓海を手に入れたいから匂わせをやめない。こういう女っていますよね。第19話「略奪愛癖」では、エレナってこんな女というエピソードを描いているのでぜひ読んでいただきたいんです。描きながらずっと腹が立っていました(笑)。

■ファンタジーとは違う、リアルに近いから共感できるおもしろさ

――現実では、有名人の不倫ニュースは大きな話題になります。不倫をテーマにする作品の作家として思うことはありますか?

【サクラさん】不倫って本当に多いんだなって思うくらいですね。不倫報道が盛り上がっていても、不倫漫画への影響は、似たようなキャラクターや物語設定だったりしない限りほとんどないですから。作家としてではなく、個人的には裏に何があって不倫したんだろうとは思ってしまいます(笑)。

――不倫は身近にあるものとして、感情移入できると?

【サクラさん】そうですね、ファンタジーとは違ってリアルに近いから共感できて、のめりこめる面白さがあるのではないでしょうか。実際にしたりされたりしたら気分のいいものではないですけどね(笑)。

――不倫テーマの作品を手がけるのは今回が初めてですね。

【サクラさん】不倫ってじつは、誰にでも起こり得る問題なんだと思います。だからこそ当事者になったときに何をどう思うのか、裏切られたときにどんなにつらい思いをするのか。“する側”ではなく“される側”の気持ちを描いて、多くの人に伝えたいと思っています。それで、不倫に悩む方の励みに少しでもなれれば、うれしいですね。