お笑い芸人、ファッションデザイナーとして活躍する渡辺直美(33)。新たなチャレンジとして公開中のアニメ映画・劇場版「美少女戦士セーラームーンEternal」《後編》では敵キャラの邪悪な老婆・ジルコニアの声優を務めている。「大好きな『美少女戦士セーラームーン』の世界に、まさか入れるとは…」と感慨にひたる渡辺だが、強くてかっこいいセーラームーンに憧れていた幼少期には今の彼女を形作る経験があった。「あっちの楽しそうな世界なら寂しくないだろう」と芸能界に飛び込んだ渡辺が今、頑張る理由とは。

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 前編・後編で公開される劇場版「美少女戦士セーラームーンEternal」は、原作の4期にあたる「デッド・ムーン」編をアニメ映画化。ペガサス/エリオスとの運命の出会いから始まるちびうさの淡い恋とセーラー戦士たちの成長の物語を描く。敵キャラとはいえ、劇中ではさすがの存在感をみせ、セーラームーンたちを苦しめる敵役を熱演した。

 「芸人になりたくてこの世界に入ったのに、まさか『セーラームーン』の作品の世界に入れるなんて…。大好きなセーラームーンたちをいじめる悪役として、また当時観ていた頃とは違う視点で参加できたのがありがたかったし、楽しみでした」と起用の喜びを語る。

 幼い頃には、『セーラームーン』のファッションに影響を受けたそう。「うさぎや仲間たちの私服を見るのが好きでした。保育園で絵を描くとなると、まずはセーラームーンの絵を描くんです。今も、スカートを作る時はセーラームーンのひらひらのスカートを描いてしまいます。子どもの時は無邪気に楽しんでいたけれど、大人になってみると、ああ、銀河の話だったのね、と、より深く物語を知ることができた部分もありました」とその奥深さに感心した。

 今作のテーマは“夢”。主人公・月野うさぎ(スーパーセーラームーン)は自分の夢、そして大切なみんなの夢を守るため、強敵に立ち向かっていく。「『セーラームーン』のようにみんなから頼りにされて愛されるような存在になりたい」と語る渡辺の幼少期の“夢”。それは今と変わらず「芸人になること」だったという。

 「キャビンアテンダントさんになりたい頃も、漫画家になりたい頃もあったけどずっと心にあったのが芸人。芸人だったからこそ派生して、いろんなお仕事をもらえたりするのでありがたい職業だと思います。いざ、仕事についた時は『キツ!』て思うこともありますが、どんな仕事でも人のために動くためには、力も経験も必要だと思います」。

 芸人を志した理由は「私の場合は母子家庭で育ち、母親も遅くまで仕事をしていたのでテレビだけが寂しさを紛らわせてくれていたのでその世界に行きたいと思ったんです。あっちの楽しそうな世界なら寂しくないだろうな、と目指したのがきっかけです」と回顧する。

 「中学・高校くらいから芸人になりたい夢が明確になってきて、自分が芸人になって、テレビに出たときに私の幼少期と同じように、テレビしか今一緒に寄り添うものがない、とか、子どもたちに限らず寂しい想いをしている人たちが笑ってくれたら、そんな芸人になりたいな、と思うようになりました。セーラームーンのように“あのひとのために頑張りたい”って誰でもある気持ちだと思います。私もそれは変わらずにあります」。

 いまや937万人のインスタグラムフォロワーを持ち、芸人というジャンルを超えた活躍をみせているがそれでも原点は多くの人に「笑ってほしい」という想いだ。

 「いざ芸人を始めて、いろんな仕事を始めた時に、お客さんの声を聞いたときに私が求めていたのはこれだ、と思い出しました。やっぱり、仕事はすごく難しいこともあると思う。勉強は頑張ろうと思ったら、教科書があってそれを映して覚えればいいけれど、仕事って頑張ろうとしてもなにを頑張っていいかわからない時もある。とにかく自分のやりたいことをブレずにこの先をまっすぐ歩いていきたい」。

 内なる情熱を胸にたくさんの夢をかなえてきた彼女の次なる夢は――。「新しいエンタメはやってみたいと思います。テレビはみんなで作るものですが、自分ひとりでもできるようなエンタメ作品は20代の時みたいにやってみたい。具体的には英語をもう一回勉強し直しているんですけど、英語でコントをしたり漫談したり。英語を使ったらもっと世界で活躍できる場所が広がるのではないか。

 日本だとどうしても新しいことに挑戦しづらい立場になってきていると正直、思っています。固定概念というか、例えば私がいきなり漫談を始めたら『どうした?』『なにがあった?』ってなっちゃうかもしれない。憶測でしゃべられることが嫌なので環境を変えて挑戦していきたいというのはあります」と常に広い世界を見据えている。