NHKで放送中の大河ドラマ『麒麟がくる』(毎週日曜 後8:00 総合ほか)。10日放送の第40回では、大坂本願寺攻めの最前線から、突如、松永久秀(吉田鋼太郎)が逃亡をはかり、織田方に衝撃を与える。そんな第40回のサブタイトルは「松永久秀の平蜘蛛(ひらぐも)」。「平蜘蛛」とは?

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 番組公式ホームページ内「あらすじ・トリセツ」に掲載された説明文によると、正式名称は『古天明平蜘蛛(こてんみょうひらぐも)』。低く平らな形状が、蜘蛛がはいつくばっている形に見えることが、名前の由来といわれているそうだ。

 このころの武将にとって、茶の湯は欠かせない教養の一つ。また、名物茶器を所有することが、権力者であり文化人でもあるというアピールになり、持っていない者は権力者ではあっても文化的とはみなされなかった。中でも信長には、「天下の名物は天下人のもとにあるべきだと」いう考えがあり、降伏する武将が名物茶器を持っていれば、命の代償として献上させていたともいわれている。

 一方、戦の最中に陣を抜け出すことは死罪に値する。光秀(長谷川博己)は、伊呂波太夫(尾野真千子)の導きで松永と会い、なぜいま離反するのか問いただす。筒井順慶(駿河太郎)に大和の守護の座を与える織田信長(染谷将太)の、家筋を重んじる態度が許せないという松永。自分に大和を任せる本願寺側につくと明言する。畿内の差配を任されている光秀と戦うこともやむなし。第39回で光秀が危惧していたことが起きてしまう。

 そんな松永が大事にしていたのが、「古天明平蜘蛛」の茶釜。信長はこれを喉から手がでるほど欲しがっていた。『麒麟がくる』では、昆虫や鳥、その他の小道具が、ドラマを盛り上げる伏線として、あるいは登場人物たちの心理を代弁するものとして、巧みに用いられているが、サブタイトルにまでなっている「平蜘蛛」は、ことのほか意味がありそうだ。