いまだ終息の目処が立っていない新型コロナウイルスの感染拡大。長期化によって、あらゆる業界に多大な影響が及ぶなか、「フィットネスクラブ」も例外ではない。日本フィットネス産業協会による感染予防対策の業界ガイドラインの徹底などから、運動しやすい環境は整いつつあるが、新しい生活様式の中で施設および利用者たちの状況はどのようになっているのだろうか? oricon MEは、2月の「フィットネスクラブ」顧客満足度ランキングの発表に先駆け、調査の一部設問から作成した「フィットネスクラブ利用実態レポート」を1月7日、公開した。

【調査グラフ】退会理由は「コロナの影響」が最多、1年以内の退会者では4割以上に

 本調査は、3年以内にスポーツジム、フィットネスクラブに通ったことがあり、料金を把握している(いた)全国の18歳~84歳の男女5206人を対象に行ったもの。インターネットによるアンケート調査で、期間は2020年11月2日~6日。回答者の内訳は、「現在通っている人」:3356人、「新型コロナウイルスの影響による利用中止者・休会者」:674人、「それ以前〜3年以内退会者」:1176人となっている。

◆フィットネスクラブに通う理由、女性は健康管理に加え「ストレス発散」「美容」を意識

 まずは、コロナ禍においても施設に通っている人たち(回答者内訳の「現在通っている人」)の特徴について。現利用者3356人の構成比を年代別に見てみると、男女ともに【60代以上】(男性:33.2%、女性:45.3%)が最も高く、とくに女性では半数近くを占める。また、【20代以下】から【60代以上】へ年代が高くなるほど現利用者の比率が高く、新型コロナ感染拡大後も継続して利用している主な層は、シニア層である傾向が見られた。

 施設の利用頻度を「コロナによる営業自粛前」と「営業再開後」とで比較をしてみると、【週6回以上(ほぼ毎日)】【週4~5回】とコアな利用者は、男女ともに「営業再開後」のほうが減少気味(週6回以上:男性12.3%→9.7、女性13.3%→10.2%/週4~5回:男性24.1%→20.8%、女性:28.8%→24.1%)。安心・安全に運動ができるよう利用制限をかける施設が多いこともあると思うが、新型コロナに十分注意を払いながら施設に通う利用者たちの様子がうかがえる。

 フィットネスクラブに通う理由としては、男女ともに【健康管理のため】(男性81.0%、女性84.5%)、【体力づくりのため】(男性:74.6%、女性:74.9%)が他の項目に比べ高い割合となっているが、女性は【1人だと運動ができない/続かないため】(36.2%)の項目が全体よりも+10pt、【ストレス発散のため】(42.9%)、【美容のため】(15.8%)の項目が全体よりも+5ptとなっており、気分転換や自分磨きのために利用する傾向が大きいようだ。

 なお、施設内の利用エリアは、男性は女性よりも【ジム・トレーニングエリア】(男性:96.6%、女性:88.0%)が、女性は男性よりも【スタジオレッスン】(男性:29.7%、女性:50.8%)の割合が高いようだ。

◆中止・退会者の4割以上が「ワクチン接種」を再開の目安の1つに

 現利用者の回答からも、新型コロナの影響が少なからず見られたが、次に現在は施設を利用していない人(回答者内訳の「それ以前〜3年以内退会者」)の声を聞いてみることにしよう。

 施設を利用しなくなった理由(複数回答)について尋ねたところ、3年以内の退会者1176人のうち【新型コロナウイルスの影響があったから】が男女ともに3割以上と最多で(男性31.5%、女性30.3%)、1年以内の退会者に絞るとその割合は4割以上(男性44.1%、女性:45.5%)。そもそものところで、「新型コロナウイルスの影響による利用中止者・休会者」も674人おり、新型コロナは未知なるウイルスという恐怖に加え、経済(=家計)にもダメージを与えていることから、やはりフィットネス業界においてもその影響は甚大と言えそうだ。

 ただし、状況が変われば再度利用したいと考えている人は多く、「新型コロナウイルスの影響による利用中止者・休会者」は実に9割前後(男性:91.8%、女性:85.8%)、「それ以前〜3年以内退会者」でも7割前後(男性:74.5%、女性:65.5% ※ともに【とても利用したい】【まあ利用したい】の合計値)に再利用の意向が見られた。

 再度利用したいと思える状況の変化について聞くと(複数回答)、【新型コロナウイルスワクチンを接種して、感染の不安が軽減されたら】が4割以上(44.8%)と最も高く、次いで【近隣地域の新型コロナウイルス感染者数が低い水準にまで戻ったら】が26.6%で続く。

 体を動かすことは、身体の健康はもちろん心の健康にもつながる。現在は、全国的に再び感染拡大が広がっている状況だが、1日も早く思い思いにトレーニングができる日が来ることを願いたい。