コロナ禍でいつも違う年末を過ごすことになった。その年の世相を漢字一文字で表す師走恒例の「今年の漢字」は「密」(ミツ・ひそかに)に決定。3「密」という言葉が提唱され、生活・行動様式が「密」にならないよう国民が意識し続けた1年となったが、そんな「密」という漢字の覚え方を自身のツイッターで「ウ」「必(ひつ)」「山(サン)」とテンポよく指南しているのが、昨秋から“#秒で漢字暗記”で話題となっているオジンオズボーンの篠宮暁だ。

【写真】篠宮が生んだ“秒で漢字暗記”「鬱」ほか“覚え方”集

 きっかけとなったのは、昨秋に投稿した「鬱」の覚え方。「木缶木ワ凶ゝゝゝゝヒミ」とパーツに分けて、「キカンキワ キョウ ワチョ ワチョ ワチョ ワチョ ヒミー!」とリズムカルに覚えていく様子は大きな反響を呼んだ。もともとリズムネタを得意としていた篠宮だが「『M-1』グランプリの出場資格がなくなって、漫才で勝負できなくて、どうやってテレビに出ていこうかと考えていた時に、マネージャーさんと漢字検定1級を取ろうという話になりまして。漢検2級の勉強をしている時に、鬱っていう漢字が出てきて、自分なりに分解して、バラバラにしてリズムで覚えたものをツイッターであげたら、バズって今にいたりました(笑)」。

 ほどなくして、漢字の覚え方を書籍として出版し、目標としていたクイズ番組への出演なども決まるなど“新しい漢字の暗記術”を編み出した開拓者として露出も大きく増えた。「最初はギャグの延長線上で作っていたんですけど『これで漢字を覚えられる』という声をすごく聞いたんです。そこは偶然の産物というか、めちゃくちゃラッキーなところでした」と声を弾ませるが、7月末に発売した『オジンオズボーン篠宮暁の秒で暗記! 漢字ドリル小学校1・2年生編』では、新たな挑戦にも取り組んだ。

 「2月に難解漢字の覚え方の本を出した時に、コロナの影響から、自宅で勉強するお子さんが増えたということで、親御さんが勉強のために買ってくださっているという声を聞きました。それもあって、1・2年生向けの本を出したのですが、今までと一番違うのは書き順を意識した点です。前は面白さ、語呂を重視していたのですが、小学校1・2年生は書き順がテストに出るということなので、そこがめちゃくちゃなのはどうなのかと。そこで、書き順通りに作ってみたんですけど、それが一番大変でしたね」

 これまでとは違う“漢字芸人”として人気を集めた1年となった篠宮だが、胸に残っている言葉がある。「大竹まことさんから『お笑い芸人として残ろうとするな。残ろうとした奴から消えていったから』という言葉をいただいたのですが、今も意味がわかったつもりでいるんですけど、100%はわかってなくて…。今の活動は、芸人として残ろうとしないで、いろんなことをやったから、今にいたるのかなと思ったりとか、考えています。ただ、同時に『オレの言うこと聞くなよ』とも言っていただいて(笑)。その言葉は今でもかなり残っています」。大先輩からの金言を胸に、篠宮は来年も大きく羽ばたいていく。