『ゴッドタン』などを手がけるテレビ東京プロデューサーの佐久間宣行氏(45)が、東京国際フォーラムのホールAに進出する。パーソナリティーを務めるニッポン放送『佐久間宣行のオールナイトニッポン(ANN)0(ZERO)』(毎週水曜 深3:00)が、2度目の番組イベント『佐久間宣行のオールナイトニッポン0 リスナー大感謝祭2021~fanfare~』を、来年1月11日に同所で開催。現役のテレビ局員が、大会場で行う“異例”のラジオイベントを前に“船長”は何を思うのか。2年目を迎えたラジオへの思いとともに、佐久間氏に聞いた。

【写真】イベントグッズをアピールする佐久間宣行氏

■オープニング映像では“俳優”として活躍 配信でもディープなトークは健在「リスナーを信用しています」

 年末年始の特番で多忙な時期であることから「正直、なんでこの時期に引き受けてしまったんだろう」と笑い飛ばす佐久間氏だが、プレッシャーはない。「僕が20代で、毎回が勝負だと思っているタレントさんだったらそうでしょうけど、40半ばになると、その時の結果が実力だっていう風に思えるので(笑)、もちろん最大限の努力はするんですけど、気負ったりはしないです」。昨年10月、番組スタートからわずか半年で下北沢の本多劇場で開催した1回目の番組イベントでは、オープニング映像も話題となったが、今回も“俳優”として活躍している。

 「この前の土日に朝からロケをやったんですけど、映画のパロディーからテレ東のパロディーまで、けっこう2日間ガッチリロケをやらされて、年末特番の作業にしっかり支障が出ましたね(笑)。僕の演技に需要があるのかわからないんですけどね…。でも、このラジオを始めた時、言われたことは、1回は断らずにやると決めたので。今回も撮っている最中から恥ずかしかったんですけど(笑)、僕も今まで散々芸人さんにいろんなことをやってきてもらったので」

 前回は300人という限られた人数でのイベントという空間もあり、ディープなトークも飛び出したが、今回はオンラインでの視聴もできるため、話す内容も変わってくるのだろうか。「オフレコのトークをするには勇気が必要だと思いますが、そこは変えずにいこうと考えています。深夜3時にやっているラジオを聞いているリスナーのことを信用していますし、配信のお客さん、会場に来てくれるお客さんも、どちらもお金を払ってこの時間を楽しみたいっていうことには変わらないと思うので」。ゲストには、『ゴッドタン』で長年にわたり共闘してきたおぎやはぎの矢作兼が登場するが「矢作さんと真面目な話をしたことが1回もないんですよね(笑)。最初に会った時から、一緒に番組をやっていない時期がないのですが、『僕のことをどう思っているんですか?』というのは気になりますね」と声を弾ませた。

 イベントグッズについては「番組のデザイナーがすごく優秀で、しかも、ラジオのリスナーというのも大きくて…。番組のグッズって、あからさまにわかると恥ずかしいけど、わかる人だけにわかってほしい、普段使いもできるギリギリの線っていうのが僕の理想で、それをしっかりかなえてくれています。個人的には会社員Tシャツっていうのがすごく好きですね(笑)。弁当箱もありますが、これけっこう容量が入るんです。たっぷり詰めて娘に渡したら『けっこう多いんだけど』って言われました(笑)。それくらいたっぷり入るので、男性の方もぜひ」と呼びかけた。

 今年2月には『佐久間宣行の東京ドリームエンターテインメント』(後8:00~9:50)と題して、4夜連続での放送にもチャレンジした。「帯番組自体は体調を整えるっていうことだったので、前後の仕事の調整がちょっとバタバタしたなっていうくらいで、基本的に楽しかったです。『ドリエン』もそうなのですが、僕は力量のあるゲストの方が来ていただいているので助かっているだけで、ゲストを迎えて話を聞くっていうのは大変だなと思いました。それをうまくやられるMCの方はすごいです。普段の番組でもそうですが、ゲストの方にあの話を先に聞いておけば、もっと流れが作れたなとか、うまくいく時といかない時で反省したメモをつけて、テレビに出始めの若手芸人みたいに反省しています」。もう1回を求める声には、笑顔を見せながらこう答えた。

 「テレビ東京が許してくれるのであれば、全然やります(笑)。ただ、慣れちゃダメだなと思っています。ラジオも2年目ですけど、本当に楽しくて、毎回月曜か火曜くらいから、『うわーラジオだ! 楽しみだな』という気持ちなんですよ。そういう仕事はずっと続くもので、『ゴッドタン』もそうなんですよ。2日前くらいからこの企画楽しみだなという感じで、すごくダサい言い方をすると、ときめきがあるというか…。なので、またやってくださいって言っていただいて、そういう気持ちがなくなっていなければ、やりたいです」

■リスナーとのやり取りで感じる「遊び場をなくしたくない」 3年目を期待する声には…

 毎週のラジオでは、リスナーとの結びつきもより深くなっている。先日の放送では、小林製薬の商品名をきっかけに深夜の大喜利大会が大いに盛り上がった。「リスナーはとにかくリテラシーが高くて面白い人たちがそろっている印象です。一気にこの流れで絡んだ方がいいっていう時にメールがばっとくるし、悪ふざけも含めて、深夜ラジオっていう遊び場をなくしたくないっていう人たちが集まっているような気がします。僕がこれまで聞いてきて、そして実際にやってみて『深夜ラジオっていいよね』って改めて思ったし、リスナーのみなさんもやっぱりこの遊び場があるのがすごくいいよなって感じながらやっていて、多幸感があります」。

 コロナ禍で、ラジオへの需要も高まってきた実感もある。「みんなが等しく日常を奪われて不安だったりする時に、不安なことは不安だって言って、みんなでおもしろがる時はおもしろがるっていうように、深夜ラジオにはちゃんと日常があった気がするんですよね。だから、僕も放送の時はできるだけ、選曲はエンパワーメントするようなものを増やしていましたけど、それ以外は変わらないでやろうと思ってやっていました。選曲は単純に一番楽しい仕事で、全部の仕事の中で一番楽しいかも(笑)。テレビの編集で行き詰まった時とかの気分転換にラジオの選曲をしています。単純に好きな曲をかけているので、別に意味を感じてほしいっていうよりは、この曲いいよねっていう反応だとうれしいです。ただ、たまーに意味のある選曲もしますので、それはそれでわかる人がわかってくれたらいいかなと」。

 佐久間氏自身も、コロナで自宅にいる時間も増えたことで、ラジオのトークに変化があった。「家のベランダに閉じ込め込められたり、ディスポーザーが壊れたりといった、僕の不注意がきっかけで、いろんな事件が起きました(笑)。もともとサラリーマンのおじさんの日常って興味ないだろうなと思っていたので、1年目は芸人さんの話とか、仕事で起きたテレビの話を主にしていたんですよ。コロナ禍になってから、徐々に(家族のことを)話してみようかなと思って話してみたら、ほかのパーソナリティーの方々と違う話になっているからなのか、自分の生活と地続きだって思ってくれた反響があったので、日常の話をしていこうという風になりました」。

 得意のブッキング力が光るゲスト陣もバラエティー豊かな1年だった。「加藤浩次さんが来たのはびっくりしましたよね。ちゃんと話すのは10年ぶりくらいだったのですごくうれしかったですし、バカリズムもあそこまで内面を出すトークってあんまり聞いたことがなかったので、まさか自分のラジオで出してくれるのもうれしかったですね」。今後呼んでみたいゲストには、“ライバル”TBSラジオにゆかりのあるメンバーの名前が飛び出した。「伊集院光さんに来ていただきましたが、それ以外の方々はやっぱり基本的にはお呼びできてないので、おぎやはぎ、バナナマン、山ちゃん(山里亮太)、アルコ&ピース、ハライチ…10年くらい知っている方々には、どこかのタイミングで来ていただきたいですね」。

 さらに「(TBSの)藤井健太郎くん、(テレビ朝日の)加地倫三さんに来てもらったんですけど、実は面白いディレクターがいて、フジテレビだと木月洋介さんとか。小説家の西加奈子さん、加藤千恵さん、朝井リョウさん、中村航さん、演劇界で岩井秀人さん、ケラリーノ・サンドロヴィッチさん、松尾スズキさんなどともお話してみたいです」とゲストプランもあふれ出てくる。「3年目も安泰ですね?」と向けると、率直な思いを打ち明けた。「ハハハ。ただね、僕はそこに対してはすごく現実的というか。テレビで終わるはずのない番組が終わってしまうこともたくさん経験しているので、期待しすぎるのもよくないですし、かと言って夢を捨てるのもよくないんですけど。そこまでナイーブじゃないんですが、やれるんだったらやりたいです」。まずは佐久間“船長”の航海を存分に堪能できる、ラジオイベントを楽しみに待ちたい。

■『佐久間宣行のオールナイトニッポン0 リスナー大感謝祭2021~fanfare~』
日程:2021年1月11日
会場:東京国際フォーラム ホールA
時間:開場 午後4時/開演 午後5時
【ライブ配信チケット(アーカイブ配信あり)】
チケット料金:3500円
配信サイト:ぴあ(PIA LIVE STREAM)
アーカイブ配信期間:公演終了後~1月12日
イベントHP:https://event.1242.com/special/sakuma/