新型コロナウイルスの影響で新作の上映延期が続き、大打撃となった今年の映画業界。そんな中で、アニメ映画『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が興行収入324億7889万5850円を記録し、実写作品も含めた歴代の興行収入ランキング1位だった『千と千尋の神隠し』の316.8億円(興行通信社調べ)を突破した。週末動員ランキングも11週連続で1位を記録する快挙で快進撃が続いているが、『鬼滅の刃』以外にも9月に公開された『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』が上映劇場の追加が決定し、興収20億円を突破するなど、アニメ映画が支持された一年となった。

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 『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』は、人気テレビアニメ『鬼滅の刃』の続編を描いたストーリーということもあって全国403館での公開スタート。各劇場とも一日の上映回数が多く、その中でもTOHOシネマズ新宿(東京)は公開初日の10月16日に全12スクリーンのうち11スクリーンで上映、42回の異例の上映スケジュールが組まれて話題に。それでも初日は午前6時オープンで早朝から多くの人が並び、上映前にグッズ購入するなど劇場は賑わっていた。

 そして、公開3日間で興行収入46億円と驚異的なスタートを切り、10日間で107億円、17日間で157億円、24日間で204億円、1ヶ月で233億円、公開59日間で興収300億円を突破。そして今月28日に、2001年11月以来、19年ぶりに興行収入ランキングの首位が『千と千尋の神隠し』と入れ替わる快挙となった。

 “興収300億円”という、ほかの作品を寄せ付けない勢いとなった映画『鬼滅の刃』。「一人勝ち」と言われてしまうのも理解できるが、コロナ禍において根強い人気を見せているアニメ映画が、9月18日に公開された京都アニメーション制作の『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』だ。

 公開5日間で興行収入5.59億円、1ヶ月で14億円、そして、12月5日付けで20億円を突破した作品で、9月18日の公開から11週連続で週末動員ランキングTOP10入りを果たすなど根強い人気。「泣ける」と話題の作品で、口コミも広まり、公開後から上映劇場の追加も随時発表され、公開3ヶ月が経った今でも23日に特別上映・新規上映が決定するなど、ロングランヒットとなっており、関係者によると「客層としては20~30代の大学生などが多く見られる一方で、上は60代くらいまで支持されている」という。

 『鬼滅の刃』『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』両作品とも公開前から注目され、その期待通りに作品の面白さで観客を魅了したが、最新の映画週末動員ランキングを見ると『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』(1位)、『劇場版ポケットモンスター ココ』(2位)、『映画 えんとつ町のプペル』(4位)、『STAND BY ME ドラえもん 2』(6位)、『ジョゼと虎と魚たち』とTOP10のうち半分をアニメ映画が占めている。

 アニメ映画の支持の高さを感じるが、今後、映画『銀魂 THE FINAL』が来年1月8日に公開、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』の4作目『シン・エヴァンゲリオン劇場版』が1月23日、人気シリーズ『名探偵コナン』の最新作『名探偵コナン 緋色の弾丸』が4月16日に公開されることが決まっている。新型コロナウイルスの影響で延期となっていた作品も含めて、人気作品が続々と公開を控えており、しばらくの間、アニメ映画を観に幅広い年齢の人が劇場に足を運び、アニメ映画が業界を盛り上げていきそうだ。

(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
(C)暁佳奈・京都アニメーション/ヴァイオレット・エヴァーガーデン製作委員会