NHK・BS1で28日、BS1 スペシャル『世界一の投手をめざす~ダルビッシュ有が語る活躍の秘密~』(後8:00~8:49)が放送される。米メジャーリーグで今シーズン、日本投手で初となる最多勝のタイトルに輝いたシカゴ・カブスのダルビッシュ有投手の活躍の秘密に迫るドキュメンタリー。元ロッテのエースで野球解説者の黒木知宏がインタビューし、魔球ともいわれる究極の変化球を生み出す知られざる格闘の世界を明らかにしていく。

【写真】リモートインタビューする黒木知宏

 メジャー9年目を迎えたダルビッシュ投手。今シーズン、8勝、93奪三振、防御率2.01と、自身の野球キャリアの中でも特筆すべき成績を残し、MLB投手にとって最高の名誉とされるサイヤング賞の候補ともなった。今回、元プロ野球の投手で「魂のエース」と呼ばれた黒木が、本人にじっくりと話を聞いた。インタビューであふれ出てきたのは、新たな変化球を生み出すための知られざる格闘、苦労、そして、そこにかける熱い思いだった。

 今シーズン2試合目の登板で見せた「新しいツーシーム」(ボールが一回転する間に2回縫い目が見える球種、速球でありながらシュート回転で変化する)は、春のキャンプから取り組んだフォーシーム(ボールが一回転する間に4回縫い目が見える速球)を改良するための試行錯誤の中から生まれた。

 寝る時もボールを握って変化球のことを考えているという、ダルビッシュ投手。その一途な思いと努力が、ふと試合中のマウンドの上でひらめきを呼び起こしたという。その瞬間を説明する彼の言葉は独特だ。

 「マウンドの自分からバッターの位置まで透明なガラスの壁がずっと続いている。その壁にそってボールを走らせるイメージ」

 それはどんな世界なのか、自らもプロの一線で活躍した黒木が、鋭く切り込んでいく。シーズン半ばに登場した「スパイクスライダー」と呼ばれる魔球の誕生秘話も、初めて明かされる。インタビューの中で、自らを「変化球アーティスト」と称するダルビッシュ投手。尽きることのない創作活動への意欲は、どこへ向かうのか、そして、今、見えてきた「世界一の投手」とは何を意味するのか。コロナ禍の中、夢を形にしようと格闘を続ける希代の投手の言葉は、どこまでも力強い。