NHKは24日、2021年度後期連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』(第105作)の3人のヒロイン役に上白石萌音、深津絵里、川栄李奈が決定したことを発表。決定までの経緯や起用理由について、制作統括の堀之内礼二郎氏が文書を寄せた(※小見出しは編集部)。

【画像】『カムカムエヴリバディ』ロゴ

 本作は、連続テレビ小説『ちりとてちん』の藤本有紀氏が、ラジオ英語講座と、あんこと野球とジャズと時代劇を題材に書き下ろすオリジナルストーリー。“朝ドラ”史上初となる3人のヒロイン、安子(やすこ)・るい ・ひなたが、母から娘へとバトンをつなぎ、戦前から戦後、そして令和までの物語を紡いでいく。安子役の上白石、ひなた役の川栄は、3061人が応募したオーディションを経て選ばれた。深津、上白石は連続テレビ小説初出演。

■オーディションについて

 7月に『カムカムエヴリバディ』の企画を発表した後、およそ4ヶ月にわたって、ヒロインを選ぶための出演者オーディションを行ってきました。書類を募集したところ、応募してくださった方の数は全部で3061名にも及びました。一枚一枚に真剣に向き合いましたが、そのすべてが真摯な思いと作品に対しての熱意にあふれていました。選考にあたった全員で、身も心も削るような思いで、4度にわたる選考会と4ヶ月にわたる議論を重ねた末、最終的にお二人を選ばせていただきました。それが、三代にわたる物語の始まりのヒロイン・安子役の上白石萌音さんと、最後のバトンを受け取るヒロイン・ ひなた役の川栄李奈さんです。

■安子役の上白石萌音について

 安子は、ラジオ放送が始まった大正14年3月に岡山県のとある 和菓子屋に生まれます。あんこが大好きで、心優しい素直な女の子なのですが、戦争でさまざまなものを失いながらも、それでも激動の世の中を強くたくましく、懸命に生き抜いていきます。上白石萌音さんの見る人の心を晴らすすてきな笑顔と、柔らかいながらも決して折れない芯のあるお芝居の中に、僕らが求めていた安子がみつかりました。

■ひなた役の川栄李奈について

 ひなたは、安子の孫にあたります。おばあちゃんとは違って平和な時代に生まれ育ったひなたは、甘えん坊だったり、飽きっぽかったり、なんだか親近感がわいてくる女の子です。そんなちょっぴりダメなところもあるひなたですが、この三代にわたる家族の物語の後半に、重要な役割を果たしていきます。陽の射すような明るさも雨模様のような憂いも表せる豊かな表現力を持つ川栄李奈さんのお芝居をみ
て、最後のヒロインとして、100年の物語をきっとすてきなフィナーレに導いてくれると感じました。

■るい役の深津絵里について

 そして、もう一人のヒロイン。安子の娘であり、ひなたの母親である、るいを演じていただくことになったのが、深津絵里さんです。企画の当初から、るいという役のキャスティングは難題だと思っていました。というのも、青春期を演じてもらいつつ、後半ではひなたの母親を演じてもらわなければならなかったからです。るいは、ある事情で母と離れ、傷つき迷いながらも自分の意志と力で生きる道を切り開いていく人生をたどります。そんな強さと弱さを抱えた女性を魅力的に演じられる役者さんは誰だろう、とチームで考え抜いた末にたどりついたのが、深津絵里さんでした。 さまざまな作品で新しい女性の価値観や生き方をみせてくれた深津さん。

 ドラマ制作現場で駆け出しだった自分にとって、本当に憧れ中の憧れの存在でした。正直、最初は深津さんに朝ドラのヒロインを演じてもらうなんて夢の世界の話だと思っていたのですが、藤本有紀さんが描く物語の魅力と、三世代のヒロインで100年の物語を描くという志を真っすぐに受け止めてくださり、実現することになりました。

■撮り下ろしのスリーショット写真について

 今回の発表のためのスリーショット写真は、年の瀬も押し迫ったある日、都内の某所で撮影しました。ヒロインの3人が顔をそろえるのはその日が初めてのこと。白い衣装に身を包み、緊張の面 持ちでカメラの前でそれぞれが顔を合わせたその瞬間、緊張と憧れと喜びと感動が入り混じったような空気がほどけ、知らず知らずのうちに、その場にいた全員が笑顔に包まれました。バラバラだった何かが一つにつながったような、言葉にできない思い。満たされた光の中に浮かび上がった3人のヒロインの姿を見て、祈りのような気持ちがわいてきました。

■制作チームの思い

 100年の物語の中で、上白石萌音さん、深津絵里さん、川栄李奈さんとつながれていくバトン。それはこの朝ドラにおいてはヒロインのバトンでありますが、実は誰もが持っている命や役割の象徴でもあります。命を受け取り、時間や努力を積み重ね、そうやって培った思いや役割を誰かに託していく。人の世は何千年も前からそういう風にして紡がれているのだと思い、ぬくもりを感じてもらえたら、この大変なご時世の中でも、自分の命の大切さや未来への希望を感じられるようになるのではないか。どうか、そうなって欲しいと願っています。

 制作チームが持ち続けている思いは最初から変わりません。こんな時だからこそ、最高に明るくて面白い朝ドラを届けていきたい。朝が輝けば、一日が輝く。一日が輝けば、毎日が輝く。 朝ドラが面白ければ、世の中は変わるという思いは、日に日に強くなっています。

 本当に魅力的な方々をヒロインとしてお迎えすることができました。きっと来年秋、泣いて笑って元気になれる物語を届けられるはずです。ぜひこの楽しい物語の世界に、カムカムエヴリバディ!! そして来年こそ、今年の苦労を吹き飛ばすようなすてきな毎日がみなさまに訪れることを願っております。

 We wish you a Merry Christmas & A Happy New Year !!