世界中が固唾をのんで見守った、あの洞窟遭難事故から2年――。2018年タイ・チェンライの洞窟に立ち寄った地元サッカーチームの少年12人とコーチは、豪雨による急な増水で洞窟の奥深くに閉じ込められてしまう。各国から集まったケイブ・ダイバーと遭難救助の専門家たちによる決死の救出劇を映画化した『THE CAVE(ザ・ケイブ) サッカー少年救出までの18日間』が、今月13日より公開中だ。

【動画】トム・ウォーラー監督インタビュー

 監督を務めたのは、タイ・バンコク出身のイギリス人、トム・ウォーラー。本作を撮ろうと思ったきっかけを、「地球上の皆さんと同様に、私は胸をドキドキさせながら見守り、固唾を飲んでニュースを見ていたんです。タイ出身の映画人として、この物語を語るに当たり、私はユニークな立場にあり、別の視点から描けると思ったんです。このたぐいまれな、過ち、勇気、希望、そして根気の物語は語られるべきだと思たんです」と語る。

 ウォーラーは、救助活動に当たった救助隊員のボランティア精神や個人像に焦点を当てようと、事件の裏側を描くことにしたという。本作に現実味を持たせるために、「10人以上の当事者たちに製作に加わってもらったんだ。その多くは本人役として登場しているよ」と語り、実際に救助にあたった洞窟ダイバーや外交官、財団法人の救助員、ボランティア、警察、地元農家の人々や村人の完全協力のもと、本作は完成した。

 一番力を入れた点について聞かれると、「観客があたかもその場にいるような気持ちにさせるため、現場を忠実に再現するよう努力したんだ。救助隊員と共にトンネルに入っていく気にさえなれるようにね」といい、生存率を見事に覆した国際的な救助隊の裏話をどう描くか、少年たちの両親や友人、親戚の恐怖や気持ちの浮き沈みをどう伝えるか、地元の村人やタイ人が究極の成功に貢献したことを観客にどう理解させるかなど、映画を完成させるまでには時間を要したという。

 「救助は100%不可能」と言われながらも、事故発生から18日目に奇跡的に生還した救出劇の裏には何があったのか? 大勢の関係者にインタビューを重ね、徹底的にリサーチが行われ、報道では決して目にすることが出来なかった増水し危険な洞窟内部の映像と、ダイバーたちによる命がけの救助の一部始終を完全再現するとともに、緊迫と感動のドラマに仕上げている。