BSテレ東/BSテレ東4Kで15日に放送される『フィギュアスケート カーニバル・オン・アイス 2020 ノーカット特別版』(後2:00~4:00)の解説を担当する町田樹(國學院大學助教)と実況の板垣龍佑(テレビ東京アナウンサー)が、番組の見どころを語った。

【写真】名前の挙がった日野龍樹、山本草太ら

 『フィギュアスケート カーニバル・オン・アイス 2020』は、去る10月3日、さいたまスーパーアリーナで有観客で開催されたアイスショー。海外選手は来日できない状況だったが、オリンピックを目指す国内のスケーターを中心に見ごたえのあるスペシャルプログラムが披露された。番組では、世界王者ネイサン・チェン、マライア・ベル、アリサ・リュウがVTRで特別出演。高橋大輔&村元哉中も登場する。全選手の演技をインタビューも交えて楽しめるまさに“特別版”。

■大会全体の見どころについて

【町田】海外スケーターが来日できないため、開催前は正直なところちょっと物足りなさを感じるかもしれないと思っていましたが、杞憂でした。たとえ世界選手権を経験しているようなスーパースター級の選手がいなくとも、これほど豊かで面白いフィギュアスケートイベントが開催できるのだという驚きがあり、これから先に希望を感じました 。

【板垣】コロナ禍によりフィギュアスケートを生で見られる機会が激減してしまった中、今回は有観客で行われました。生で演技を見る機会ができたことは本当にすばらしいことで、僕も本当にうれしかったです。選手からも、大会やショーが開催されたことに対する感謝の思いや、みんなの前で滑ることができる喜びというものが感じられました。そして、テレビを通じて全国の皆さんがフィギュアスケート界の現在(いま)を見られるということもすば らしいことだと思います。宮本賢二さんが振り付けしたオープニングナンバーでは、(新型コロナウイルス感染症対策として)選手同士が接触しないような振り付けになっていました。それでも選手、お
客様、そして我々スタッフを含めて“みんなが繋がっている”感じがありました。まさに、会場一体となったアイスショーだったと思います。

■若手選手について

【町田】『ジャパンオープン2020』では、競技のエンターテインメント性を出すためにAIの情報処理スタイルを先取りしてジャンプやスピンなどの技の成功確率などを交えながら競技会用の新しい実況・解説のスタイルを作り上げるというチャレンジをしました。一方、『カーニバル・オン・アイス 2020』では、それぞれ選手の良さを伝えるという使命感を持ち、いつも通りの実況・解説を行いました。ただ今回は、ジュニアスケーターが多く出演していましたので、『この選手はここがもっと伸びていくだろう』という期待ポイントを伝えることも意識しています。

【板垣】これまであまり知らなかった選手を調べるなど、僕としてはとても勉強になりました。また、トップスケーターと比べれば、まだ世間的にはそんなに知られてない選手たちを、“自分なりに噛み砕いて視聴者に伝える”という、例年とは違う新たなやりがいを感じました。

■印象に残った選手は?

【町田】皆さんすばらしい演技でしたが、強いて挙げるなら、日野龍樹選手と山本草太選手です。日野選手の『交響曲第3番「オルガン付き」』は 、「俺を見ろ!」という、観客の心をつかみに行く意気込みが感じられる力強い演技でした。観客に「この選手は どんな景色を見せてくれるんだろう」という期待をさせて、そして期待した以上の景色を見せる。そこまで観客を誘い導くことが本当のプロフェッショナルだと私は考えています。『ジャパンオープン』と『カーニバル・オン・アイス』のインターバルは3、4時間しかないので本当に過酷です。若手選手たちが苦戦している中で、彼がバシッと ジャンプを 決めましたので、そこでもう一段階、舞台空間の次元が上がった感じがしました。

 山本選手は、「北京冬季オリンピックを真剣に狙う」と公言していますが、その言葉の通り、技術も表現も飛躍的に向上していました。『カーニバル・オン・アイス』では、「黒い瞳」を滑りましたが、彼自身の代表作の1つといえるようなすばらしいプログラムに仕上がっています。山本選手も、日野選手と同じく「俺についてこい」という表現者の気構えのようなものがしっかりと表れていたと思います。

【板垣】町田さんが挙げた2人以外だと、本田ルーカス剛史選手です。僕は素人なので偉そうなこと言えないですけど、雰囲気があるというか…、「表現力がある」と簡単に言ってしまうのはよくないかもしれませんが、リンクに立つ彼の表情などから、そういうことを感じました。

【町田】彼は今季、「表現を頑張る」と公言しているのですが、その実現に向けて本当に努力していることが感じられました。観客が思わず見入ってしまうような、匂い立つものがありましたね。その言葉では説明できないような空気感、彼がそ
れを纏(まと)い始めている感じが見て取れました。

【板垣】横井ゆは菜選手も印象的でした。今回披露した「なんでもないや」は感情を押し殺すようなしっとりとしたナンバー。こういう曲にもトライしているんだと驚きました。しかも、ほとんどミスもなく、息を飲むほど美しかった。今後にさらなる可能性を感じました。

■アイスダンスへの期待

【町田】『カーニバル・オン・アイス』では、アイスダンスカップルの小松原美里選手&コレト ティム選手が演技を披露しています。小松原選手はインタビューで村元哉中&高橋大輔組について聞かれ、「アイスダンス」では私たちの方がキャリアがありますので、負けてはいけないと思います」と力強いコメントをしていました。村元&高橋組もデビューシーズンということで勝負をかけてくると思いますので、そういった意味では今季のアイスダンスは 、スポーツとしての面白さ、ライバル同士の切磋琢磨が見られるのではないかと期待しています 。

【板垣】村元選手&高橋選手の練習の映像を見て、楽しみでしかありません。以前、村元さんが 「高橋選手はスピードがあるので、そのスピードを生かしたアイスダンスカップルなったら、面白いかもしれません」とコメントしていて、これまでのアイスダンスにはなかった新しいプログラムが出来上がってくるのかな、と期待しています。リズムダンスのプログラムは「The Mask」ということですが、この曲は合いそうですよね。

【町田】そうですね。2人の得意分野かもしれません。デビュー戦となる『NHK杯2020』が楽しみです。