俳優の上川隆也(55)が主演を務め、NEWSの加藤シゲアキ(33)が週刊誌記者役で共演する22日スタートのWOWOW『連続ドラマW 夜がどれほど暗くても』(毎週日曜 後10:00、全4話)。初の記者役に挑戦する加藤だが、どのように役への準備をしてきたのか、そして自身が考える“ジャーナリズム像”などに迫った。

【場面カット】加藤シゲアキの上司を演じる上川隆也

 原作は“どんでん返しの帝王”の異名を持ち、これまでに数々の作品が映像化されてきた中山七里氏の同名小説。スクープを追う大手出版社の雑誌「週刊時流」の副編集長・志賀倫成(上川)は、順風満帆なジャーナリスト人生を歩んでいたが、一人息子がストーカー殺人を起こして自殺したことで生活が一変。容疑者家族としてマスコミに追われる絶望的な状況の中、ある少女と出会い志賀は再び突き動かされ、深い闇から一条の光を見つけていく。

■『週刊新潮』編集部を訪問「心の準備ができた」

 加藤が演じる井波渉は、「週刊時流」の若手記者。報道のあり方をめぐって、上司の志賀と対立するが、事件をきっかけに志賀を取材する立場となる。加藤は「いろいろな葛藤を抱えているキャラクターだと思います。何が(報道の)正義なのか? 売上を意識することもあり、何を優先するかに葛藤しています。シーンごとに揺れて傾いているというか…。いろんな方向に倒れていく不安定なところが未熟とも言えるし、人間的とも言えますね」と自らの役柄を分析する。

 役作りについて聞かれると、19日発売の著書『オルタネート』(新潮社)の出版に合わせて、『週刊新潮』の編集部を訪問したことを明かした加藤。「雑多な編集部で、言葉で言えるようなものではないですが、息づかいや歴史が感じられました。図らずも心の準備みたいなものはできて、興味深く拝見させていただきました」と役への気持ちを高めていった。

■主演・上川隆也は“気づかいの方”「甘えさせてもらっています」

 志賀とは上司と部下で、対立しているような関係だが「ある種似たもの同士だったりする部分もあり、どちらかが間違っているわけではなく、考え方が違う。志賀も悩みつつ今の立ち位置にいることがわかってくるので、井波もこういう部分に共感していくんだと思います」と回を追うごとに良いバディへとなっていくという。

 主演の上川に対しては「目上の方に対して言うのも…」と前置きしつつ「しっかりしているというか。気づかいの方なので、身を委ねるだけです。上司と部下の関係のようにそのまま甘えさせてもらっています」と絶大な信頼を寄せる。

 現場の雰囲気は「殺伐とはしていませんが、内容が内容なので、にぎやかではないです」とするも「空き時間には共通の趣味などラフな話をしています。上川さんがアニメ好きということもあって盛り上がりました(笑)。ゲームもされていて、僕も似たようなゲームをしているのでおすすめし合っています。男子の話をしてます(笑)」と良いムードで撮影が進行していると明かした。

■情報の受け手も注意を「読解力、理解力を意識して冷静でいないと」

 今回、初の週刊誌記者役ということから、加藤が考える“理想のジャーナリスト像”について聞くと「ちゃんとファクトチェックをすることですかね?(笑) 事実を事実として伝えることは当然の責務」という。その上で「視点が変わることで見え方が変わることもあります。一方的な目線ではなく、あらゆる視点を提示することが大事だと思います」と持論を語った。

 本作では、ある事件の被害者が“遊び人”だったと報じられるが「本当はたった1回だけクラブに行ったことがあっただけなんです。まさにそこが核心をついているのではないかと。ひとつの情報で間違った印象を与えてしまう。この作品でも事前の第一印象がメディアでさらされてしまったことで、真相がかすんでしまう。事実は複雑に成り立っていて、メディアの方たちも僕らも意識しないといけないことだと思いますね」と力説する。

 自身の情報発信については「断定したほうが切れ味が増すでしょうが、確信を持つことは難しいのでいろいろな見え方を提示しながら、自分の意見を話すことが大事だと思います」と強調。また、情報過多の時代で受け取る立場に立つ人は「ひとつの情報で振り回されないこと。僕の場合は信頼できる人と話し合います。読解力、理解力を常に意識して冷静でいないとひとつの情報で流されてしまうかと思います」とSNS時代の情報との付き合い方を語った。

◆加藤シゲアキ(かとう・しげあき) 1987年7月11日生まれ 大阪府出身
青山学院大学法学部卒業。NEWSのメンバーとして活動しながら、『3年B組金八先生』『時をかける少女』『嫌われる勇気』など人気ドラマ作品に出演。12年1月には『ピンクとグレー』で作家デビューし、16年には映画化もされた。3年ぶりの新作『オルタネート』を11月19日に発売。