2020年度の文化功労者として政府から選出された漫才師の西川きよし(74)が4日、顕彰式を終え、都内で妻・西川ヘレン(74)と共に会見を行った。

【写真】妻・西川ヘレンに優しい視線を向ける西川きよし

 顕彰式を終えたきよしは「ありがたく感謝でいっぱい。これからは、またしっかりとお客様のおかげということを忘れず、感謝をして、初心を忘れることなく、謙虚にお笑いの努力をし、みなさんに笑っていただける西川きよしをしっかり頑張ります」と感慨を語った。

 ヘレンは「この度は身に余る光栄に存じます。結婚いたしまして50数年。紆余曲折ございました」と話し始め、きよしを少しだけドッキリさせながらも「主人を見ていますと何事にも誠心誠意の人やなと手前味噌ではございますけど感じます。本人の座右の銘にもございます。『小さなことからコツコツと』。その通りの人生を歩んだように思います」としみじみ。各方面への感謝を欠かさないヘレンのあいさつにきよしは「家内の方が上手にしゃべりますね」と頭をかいていた。

 1964年に吉本新喜劇の通行人として初舞台を踏み、その後に横山やすしさん(1996年死去、享年51)に誘われる形で66年にコンビを結成。やすきよの愛称で親しまれ、しゃべくり漫才は関西だけでなく日本全国を笑わせた。吉本内にやすしさんとのコンビに反対論がある中で、ヘレンが背中を押したことで結成にいたった。

 ヘレンは「チャンスは生かしてもらいたいなと思いました。本当は怖かったです。でも、やってみたら、きっと前に進めるのではないかなと思い背中を押すことができました」と振り返る。少しずつ2人のファンが増え続ける様を間近で見ており「涙が出るほどにうれしかった」と当時の心境を口にした。一方の、きよしは「家内が背中を押してくれたものですから一生懸命やりました」と人生をかけてのチャレンジを懐かしんだ。

 顕彰式では、思わずヘレンの目に涙があふれた。心境を聞かれるとヘレンは「皆様と一緒に入場させていただいた時は感無量でした。ご立派な方々が賞状をいただかれる中、主人もお仲間に入れていただいた。そのことが、なんとも体中にうれしく、思わぬ涙がポロポロ落ちました」と式典を振り返るだけで再び感涙。

 きよしは「家内が後ろで涙を流しながら僕の背中を見つめていたのは今、初めて知りました。うれしいです」ときよしの大粒の目がうるうる。「事あるごとに人生のターニングポイントには大局的な判断をしてくれる。反対に家内が悩み苦しんでいる時には僕が『なんで、そんなに不安に思うんだ』と。やっとバランスのいい夫婦になれたな、と最近は思っております」と感謝の言葉を何度も口にすると「エエ話を聞かせていただきました。これからは今度は後ろにも目がつけられるように頑張ります」と、芸人らしくオチをつけて笑いをとった。

 漫才師初の文化功労者にして、吉本興業にとっても創業から108年の歴史で初の選出となった。86年の参院選で初当選し、3期18年にわたって参議院議員を務めた。ヘレンとは67年に結婚。長男の忠志、次男の弘志、長女のかの子と3人の子どもがいる。