一人で自由に食べる、男性2人で食卓を囲む、親の再婚を機に姉妹になった女子高生が料理で絆を深める…、いろんなグルメドラマがあるけれど、現在、BSテレ東で放送中のドラマ『ハルとアオのお弁当箱』(毎週月曜 深0:00~0:30)は、お弁当を通した触れ合いを描く、心温まるドラマ。

【写真】『ハルとアオのお弁当箱』第4話の場面写真

 WEB漫画サイトで連載中のまちた氏の同名の漫画を、吉谷彩子と井之脇海のダブル主演で実写化。服や化粧よりもゲームやアニメのためにお金と時間を使いたいオタク女子のハルこと木野春葉(吉谷)と、看護師として働くジェンダーレス男子のアオこと佐藤蒼(井之脇)が、お弁当を作りあうことで心を通わせていくハートウォーミングな物語だ。

――ほかのグルメドラマとは一線を画する本作の魅力は?

【吉谷】お弁当箱は、おかずだけでなく人の気持ちが詰まった交換日記のようなもの。「お弁当って2回うれしいね。食べている時と、帰って空のお弁当箱を見た時」と言うセリフがあるのですが、母にお弁当を作ってもらっていた頃を思い出し、「たしかに!」という気づきがありました。そういう幸せを感じられる作品だと思います。

【井之脇】お弁当ってたぶんほとんどの人が食べたことがあるものですよね。学生の頃は、どこか当たり前のように親に作ってもらっていましたが、この原作を読んで、お弁当に母親の愛情が詰め込まれていたことに気づかせてもらいました。ドラマを観てくださっている皆さんも共感していただいているのではないでしょうか。相手のことを思ってお弁当を作る幸せ。小さな幸せが詰めこまれたこのドラマが、お弁当のような幸せとともに届いたらいいな、と思います。

――それぞれの人物像と役作りについて教えてください。

【吉谷】脚本を読む前にすでに漫画で読んでいたので、自分なりのキャラクター像を抱いていました。おっちょこちょいだけど明るい子。これまで、落ち着いたしっかり者の役をいただくことが多かったのですが、今回のハルちゃんは自分に近い役だと思います。異なる点を挙げるとすれば、ハルちゃんは料理が不慣れなところから始まりますが、私は母が料理上手で、子どもの頃からずっと見ていたので私も料理が得意なんです。ハルちゃんを演じる時、料理ができないように演技するのが難しかったです(笑)。

――製作陣は吉谷さんが料理が得意なことを知っていらしたんですかね?

【吉谷】(その場にいたプロデューサーに確認して)知らなかったようです。「お弁当をおいしそうに食べてくれる、と思った」というのが起用理由だそうです。ありがとうございます。

【井之脇】本当においしそうに食べるんですよ! ハルちゃんは吉谷さん以外考えられないと思います。それで言うと、アオは料理が得意な設定なんですが、僕は初心者。今年の外出自粛期間中に作るようになったばかりだったんです。なので、撮影に向けてすごく練習しました。

――井之脇さんははジェンダーについて悩みを抱えている青年の役も初めてですよね。

【井之脇】お話をいただいた時、「本当に僕に?」と思うほど今まで挑戦したことのない役です。男性とか女性とか性自認がどうとか、そういうものの前にアオはアオらしく生きることを大切に演じようと思いました。衣装を漫画と同じ感じにしてしまうと“着させられている感”が出てしまうので、僕が着られる、似合う、着たいと思う服を選びました。メイクも同じように自分に合ったものにしています。そして、台本に向き合って、なぜ、アオはそういう言動をするのか、一つひとつを考えながら演じました。いつもそうしていることではあるのですが、アオを演じる中で、新しい発見がたくさんあって、とても新鮮な気持ちでアオを演じることができました。

【吉谷】肌も白くて指もキレイですし、お芝居がすばらしくて、仕草や話し方がとても美しい。まさに“アオさん”という感じだと思います。

【井之脇】ありがとうございます(笑)。

――最後に読者(視聴者)にメッセージをお願いします。

【吉谷】今後の見どころは、回を重ねるごとにアオさんの正体が暴かれていくところです(笑)。アオさんは、言いたいことを言えない人ですが、こんなに完璧な人がなぜ?と、いう謎がひも解かれていきます。そして、人って完璧じゃない、でもそれでもいいじゃない?と、やさしい気持ちになれる物語になっていると思います。このドラマを通して、心が温かくなるもの、元気になれるものをお届けできたら私も幸せです。

【井之脇】アオがお弁当を食べる時は、ハルちゃんはその場にいないんですが、撮影中もお弁当を手にするとハルちゃんがそばにいるような気がしていました。お弁当を通して伝わるものがたくさんあると思います。観てくださった方たちの心が温まって、幸せを感じていただけることを願っています。

■第4話(11月2日放送) あらすじ
 オタク女子・ハル(吉谷彩子)が、お弁当を食べていると、そこに学生課の葉村(七瀬公)がお弁当を持って話しかけてきた。同居する祖母が作ったのだという。ハルが興味津々で、お弁当をじっと見ていると、葉村は中身が見えないように器用に祖母が作ったお弁当を食べていた。ハルは、そのことを同居するジェンダーレス男子のアオ(井之脇海)に話すと「お弁当から透けて見えちゃう気がしたのかも、自分の“やわ~い”ところが」と言われ納得。しかし、そのことでハルは大変なことに気づいてしまう! 一方、アオが休憩室でお弁当を食べていると、後輩の梅里さん(SUMIRE)がやってきた。お弁当は“同居人が作ってくれた”と聞き、動揺する梅里さんだったが…。