今年6月、パワハラで元従業員らに提訴されていた映画会社・アップリンク取締役社長の浅井隆氏が30日、元従業員らに対し直接の謝罪の機会を経て、訴訟外での和解協議が合意に至ったことを書面を通じ報告した。

 文書では浅井氏の名前で「6月にお知らせした元従業員の方々に提訴された件について、直接の謝罪の機会を経て、その後、訴訟外での和解協議が合意に至ったことを、これまでアップリンクを支えて下さったお客様、関係者の皆様にご報告します」と発表。

 「あらためてこの場でも、今回提訴した元従業員の方々、そして、そのほかの元従業員のみなさん、現在勤務している従業員のみなさんに対して、これまでの私の対応によって傷つけたことを深く謝罪いたします」とお詫びした。

 また、「今回の提訴を受け、改めてハラスメントは人の尊厳に関する問題であるということを認識し、自分自身の課題として、向き合ってきました」と認識を改めるとともに、「今回の合意をハラスメントのない会社の仕組みを作るスタートとして捉え、アップリンクに関わるすべての方々が働きやすい職場作りを目指していきます。私だけでなく、アップリンクという組織全体でも徹底していきたく思います」としている。

 社内のハラスメントに関する具体的な対応策としては、以前に表明したものも含め、「外部の専門家による相談体制」「通報制度・窓口の設置」「第三者委員会の設置」「社内体制の改革・スタッフとの定期的な協議」「取締役会の設置」「アンガーマネージメントについてのセミナー、カウンセリングへの参加」などを挙げた。

 最後に浅井氏は「今回の件で、アップリンクを応援してくださった皆様に残念な思いをさせてしまったこと、申し訳ありませんでした。アップリンクは、自社の配給作品、また多様な作品を上映する映画館の運営に共感や、関心を寄せてくださったすべての方に育てていただきました」とつづり、「そのご期待に反することがないよう、これからも応援していただける組織に変わります。これからのアップリンクを、厳しい目で育て、見守っていただけるよう、お願いいたします」と呼びかけている。

 この問題をめぐっては今年6月、同社の元従業員4人が浅井氏に対しパワーハラスメントによる損害賠償を求めて東京地裁に提訴。ほかに1人を加えた5人はアップリンクの関連会社も訴えていた。その後、4人は実名で会見。浅井氏に対して「日常的なハラスメント。まず、それを自覚してもらいたい。その上での謝罪」など、要望を伝えていた。

 後日、同社のサイトで浅井氏は「今回提訴した元従業員5名の方、そして、そのほかの元従業員、現在勤務している従業員の皆さんに対して、私のこれまでの言動に過ちがあったことを認め、傷つけたことを深く謝罪致します」と謝罪していた。