日本デザイン振興会による『2020年度グッドデザイン賞』大賞選出・発表会が30日、オンラインで開催され、自律分散型水循環システム「WOTA BOX」が本年度の大賞に輝いた。

【画像】グッドデザイン大賞ファイナリストの宿泊施設「まれびとの家」

 同会は1957年より、デザインによって暮らしや社会をよりよくしていくための活動として『グッドデザイン賞』を主催。同賞は製品、建築、ソフトウエア、システム、サービスなど、人が何らかの理想や目的を果たすために築いたものごとをデザインととらえ、その質を評価・顕彰している。本年度は人々の気持ちを感じ取り、それに応えることを示す「交感」をテーマに審査を行った。

 『2020年度グッドデザイン賞』は、審査対象4769件の中から1395件が受賞した。すべての受賞対象の中から、完成度・今後の期待度などで特に審査委員会の高い評価を受けた100件として「グッドデザイン・ベスト100」を選出。大賞は「ベスト100」から選ばれたファイナリストによる最終プレゼンテーションの後、審査委員と2020年度受賞者の投票により決定した。

 世界初の自律分散型水循環システム「WOTA BOX」は、水道のない場所での水利用を実現するポータブル水再生処理プラント。災害時など、シャワーや洗濯機などにつなげて、排水の98%以上を再利用可能とすることで、いつでもどこでも安心安全の水を使うことができる。すでに災害現場では13自治体、20箇所の避難所、2万人以上に利用されている。

 前田瑶介社長は大賞受賞に「本当にうれしいです。ありがとうございます」と満面の笑み。「2020年から、自立的とか分散型というテーマがようやく社会的な一定のコンセンサスを得てきたような気配を感じている。これを起点に水問題の解決に向けて、水の自由の拡張に向けて頑張っていきたい」と思いを吐露した。

 また今後の抱負について「日本で過ごしていると水が貴重だと感じづらい。世界的には有限な資源。足りないところが結構ある。人の水に対する感覚を変えられるような、デザインをやっていきたい」と力強く語った。