近年、元アイドリング!!!でタレントの朝日奈央の活躍がめざましく、10月から初の冠番組をスタートさせるなど、バラエティ番組に引っ張りだこ。どの番組にもNGなしで、全力で笑いを取りに行く姿を見せている。そんな朝日と芸人のバカリズムがMCを務め、アイドリング!!!メンバーが再集合する番組『バカリズム特番』が、グループの解散からちょうど5年後の10月30日に生放送される。その背景には、朝日の活躍があってこそ。グループ解散直後は仕事が全然ない日が続き、「しょっちゅう泣いていた」というが、ブレイクの突破口となったのは何だったのか。朝日にこの5年間の軌跡を聞いた。

【写真】「短い!」「美脚に釘付け!」ミニワンピから美脚あらわな朝日奈央

■心弾ませ入ったアイドリング!!!、解散は「正直、やりきった感があった」

━━10月30日、5年ぶりに元アイドリング!!!のメンバーが集結するそうですね。

【朝日】当日、何人来られるのかまだわからないのですが、これまで大人数で集まる機会がなかったので、本当にうれしいです!アイドリング!!!って、結婚している人や子どもが生まれた人が多いので、当時とは違う雰囲気のメンバーに会えることもすごく楽しみです。

━━グループを誕生させたバラエティ番組『アイドリング!!!』は、アイドルが体を張る演出の先駆けでした。当時、番組に対してはどんな印象を持っていましたか?

【朝日】オーディションを受けたとき、「鼻にどんぐりを入れたり、体を張ったりするけど大丈夫?」って言われて、なんて楽しそうなグループなんだと(笑)。アイドルってずっと可愛くしていなければいけないイメージがあったので、そうではないグループなら入りたいしやりたい!って思いました。

━━実際はいかがでしたか?

【朝日】最初は緊張して全然しゃべれませんでした。バラエティ番組1日5本撮りとかあって、気持ちも全然追いついてなくて、帰り道は毎日反省ばかりでしたね。初期の日記に「やってけないと思う。今後が心配」って書いたことを覚えています(笑)。でも、相撲企画とか自分が得意な体力系企画に挑戦するうちに、だんだん素の自分で感情丸出しでやれるようになって、それからはとにかく楽しかったですね。

━━では、2015年に解散が決まったときは悲しかった?

【朝日】中2から約8年間、アイドリング!!!で活動して、芸能界の厳しさもわかるようになっていましたし、アイドル戦国時代ともいわれていましたので、解散は自然な流れなのかなって思いました。ファンの方には申し訳ないけれど、正直、やりきった感がありましたね。

■「仕事がない中めっちゃ迷っていた」少ないチャンスの場でもわざと毒づき空回り…

━━その後はタレントとして独り立ちしようと?

【朝日】それが何も考えていなくて。卒業した次の日からまったく仕事がなかったので、本当にどうしようって感じで、謎にギターレッスンやボイストレーニングに通い始めたりして、自分探しというか、めっちゃ迷っていました(笑)。

━━バラエティの道に進もうと決めたのはどうしてだったのでしょう?

【朝日】解散後、舞台に出演したりもしたんですが、いろいろ挑戦する中で、やっぱりアイドリング!!!で力がついたのはバラエティかなと思ったので、バラエティタレントとしてがんばりたいなって。

━━そこからの道は険しかった?

【朝日】仕事がほとんどない期間が続いて、普通にお昼の楽しい番組を見ているだけなのに、なんか涙が出てきたり、自分は何をしているんだろうって、しょっちゅう泣いていました。たまに番組に呼ばれても、爪痕を残さなきゃって、わざと言葉遣いを悪くして、全力でしゃべりすぎて、ワル目立ちしてしまって。めっちゃ炎上して、その番組に1年くらい呼ばれなかったこともありました。

━━それは辛い……。

【朝日】今、振り返ると、別人の自分が話しているような感じでしたね。

━━どうやって克服したんですか?

【朝日】バラエティタレントは毒づくイメージがあったので、その意識で印象づけようとしていたんですけど、それでぜんぜんお仕事が増えなかったので、自分らしくいこうと。

━━自分らしさを取り戻したら、お仕事が増えていった?

【朝日】自分自身が心から楽しむといい方向に向くのかなって、最近、実感していますね。

━━近年の活躍にはめざましいものがありますが、ターニングポイントとなった出来事はありますか?

【朝日】『ゴッドタン』への出演は大きかったかもしれません。にゃんこスターの完コピをしたり、いろいろなことに挑戦するうちに、スタッフや番組を見ていた芸人さんに「面白かったよ」って言ってもらえたり、私の存在を知ってもらえるようになって、ちょっとずつお仕事が増えていったので。

━━バラエティタレントとしての自信もついた?

【朝日】この半年くらいで、緊張やプレッシャーよりお仕事を楽しいって思えるようになってきましたね。でも、今でも失敗はたくさんしているので、まだまだだなって思います。

■「ライバルはいない」“NGなしタレント”の信条に見る朝日の“セルフプロデュース力”

━━今では「NGなしタレント」の筆頭にあげられています。

【朝日】ハードル上がっていますよね(笑)。でも、なんでもやってくれるって思っているスタッフには、それは違うって言いたい(笑)。例えば、片乳出すとか下品なことはできないし、したくないですからね。

━━NGを出すこともある?

【朝日】求められることにはできるだけ応えたいので、とりあえず「やってみます」って言うようにしていますが、打合せの段階で「できないかも」って言うこともあります。スタッフの中には「なんでもやるんじゃないのかよ」とか「思ってたのと違うな」って思った方もいたかもしれないですけど、それは仕方がないかなって。なんでもイエスマンになっていると、自分の本来の姿とは違う方向に行ってしまって、後々辛くなってしまうと思うので。そこはしっかり自分を持って、「これはできます」「これはできないです」と言えるタレントさんになりたいですね。

━━ライバルとして意識している人はいますか?

【朝日】まわりにいる方々が凄すぎて超えられると思えないので、ライバルはいませんね。アイドリング!!!時代、メンバーと比較してしまうこともあったけど、比べて落ち込んでいてもその時間がもったいないだけだって学びましたから。視聴者の方に「番組を見て好きになりました」「めっちゃ元気もらいました」って言ってもらえると、やってよかったなって思えるので、これからも自分らしく、元気に明るく頑張っていきたいです。

「自分らしさ」を貫くことでブレイクを果たした朝日。インタビュー中、『アイドリング!!!』プロデューサーの門澤氏も同席していたのだが、「これ8年前の写真」と言ってアイドリング!!!時代の爽やかな制服姿の秘蔵写真を我々に見せてくれ、それに対し朝日が「やめて下さい!!(笑)」とツッコミを入れる一幕も。その他のスタッフも、時折野次を飛ばしながらも、温かく見守るような視線が印象的だった。番組で共演中のバカリズムも「弟のような存在」だと明かしており、彼女のどこか放っておけず、支えたくなるような魅力も、ブレイクの要因の1つになっているのだろう。

(取材・文=河上いつ子 撮影=逢坂聡)