NHKの連続テレビ小説『エール』(月~土 前8:00 総合ほか※土曜は1週間の振り返り)の第16週「不協和音」(第76回~第80回:9月28日~10月2日)では、戦争中の人々の暮らしぶりが描かれた。

【写真】『エール』第16週、久しぶりに木枯が登場

 昭和12年にはじまった日中戦争が、昭和16年12月に太平洋戦争へと拡大。主人公・古山裕一(窪田正孝)は、戦時歌謡に加え、ニュース歌謡の仕事にも携わるようになり大忙し。多くの曲を世に送り出していた。

 しかし、戦争が激しさを増すにつれ、日本は次第に苦境に立たされ、物資が不足し、人々の生活は苦しくなっていく。食料の配給も少なくなり、音(二階堂ふみ)も日々の食事づくりに苦労するようになっていた。

 そんな中、福島三羽ガラスとして、ともに音楽を作ってきた仲間、歌手の佐藤久志(山崎育三郎)に召集令状が届く。盛大に送り出すも、まさかの即日帰郷。身体検査の段階で落とされたという。これを機に、福島に帰って、慰問活動に励むと、東京を離れていった。村野鉄男(中村蒼)も、新聞記者の仕事に戻ることに。3人は「いつかまたやろう」と約束する。

 音は、自宅で開いていた音楽教室の生徒がどんどんやめていき、閉めることに。姉の吟(松井玲奈)に強く誘われ、大日本帝国婦人会の集まりに参加するが、班長・佐々木克子(峯村リエ)の迫力に圧倒されてしまう。そんな音のもとに、音楽挺身隊(軍需工場や病院を慰問で回る楽団)の参加者募集の手紙が届く。

 ある日、裕一をたずねて、豊橋の関内家で馬具づくりの修行をしている五郎(岡部大)が突然現れる。職人頭の岩城(吉原光夫)に一人前と認められたら、梅(森七菜)と結婚することになっている五郎だったが、岩城の試験に落ちてばかりですっかり自信をなくしてしまったのだ。そんな五郎に、裕一は「緊張する時は頭の中で好きな音楽を流すといい」とアドバイス。五郎を連れ戻しに来た梅(森七菜)とも話し合い、「次は必ず合格する!」と誓う。そこへ吟がやってきて、久々に関内家3姉妹がそろったが…。

 「今は国民が一丸となってお国のために戦わんといかん」と話す吟に対して、「人はみんなそれぞれ違う考えがある」と話す音。梅も音に同調し、微妙な空気になってしまう。さらに、梅は、音楽挺身隊への参加を迷っている音にも、「歌を歌えるチャンスをなぜ生かさないのか」と言う。こんな時代でも自分の小説を書き続けていた梅。ところが後日、豊橋に戻った梅のもとに出版社の人が訪ねてくる。関内家が特高に監視されていると聞きつけ、「今後付き合いを控えたい」と言われてしまうのだった。

 梅に背中を押され、音楽挺身隊に参加した音だったが、全く想像していなかった雰囲気にまたも圧倒される。しかし、慰問先で歌い、喜んでもらえたことで、がぜんやる気に。吟に再び婦人会への参加を誘われると、音楽挺身隊の活動で忙しいからと断ってしまう。軍人の妻として、自己肯定感を奪われ続ける吟は、好きなことしかやらない音にイライラを募らせる。

 ある日の夜。鉄男が木枯正人(野田洋次郎)を連れて「一緒に飲もう」と古山家にやってくる。今の世の中の空気に合わせることができず、創作から離れたと言う、木枯と鉄男。対して裕一は「国のために頑張っている人を応援したい」「それが今の僕にできること」と話す。

 戦争の影響で「竹」に店名を変えていた「バンブー」も、店をいったん閉めることに。戦争の現状について、「報道と違って日本は形勢が悪い」と話す鉄男。それを報道しないことに疑問を感じる裕一は、鉄男と微妙な空気に…。

 一方、音は、音楽挺身隊の活動として、慰問先の人々との合唱を提案。選曲を任され、心が豊かになれるような曲を選曲するが、顧問・神林康子(円城寺あや)に選曲リストを見せると、「音楽は軍需品」「のんきなことを言っている時勢ではない」と激怒される。

 そして音が音楽挺身隊に入った目的を「笑顔になってもらうため」と答えると、「非国民は必要ない」と言われてしまう。「非国民」と言われたことがさすがにショックだった音は、裕一に「みんなが同じ考えでなくてはならないのかな」と戦争への疑問を投げかける。そこへ役人が訪ねてきた。ついに裕一にも召集令状が届いたのだ。