俳優の佐藤アツヒロと脚本家・演出家の鈴木勝秀(スズカツ)氏が6日、東京・浅草九劇で行われた会話劇『YARNS』の取材会に出席した。

【写真】コロナ対策のため…透明素材で区切られた舞台ステージ

 鈴木氏は2014年に『ハナガタミ』(花筐)という能楽を現代的に蘇らせる手法を試みて以来、「能楽と現代劇の融合」を模索し続け、“スズカツ能楽集”としてシリーズ化を目標としてきた。このシリーズの基本的なスタイルは、カウンセリングを受けに来る精神的に少し疲れた現代人と、その患者の話を聞くカウンセラー(精神科医)の静かな会話劇。患者は記憶の糸を手繰りながら、自分の過去を物語、無意識の中に眠る真実に向き合っていき、最終的に未来から差し込んでくる光を感じていく。

 今回は、新型コロナウイルス感染予防対策として、検温や消毒のほか、舞台と客席の距離をとる、舞台と客席間を透明素材で区切る、観客の感覚の確保、役者はマイクを通し、役者同士もアクリル板を設置するなど、できる限りの対策を実施。

 佐藤は「照明具合によっては、中から外が見えないんです。俳優は(透明素材に映る)自分の顔を見ながらずっと話している。お客さんはマイクで音も聞こえるけど、役者は上から声がふってくるのを頼りにやっています」と難しい中での劇になるという。続けて「自信を持ってやりたいけど、不安でしょうがないです。お客さんの空気感もわからないので、考えて想像しながらやりたい」と話した。

 また、稽古期間は週1回PCR検査を受けた。「役者ともコミュニケーションがとれなかったので、スズカツさんから『飲んでるふうにしゃべってみて』と言われ、そこで役者同士のコミュニケーションをとれました」と明かす。「じっとしていたら何も生まれない。全員で頑張りたいと思います」と意気込んだ。

 同会話劇は、きょう7日から11月8日まで同劇場で、11月21日から23日まで大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて上演される。