“高校生あるある”動画で、TikTokのフォロワー数は80万人以上、総再生数も5億回を突破するなど、“Z世代”(1990年代後半に生まれたデジタルネイティブ世代)に大人気のお笑いコンビ・土佐兄弟。秋には新しいレギュラー番組が一気に3本もスタートするなど、2014年のデビューから7年目を迎えた今年、本格ブレイク待ったなしの状態だ。さまざまな壁が立ちはだかる中、兄弟の絆で道を切り拓いてきた2人、これまでの道のりとこれからの目標を聞いた。

【ピンショット】本格ブレイク待ったなし! 一気にレギュラー3本が始まる土佐兄弟

■チャンスの波がこない日々 前説番組の楽屋で切り拓いてきたブレイクへの道

 デビューまもないタイミングで、弟の有輝(25)による小栗旬ものまねに注目が集まったが、トントン拍子に売れっ子への道は駆け上がれなかった。「すぐに、おばたのお兄さんが出てきて、霜降り明星が『M-1グランプリ』で優勝すると、粗品が『スプーンに映った小栗旬さん』だというネタが話題になりまして…。僕の小栗旬さんものまねは、そのうち3番煎じくらいまでになって、おばたのお兄さんと間違えられたり、ある時は『スプーンに映った粗品』とまで言われました(苦笑)」。コンビ活動もうまくいかず、手応えのあるネタが仕上がった2018年の『M-1』は予選敗退。有輝は、結果をすぐには受け入れられず、膝から崩れ落ちて泣いた。

 その後、事務所の先輩芸人たちが出演するバラエティー番組の前説を担当する日々を送る中で、後輩である四千頭身が“第7世代”の代表格の一員として活躍。兄の卓也(33)は、大きな波に乗れていない自分たちの状況を冷静に眺めていた。「結成して2年目くらいのタイミングでフジテレビで『新しい波24』が始まったんです。『めちゃイケ』や『はねトび』といった番組へとつながっていった、誰もが憧れる番組なんですけど、そこには入れなかった。だから裏でやっている、テレビ朝日の爆笑問題さんの『バクモン学園』に動画を投稿して、そこには絶対入ろうと努力していましたね。それが終わったら、今度は第7世代っていう言葉が出てきて、同期の宮下草薙、先輩のハナコさん、後輩の四千頭身が活躍されてそこにも入れなかった。なので、僕たちは、ずっと違う道を走っている感覚でした」。

 前説の仕事合間、2人で楽屋にいた時、弟の有輝が現在のブレイクのもとになる「文化祭の準備を全力で頑張る奴」のネタを兄の卓也に見せた。そこで手応えを感じた2人は、毎日動画をアップしていくと「イスから落ちそうになる動画」で再生回数が1万回を超え、竹内涼真、ダレノガレ明美、那須川天心といったさまざまな著名人が注目する存在になり、徐々にブレイクの芽を感じはじめた。毎日の動画アップを続けていくと、今までに見たことのない景色が広がった。「なかなか、大きなくくりに入れなかったことで、自分たちなりの目立ち方というか、出ていき方を見つけようと考えてきたので、それがつながったのかもしれないです」(卓也)。

 そんな中、先月28日からスタートした文化放送の生ワイドラジオ番組『CultureZ』(月~木 深1:00)の月曜と火曜のパーソナリティーに就任。10月からはテレビ朝日『あるある土佐カンパニー』(毎週水曜 深2:16)、BSテレ東『青春しか勝たん!』(毎週木曜 深0:30)もスタートし、大きなチャンスをたぐり寄せた。「めっちゃうれしい気持ちと同じくらい、本当に大丈夫かなっていう気持ちですね。警戒心みたいなのが強まったかもしれない」(有輝)、「本当にターニングポイントだと思って、今まで以上に緊張感をもって臨みたいです」(卓也)。

■Z世代に向けた新ラジオに決意 7年かけて建てた“土佐城”のさらなる高みへ

 『CultureZ』では、パーソナリティーがZ世代リスナーと共に「新たな文化を創る」ために、番組からヒットの種を探していく情報トーク番組を目指し、radiko、FMラジオ、AMラジオのほか、YouTubeLiveでの同時生配信や、オンエア後のオーディオコンテンツ配信も行い、場所・時間にとらわれないコンテンツ発信を行っていく。まさに、2人の得意とするところにもなるが、目指す番組像はどういったものだろう。「Z世代のためのラジオなので、僕だったら聞いていて、次の日学校で話せるような話題を提供したいですね」(有輝)。

 兄の卓也は、小学生の頃からラジオ好きで、最近では「radiko」を駆使してさまざまな地方局の番組まで愛聴しているからこそ、新番組でのアプローチ方法も考えている。「僕のようにラジオを聞く習慣のある方はもちろん、これまで聞いてこなかったという学生さんたちが、これをきっかけに聞いてもらえたらラッキーですよね。ラジオっていう文化をそこまで身近に捉えてない人たちもいると思うので、この番組がそれに触れるきっかけになればうれしいです。今は、スマホに『radiko』のアプリを入れたらラジオが聞けて、過去の番組を聞けるタイムフリー機能もありますし、そういったものも伝えていきたいですね」。

 一方、弟の有輝はあまりラジオに触れてこなかったからこその目線で、新たなリスナーとの出会いに期待を寄せる。「僕は高校時代、ファンだったらももいろクローバーZさんのラジオだけは聞いていましたが、それ以外の番組はほとんど聞いたことがありませんでした。そこで、高校時代の自分が、どうすればラジオに興味を持つだろうかと考えたら、やっぱり同じ学校のアイツが出るらしいよとか、すごく身近な人が出ていたりすると興味を持つきっかけになるのかなと思って…。なので、番組で学校訪問をして、実際に生徒たちに出てもらう公開放送みたいなことをやってみたいですね」。

 それぞれの視点があることで、番組が幅広い層に対応したものになっていくことが期待されるが、それは今後の2人の歩みともリンクする。「まずは、今回始まった番組をたくさんの方に見ていただいて、聞いていただくことが目標です。SNSでの『高校あるある』、自分たちの漫才で賞レースに出ていくことなども大切なので、自分たちができることを一つひとつ全力でやっていくしかないですね」(卓也)、「僕たちは、大喜利がめちゃくちゃ強いとか、1個突出したものが見つからなかったから、いろんなことをやってみて今があるので、ジャンルにとらわれずチャレンジしていきたいです」(有輝)。土佐兄弟が建てた“土佐城”は、これからさらなる高みを目指していく。

■『CultureZ』
放送日時:月~木 深1:00~3:00
パーソナリティー:月・火…土佐兄弟、水・木…パパラピーズ&大関れいか