先月18日に全国7館で公開されたドキュメンタリー映画『メイキング・オブ・モータウン』が、10月2日時点で全国50館に公開劇場を増やしている。公開後、作品を鑑賞した著名人(井浦新、佐野史郎、西寺郷太、小出祐介、ピーター・バラカン、黒沢薫(ゴスペラーズ)など)のSNS投稿も追い風に、ラジオでの特集紹介も相次ぎ、日本での<モータウン>人気の高さを再認識させる現象となっている。

【動画】スプリームスの『エド・サリバン・ショー』初出演映像

 ビートルズやローリング・ストーンズが憧れ、日本を含む世界の音楽に影響を与え続けているモータウン。愛称はヒッツヴィルUSA。米ミシガン州デトロイトの西グランド通り2648番地にある一軒家を拠点に、若者に向けたポップな音楽を発信し、アメリカン・ドリームを実現させた。

 創設者はベリー・ゴーディJr.。1959年、家族から借りた800ドルを資金にタムラ・レーベルをスタートさせ、モータウンの歴史は幕を開けた。その黄金期を彩ったのは、ミラクルズ、テンプテーションズ、ダイアナ・ロス&スプリームス、フォー・トップス、スティーヴィー・ワンダー、マーヴィン・ゲイ、ジャクソン5といったスターたち。この映画は、ベリー・ゴーディJrが、引退直前に初めて密着を許可し、自ら語った創業一代記であり、20世紀に最も影響力を持った独立レーベルの正史だ。

 黒人差別が横行していた当時のアメリカで、なぜモータウンは成功できたのかを、創設者のベリー・ゴーディが戦友のスモーキー・ロビンソンと旧交を温めながら説き明かしていく。関係者や著名人の回想や証言も交えた貴重なインタビューで、ライブツアー中に銃撃を受けたなどの衝撃のエピソードも明かされる。

 このほど、スプリームス創立メンバーの一人である、メアリー・ウィルソンの撮り下ろしインタビューの一部と、当時、全米で大人気だったテレビ番組『エド・サリバン・ショー 』にスプリームスが黒人アーティストとして初めて出演した時の貴重な映像を収録した動画が解禁された。今よりも、黒人差別が激しかった1964年当時の米国において<モータウン>が成し遂げた、歴史的な出来事の瞬間を記録した映像でもある。