Netflixオリジナルシリーズ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』に出演し、世界的な人気が上昇中のノア・シュナップが主演を務める『アーニャは、きっと来る』(11月27日公開)が、10月31日から始まる『第33回東京国際映画祭』(TIFF)の特別招待作品として、ジャパンプレミア上映されることが決定した。

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 『戦火の馬』などで知られるイギリスのマイケル・モーパーゴによる児童文学が原作。1942年、当時ナチス占領下にあったフランスはピレネー山脈の麓の小さな村で起きた奇跡を描いた物語は、日本でも出版され、主に中学生向けに推薦されている。これを監督のベン・クックソンは、大人まで含めたより広い客層に向けて制作し、史実に忠実な脚色を心掛けて映画化。暗い歴史に焦点を当てるだけではなく、羊飼いの少年の成長を雄大なピレネーの自然を背景に描き、さまざまな視点からアプローチした意欲作だ。

 フランス・ピレネー山脈の麓の小さな村に住む13歳の少年・ジョーは、生活の大半を羊飼いとして過ごしていた。ある日ユダヤ人・ベンジャミンと出会う。彼は秘密裏にユダヤ人の子どもたちを安全なスペインへ逃がすという危険な計画を企てていた。ジョーはこの計画を手伝うことになる。

 かたやジョーは個人的な悲しみの感情を共有することで、ドイツ軍の下士官と親しくなっていた。ドイツの労働収容所から帰国したジョーの父親は荒れていたが、ジョーのユダヤ人救出作戦への関与が明らかになると協力を約束する。村人たち一丸となって子どもたちを逃す日が迫ってくるが、ベンジャミンが待つ娘アーニャは来ない。救出作戦は成功するのか…アーニャは村に現れるのかー。

 主役のジョー役を演じるのは、Netflixオリジナルシリーズ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』で世界的に人気急上昇中のノア・シュナップ。少々気弱でどことなく頼りなさげな普通の少年が、恐怖に立ち向かう勇気を持ち、窮地を乗り越えて精神的に成長していく姿を見事に演じている。

 ジョーの祖父役には、フランスで最も尊敬されている俳優の1人、ジャン・レノ。彼は脚本を読み、ヨーロッパの暗い時代を伝える重要性を感じたという。フランス人である彼は、フランス人がユダヤ人を助けた史実が映画になることを意義深く感じていた。

 ジャン・レノ演じる祖父役のパートナーとなる変わり者の老婆役は、1985年『女と男の名誉』でアカデミー賞最優秀助演女優賞、『アダムス・ファミリー』でモーティシア夫人を演じたアンジェリカ・ヒューストン。彼女はアメリカ人だが、フランス農夫人そのものの好演ぶりを見せている。

 ベテラン2人が、ユダヤ人の子どもたちを救わなければいけないという重責と苦悩をいぶし銀の演技で表現。またジョーが慕うナチス将校役は、ドイツ人の名優、トーマス・クレッチマンが演じた。

 物語の舞台となるピレネー山脈を背景に悠然と佇む姿をはじめ、ユダヤ人救出に奮闘する姿や、ジャン・レノらと並び凛々しい表情を見せる姿、緊迫した状況下で時折噛みしめる小さな幸せを感じ優しく微笑む表情など、ノア・シュナップの魅力を存分に感じ取ることができる作品にもなっている。