俳優の生田斗真が主演し、2019年10月期に放送された日本テレビ系連続ドラマ『俺の話は長い』の脚本を務めた金子茂樹氏が『第38回 向田邦子賞』を受賞し、11日、都内で行われた授賞式に出席。主演の生田も駆けつけ、お祝いのスピーチを述べた。

【写真】花束を持ってお祝いに駆けつけた生田斗真

 同ドラマは、31歳独身、職無し、実家暮らし、でも屁理屈を言わせりゃ右に出るもの無しの“ダメ男”岸辺満(生田)が、義兄・秋葉光司(安田顕)、姉・綾子(小池栄子)、姪・春海(清原果耶)、母・岸辺房枝役(原田美枝子)ら家族と、お茶の間大乱闘を繰り広げる、ホームコメディー。劇中では、半端じゃないせりふ量、家族で飛び交う“あー言えばこー言う”の屁理屈の数々と、それでも最後は少しホロっとしてしまう「家族の物語」が紡がれている。

 30分×2本立ての構成で会話劇を見せるという画期的な手法を取り入れたことも話題を呼んだが、金子氏は「通常の作品よりも話のネタやオチが2倍必要で、アイデア出しには苦労しました」と漏らすと「その影響なのか、打ち合わせ中に頭を叩く癖がありまして、それがまさか最終回を書き終わった1ヶ月後に『硬膜下血腫』という脳に血液が溜まる病気にかかりまして、即緊急手術をし、頭蓋骨に2つの穴を空ける大事になりました」と、衝撃エピソードを告白。

 心血を注いで執筆に注力したが、台本の完成が直前となり、撮影がタイトになったことも懺悔(ざんげ)。少し申し訳無さそうな表情を浮かべながら「役者さんたちは本当に大変だったと思います。本当に現場には迷惑かけたと思いますし、素晴らしいキャスト陣と優秀なスタッフがいたからこそ、最後まで妥協なく台本が書けたのだと感謝しています」と語った。

 お祝いの花束を持ち、駆けつけた生田は「文字通り命を削って書かれた脚本が素晴らしい賞をいただけて、自分のことのようにうれしく思います」と祝辞。「役者にとって、いい脚本家、いい脚本に出会えることは、俳優人生を左右する大きな出来事だと思います。金子さんに出会えたこと、『俺の話は長い』に出会えたことはこれからの人生を左右する大きな出来事になると思います」と感謝の思いを口にした。

 続けて「同時に脚本家さんにとってもいい俳優に出会えることは重要な出来事だと思います。金子さんが生田斗真と出会えたことは本当に幸せなことだと思いますので、感謝して欲しいと思います(笑)」と、ジョークも忘れなかった。

 質疑応答では、報道陣から続編を期待する声が上がり、生田は「僕としても面白いドラマだったと自信を持ってお届けできる。もしそういう機会がいただければ、ありがたいなと思っています」と前向きに語りつつ「清原果耶の朝ドラが終わった後くらいかな。売れちゃったんで(笑)」とうれしそうに付け足していた。

 故・向田邦子さんのテレビドラマにおける偉業をしのび、その名前を永く放送界に記録するとともに、テレビドラマの脚本の質的向上、発展を期すことを目的とした同賞。毎年4月に前年度に放送されたオリジナル作品のなかから選考し発表する。受賞者には特製万年筆と副賞300万円が贈られる。