日常を送る中で、突然鳴り響いた緊急地震速報のアラート。「あの音が恐ろしいモノとして擦り込まれている」「すごくドキドキした」「当時は夜中に連続で大きな音が鳴って、精神的に気が滅入ってたな…」などと、過去の震災をあらためて思い返すツイートがSNSに投稿された。以前からインスタグラムで反響を集めていたのが、雇われカフェ店長として激務をこなすなかで、東日本大震災を経験したというぶちねこなみさん(@buchinekonami)の実録漫画だ。ぶちねこなみさんは「地震が起こってから店を閉めるまで、ノンストップで働いていた。落ち着いて映像を初めて見たときの、すーっと背筋が凍っていく感覚は、今も忘れられません」と当時を振り返る。

【漫画】お店は帰宅困難者であふれ…カフェ店長が振り返る震災の話

■「実際の映像を見て、はじめて何が起こったのかを知った」

 新卒でカフェチェーン店に入社し、店長として6時から23時まで働き続けることもザラだったというぶちねこなみさん。震災当時は、店の売上の入金時間に間に合うかの瀬戸際で、銀行まで全力ダッシュしていたという。走り途中でコケてしまい、最初は働きすぎで三半規管がおかしくなってしまったと思ったが、すぐに周囲の異変に気付き、揺れているのは地面のほうだと気づいた。

 店に戻りお客様と店員の無事を確認して業務を続けていると、店内は帰宅困難者であふれることに。懸命に働き続けて、ようやく落ち着けたときに同僚たちとワンセグを視聴。そのときに実際の映像を見て、はじめて何が起こったのかを知ったのだという。

 人手や物資の不足に耐えながらも、その後もカフェ営業を続けたぶちねこなみさん。「もう限界だ、いつから休んでないかわからない…でも誰にも言えない」。そんな張り詰めた思いで仕事を続けていたが、ある常連のお客様の一言にとても救われたそう。

「大変なことになったよね…会社も大混乱でさ、いつまで続くのかな…。ここへ来て店長の頑張る姿見たらさ、元気が出るんだよ。いつもありがとう」

 このお客様からの言葉は、いつも以上に人の優しさが身に染みた、忘れられない出来事だったという。

「多くの人の人生を変えた、あの地震のことは一生忘れません。カフェ店長の仕事エピソードは10年も前のことなのに意外にも詳しく覚えていて…。カフェでの日々がそれだけしんどくて、心に残るものだったことに気づきました。社会に出たら1年で『店長』で『上司』になってしまって。悩んで悩んで悩みまくっていました。退社した後も、どうしたらもっとうまくできたんだろうと考えて…今は自分なりに答えを出しています。私は新しいことを勉強し、知識を広げるのが好きなんです。これから先、新しい分野を積極的に学ぶ意欲を持ち、絵を描くスキルと合わせていけたらと思います」