俳優の中村倫也主演による日本テレビ系連続ドラマ『美食探偵 明智五郎』がきょう28日、最終話を迎える(午後10時から30分拡大で放送)。一足早く、完成版を観た記者が印象的だったのが、主人公・明智五郎(中村)への歪んだ愛情から、彼に殺人を見せようとするマグダラのマリア(小池栄子)が率いる“マリア・ファミリー”の行方。小池はじめ、志田未来、武田真治、仲里依紗、武田玲奈らが演じる、いずれも元は真っ当な人生を歩んでいたはずが、ふとしたことから殺人に手を染めてしまった哀しき人々。彼らがどんな結末を迎えるのか注目だ。

【写真】緊迫の最終話 場面カット

 同ドラマは『海月姫』『東京タラレバ娘』で知られる東村アキコ氏の初サスペンス漫画を実写化。変わり者の私立探偵・明智五郎が類まれなグルメの知識を使って、殺人事件を解決しながら、殺人鬼“マグダラのマリア”へと変貌した主婦と対決するストーリーを描く。

 この物語、全話を通してもとにかく犯人が捕まらない。明智は犯人の正体とどのように殺したのかを推理する。しかし犯人たちは行方をくらまして、マリアの支配下に入ると、彼女の指示のもと、他の殺人を手伝って明智のまわりでは殺人が連鎖していく。一部、事件を未然に防いだこともあったが、とにかく犯人がわかっているのに捕まらない。その点がじれったくもあるが、生き延びた殺人者たちは恐ろしいながらも生き生きと輝き、作品を盛り上げるのに一役買っていた。

 純朴なリンゴ農家の娘だった通称“林檎”(志田)は上京した恋人に送り続けていた手作りのリンゴジャムを、ずっと恋人の浮気相手が食べていたことで殺意を覚え、店の看板料理の味を否定されたシェフ(武田)は素人レビュアーを事故にみせかけ殺害。夫に手料理を振る舞うことを夢見ていた“れいぞう子”(仲)は夫からは義母の料理と比較され、送りつけられる“おふくろの味”に追い詰められるキッチンハラスメントの末、夫を殺して解体した。そして彼らの弱さを見抜き、殺人を後押しするのがマリアだ。

 死んだと思われていた“れいぞう子”が、機転を利かせた“シェフ”によって生きていたことが明らかとなり、彼女を仲間に加えたマリア・ファミリーはまるで本当に家族のように和やかな時を過ごす。すでに他の事件にも加担し、自分には関係のない人々を殺したとは思えない明るい雰囲気が逆に薄気味悪くもある。そして母のように、少女のように、その中心にいるマリアを演じる小池がさすがの存在感を放っている。

 最終話では総理大臣も参加する、国際的なサミットで出す茶菓子の選定会に大惨事をもたらすことになるマリア・ファミリー。一体マリアの目的とは何なのか。そしてシェフに命を救われたことで彼への想いを強くする“れいぞう子”、大切な人の死に直面する“林檎”、そして誰よりもマリアへの忠誠を誓う“シェフ”は意外な行動を起こす。マリアによって自分のファンを殺した地下アイドルのココ(武田)はどうなったのか。もちろん、マリアに翻弄され続け、苦悩した明智が最終的に選ぶ道、苺との関係もみどころに。最後まで予想のつかない“恋する毒殺サスペンス”をぜひ見届けてほしい。