「カフェ店長として死ぬほど働いていた時の話」というタイトルの漫画が、Instagramで話題を集めている。漫画には、認知症のおばあさんとの会話や、キツすぎる上司とのやりとりエピソードが。「私の上司も理不尽なことで怒る」「こういう客、いますいます…」「今の自分に刺さりすぎる漫画です」などとたくさんの反響が寄せられている。どういった心境からこの漫画を描こうと思ったのか、作者のぶちねこなみさんに話を聞いた。

【漫画】パンを持ち帰ったことを10分後には忘れてしまい…毎日カフェに来店するおばあちゃんの話

■「ブラックな環境で働いている人はいっぱいいる」漫画を描いて改めてわかったこと

 新卒でカフェチェーン店に入社したぶちねこなみさん。2年間を雇われ店長として過ごした。6時出勤23時退勤で働くことはザラで、カフェインの錠剤を飲みながら耐え忍ぶ日々。独特すぎる客や、バイトへの教育、厳しすぎるマネージャーとのやりとりなど、すべて実話のエピソードで詳細に語られている。

――この漫画を描こうと思ったきっかけについてお聞かせください。
【ぶちねこなみ】飲食店でのバイト体験記をSNSでよく目にしますが、「店長視点」のものは見たことがなかったので、あったら面白いんじゃないかなと思って描き始めました。描き始めたら、10年も前のことなのに意外にも詳細に覚えていて…。カフェでの日々がそれだけしんどくて、心に残るものだったことに気づきました。あのときの苦労をネタにして供養してやろう…っていう心境です(笑)

――たくさんの反響が寄せられていることについては、どのように感じていますか?
【ぶちねこなみ】予想以上に反響があってびっくりしました。最初はフォロワーさんが1000人にも満たなかったのに、数ヶ月で2万人を超えました。増え続ける通知に、「えっバグってる?」って思うくらいでした。多くの方に読んでもらえて本当に嬉しかったです!

――中でも特に印象に残っているものは?
【ぶちねこなみ】まさに今、ブラック企業に苦しんでいる方からの「まるで自分のことのようでつらいです」という共感や、苦しい経験をした方からの悲惨な体験談などですね。「私のしんどさなんて全然まだまだじゃーん!」って思いました。特に、長年コンビニオーナーをされていた方のコメントが印象に残っています。世の中、昔より改善されていると言われますが、まだまだ信じられないくらいブラックな環境で働いている人はいっぱいいますよね…。

■「人間関係のストレスへの対処法を学べた」大変だったキツい上司から得たもの

――漫画の中で、思い入れの強いエピソードはありますか?
【ぶちねこなみ】一番思い入れがあるのは、認知症のおばあちゃんの話です。カフェで出会ったお客様の中で最も印象的な方だったからです。お店に来たことも、パンをお持ち帰りしたことも、10分後には忘れてしまい、また同じものを買いに来るおばあちゃん。当時、私は身近で認知症の方に出会ったことがなかったので、歳をとるとこうなるのかと衝撃を受けました。

――確かに、衝撃的な体験ですね。
【ぶちねこなみ】でも、毎日接客をするうちに、おばあちゃんの温かい人柄や、記憶を失っても周りの人に愛されていること、亡くなった旦那さんを大事に思い続けていることを知って…。素敵な人だなと思うと同時に、自分の仕事が人の日常に深く携わっていることも実感できました。一番大変だったのは、キツい上司の話です。もう、本当に…つらかったです…。

――さまざまな経験から学んで、今に活きていることは?
【ぶちねこなみ】人間関係のストレスへの対処法を学べました!学生時代はあんなにテキトーに過ごしていたのに、社会に出たら1年で「店長」で「上司」になってしまって。お客さんへの対応、バイトさんとの軋轢、キツい上司からのマンツーマン指導。どれも悩んで悩んで悩みまくっていました。飲食店店長には付き物の激務も大変でしたが、私にとっては体のつらさより心のつらさのほうが上でした。退社した後も、どうしたらもっとうまくできたんだろうと考えて…。今は自分なりに答えを出しています。インスタでも、連載の最後の方に描いています。

――今後SNSでどんな作品を作っていきたいですか?
【ぶちねこなみ】過去の話はネタに限界があるので、現在頑張っていることを描きたいです。今は2歳と0歳の姉妹の育児中で、大変だけど本当に毎日楽しいので、次こそは幸せいっぱいの漫画を描きたいです(笑)また、「わかりにくいことをわかりやすく噛み砕いて漫画で説明する」みたいなものを描いてみたいです。(できれば仕事で!)新しいことを勉強し、知識を広げるのは好きです。これから先、新しい分野を積極的に学ぶ意欲を持ち、絵を描くスキルと合わせていけたらと思います。