2018年4月期に月9ドラマとして放送され、昨年公開された映画は興行収入29.7億円を記録した人気シリーズ『コンフィデンスマンJP』。映画第2弾『プリンセス編』が7月23日に公開されるのを前に、主演の長澤まさみ(33)、共演の東出昌大(32)、小日向文世(66)の3人の“コンフィデンスマン”に本作と自身の役への思いを語ってもらった。

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 天才的な能力を持ち、どんな職業にも成りすますダー子(長澤)、ダー子の幼なじみで彼女に振り回されるお人好しのボクちゃん(東出)、女性に弱い一面もあるが、変装技術を得意とするリチャード(小日向)のほか、五十嵐(小手伸也)やモナコ(織田梨沙)などの仲間たち。ターゲットである“オサカナ”には、赤星栄介(江口洋介)、韮山波子(広末涼子)ら前作までのキャストも映画に登場。本作では白濱亜嵐、関水渚、古川雄大、柴田恭兵、北大路欣也らが新規に出演している。

■ボクちゃんにしたたかな面も? ダー子は「みんなで具現化したキャラ」

 自身の役について長澤は「底抜けな明るさを持っていて、ダー子と出会うたびに勇気と元気をもらえる。とても愛情深い心の大きな人と感じています」と語る。「(脚本の)古沢良太さんが、この役を当て書いてくださり、世間の人に新しい私を見出してくれました。もちろんキャラクターを作るのは自分ですけど、古沢さんや製作者の方々の思いを、みんなで具現化してできたのがダー子というキャラクターだと思うんです」と自分だけでなく、周りの力があってできた存在と説明する。

 東出は「ダー子あってのボクちゃん。幼なじみだし、破天荒なダー子について行けるってそれなりに変わっていると思うんです。視聴者の方が思うような常識を振りかざすこともありますけど、分け前はもらっている。実はボクちゃんって、ずっと良い時計をしているんです。ドラマから映画、スペシャルドラマと良い時計に買い替えているんですよ」とパブリックイメージでは、どこか頼りない部分を感じるボクちゃんだが、したたかな面もあると明かす。「この3人は愛すべきバカというか、ダー子はもちろんですがボクちゃんも一筋縄ではないんだろうと思います」。

 小日向は「いろんな役をやらせてもらってきたけど、今回も初めて経験しているなあって感じはします。ダー子とボクちゃんがあってのリチャード。2人がいて、そこにリチャードがいる。2人の気配を感じながら演じているような気がします」とダー子とボクちゃんが存在あってこそのリチャードであるという。「もし僕が参加していなかったら、誰が(リチャードを)やっていたんだろうと。いろんな方がゲストで出たいと言っている作品にレギュラーとして参加できることは、本当に幸せだと思います」。

■長澤まさみは「天才型であり秀才型」

 東出も小日向も、ダー子の存在の大きさを実感している。昨年12月に開催された『第44回 報知映画賞』授賞式では、主演女優賞を受賞した長澤に小日向が花束を贈呈した。そこで小日向は「女優としてのオーラで背が高くなっている」と表現。足かけ4年の月日を共演している東出と小日向にあらためて女優・長澤まさみの魅力も聞いた。

 「見た目とぶっちゃけてくるときのギャップが激しくて、それが楽しいです」と話すのは小日向。「基本的には気取らない子。でも、女優としてすごく大きく見えるんです。ドレスが似合うし、抜群のスタイルだし、ドラマの中でもマリリン・モンローに扮するときがあったんですけど、はっと息を呑んでしまう。そういう美しさや魅力はありますよね」と言葉では言い表せない美ぼうがあるという。

 東出は「ダー子って天才ですけど、ダー子自身も影で努力をしていると思うんです。長澤さんもそれと同じように努力をして、かつ天才性もある。長澤さんだからダー子ができる。天才型であり、秀才型だと感じます」と手放しでほめたたえる。

 2人の話を聞いた長澤は「良く言い過ぎじゃない?」とツッコみながらも「そんなに大層なものではないですけどありがたいです。その言葉を裏切らないようにダー子を頑張らないといけないですね」とダー子演じることにさらなる気持ちを高めた。

■長澤まさみ「やっぱりこの3人じゃないとできないですよ」と力説

 2月の『第62回ブルーリボン賞』の授賞式にも登壇した長澤は、そのときのスピーチで「この作品が大好きなので、まだまだコンフィデンスマンの世界が続いたら」と映画第2弾の先を見据えた。この発言は多くの“コンフィデンスマン”たちの胸を躍らせただろう。

 小日向も「いろんなだましが入ってくるたびに、新しいキャラを演じるような楽しみがあるんです。なかなかこういう作品はないので、楽しい、うれしい現場です。会うと昔に戻れるし、とても貴重な時間だと思っています。これで(第2弾が)ヒットすれば、第3弾もあると思います。おじいちゃんになるまでやりますよ」と長澤と同じく未来を描いた。

 東出は「僕もボクちゃんは好きです。ボクちゃんを好きと言ってくださる方も多いので、どのような形かわかりませんが、この世界が続くのであれば、最後までまっとうしていきたいです」と前を向いた。

 小日向は「どんなことがあろうと、この2人じゃないと成立しないからね。ダー子がいて、ボクちゃんがいる」と2人に信頼を寄せる。「普段は全然会わないけど、コンフィデンスマンの撮影に入ると不思議な時間になるんですよ。ほかの人が(リチャードを)やっていたらテレビで見ていたわけだからね。だからこうやって出会えて良かったってつくづく思います」と長澤と東出、そしてコンフィデンスマンに出会ったことに感謝した。

 長澤も「私もそう思います」と小日向の意見に同意。「ドラマで長い時間撮影して、お互いに信頼を築き上げていった。だんだんとお互いを認めていった感じもしていました。やっぱりこの3人じゃないとできないですよ」と誰が欠けても成立しない作品であると力説する。その姿は、3人の間には、崩れない絆が出来上がっている――。そんな関係が垣間見える瞬間だった。

■キャストプロフィール

◆長澤まさみ(ながさわ・まさみ):1987年6月3日生まれ 静岡県出身
00年に第5回「東宝シンデレラ」オーディショングランプリ受賞。『ロボコン』(03年)で映画初主演、昨今の出演作は、映画『海街diary』『50回目のファーストキス』『マスカレード・ホテル』など。3月6日に行われた「第43回 日本アカデミー賞」では『キングダム』(19年)で『セカチュー』以来の最優秀助演女優賞を受賞した。7月31日には主演映画『MOTHER マザー』が公開予定。
スタイリスト:高村三花子 ヘアメイク:木村真紀 衣装協力:シューズ(マローン スリエ)、リング(マリハ)

◆東出昌大(ひがしで・まさひろ):1988年2月1日生まれ 埼玉県出身
『桐島、部活やめるってよ』(12年)で俳優デビューし「第36回 日本アカデミー賞」新人俳優賞を受賞。13年には、NHK連続テレビ小説『あまちゃん』『ごちそうさん』に連続出演。『聖の青春』(16年)では羽生善治氏を演じ「第40回 日本アカデミー賞」優秀助演男優賞を受賞した。
ヘアメイク:AMANO スタイリスト:及川泰亮

◆小日向文世(こひなた・ふみよ):1954年1月23日生まれ 北海道出身
77年にオンシアター自由劇場に入団。96年の解散後は映像にも進出。映画『ALWAYS三丁目の夕日』(05年、07年)や『ザ・マジックアワー』(08年)『サイドウェイズ』(09年)等を経て『アウトレイジビヨンド』でキネマ旬報ベスト・テンで助演男優賞を受賞。近作としてドラマ『真田丸』(16年)『緊急取調室』シリーズ(14年、17年、19年)映画『サバイバルファミリー』(17年)『祈りの幕が下りる時』(18年)『マスカレードホテル』(19年)等。
ヘアメイク:河村陽子(vitamins) スタイリスト:石橋修一