いつか作ろうと思って購入し、そのまま家で組み立てられずに積まれて眠ってしまったプラモデル。そんな“積みプラ”を、この“おうち時間”を使って組み立てようという動きがあり、SNSでも「#積みプラ」を付けて多くの人が作品を発表している。BANDAI SPIRITSホビー事業部が運営する「ガンプラ」を主体とした総合施設・ガンダムベース東京(THE GUNDAM BASE TOKYO)で、BBマイスターワカオとして講師を務めたり、SDガンダム BB戦士の魅力や情報を発信しているさのすけさん(@sanosuke_waka)も、そんな“おうち時間”を使って、40年間憧れた作品を生み出した。                             

【写真】この発想はなかった…ガンダム×マカロン?モデラ―・さのすけ氏制作「ユニコーンガンダム」

■「家に眠るプラモデルを作ろう」という企画が、憧れのMS制作のきっかけに

―――今回、「迷彩柄のズゴック」を作ろうと思われたのはなぜですか?

【さのすけ】もともと、BB戦士だけでなく、HGやMGも気になったMSをチョイスして作っていたんです。そんな折に、ガンダムベース東京から、毎週水曜に川口名人(=川口克己。BANDAI SPIRITS社員。玩具・模型の企画やプロモーションを担当しながら、ガンプラ普及に尽力)がマイスターユウキさんと一緒に配信している番組『すいプラ』があり、そのなかで川口名人が、家にいる時間が多いこの機会に「積んでいるガンプラがあれば作ろうよ」と企画を発案されました。
                  
 作った作品を「#すいプラ積みプラ」を付けて作品を投稿してもらい、それをガンダムベースのアカウントや、配信が再開したら同じ番組で、参加作品をピックアップして紹介するというものなのですが(既に作品の募集は終了)、日頃お世話になっている川口名人の企画ということで、自分も参加させていただきました。参考作品としてTwitterに早めに掲載できるよう、改造等はせず1週間位で製作しました。「みんなで積みプラチャレンジ」は製作に挑戦するとても良い機会になったと思います。

◆技術的にどんなにうまくなっても…父の作った『ドム』は超えられない

―――「ズゴック(迷彩塗装タイプ)」は、迷彩柄に「シャーク・マウス」が印象的です。この作品のイメージはどのように湧いてきたのでしょうか?

【さのすけ】ガンプラブーム時、祖父が買ってくれたガンプラムック『SFプラモブック 機動戦士ガンダム』の載っていた、シャーク・マウスが描かれたズゴックをお手本に製作しました。川口名人の作例も載っている本で、自分の中でガンプラ製作のバイブルになっている1冊です。ガンプラブーム当時の熱さも感じる、ちょっと懐かしい雰囲気にできればと思い製作してみました。ムックで作例を見たときからずっと憧れ、40年近く作ってみたいと思い続けていたもの。子どもの頃に憧れたものに、大人になった今挑戦できるという喜びも感じながら作れたので楽しかったです。

―――色と、「シャーク・マウス」以外は特に改造していないとのことでしたが、特にこだわったポイントはどの部分でしょうか?

【さのすけ】自宅にあった積みプラの『MGシャア専用ズゴック』をベースにしたのですが、最終的に汚し仕上げにするので、迷彩で使用する4色の色味に注意しました。以前、代打でアシスタントをした『すいプラ』番組内で、リアルタイプ旧ザクを例に実演で川口名人に教えていただいた銀のドライブラシも駆使しています。「シャーク・マウス」は、まず胸部をホワイトで塗装。鋭角に細切れにしたマスキングテープを使用してマスク処理をしてからレッドを塗装しています。その後シャーク・マウス部分をマスキングして4色の迷彩を施しました。

―――SNSで作品を発表したあとの反応はいかがでしたか?

【さのすけ】懐かしいという声や、お店のスタッフさんからも「かっこいい」と言ってもらえたのでうれしかったですね。「みんなで積みプラチャレンジ」企画に少しでもお役に立てたなら何よりかと思います。

―――仕事と実際の趣味と、「ガンプラ」に囲まれていらっしゃいますが、その魅力はどんなところだと思いますか?

【さのすけ】子供の頃のガンプラブームから学生時代、大人になった今も楽しさ・喜びを感じさせてくれるものだと思っています。ガンプラや作品を通じて、たくさんの人と交流し共に楽しめることも大きな魅力です。BBマイスターとしてガンダムベースのみんなと一緒に、これからも多くの方にガンプラの楽しさを伝えていくことが目標だと考えています。
 また、プライベートで作品を作るときは、自分が好きなものを楽しんで作るということを第一に考えています。普段模型にあまり触れない人にも、「ガンプラって楽しそう」と感じていただけたら最高ですね。

―――「ガンプラ」を制作するうえで、目標はありますか?

【さのすけ】私の「ガンプラ」の原体験が、昭和のガンプラブーム時、父と近所のおもちゃ屋さんへ行き、『1/60ドム』を買ってもらったことでした。当時自分ではまだ作れなかったので、父が塗装もして作ってくれたドムに感動したことは今でもよく覚えています。「モノアイがムギ球で光る!」というのも子供心にたまらなかったですね。今思えば週末に筆塗りで1/60のキットを完成させる父のすごさに驚きますが、完成した『1/60ドム』のかっこよさや衝撃は、今でも自分の中で作品作りの目標になっています。今後も越えられない気はしているのですが、楽しみながら作り続けていければと思っています。