日本が世界に誇る“オタクカルチャー”の一角として、広く市民権を得るまでに成長した「コスプレ」。2020年に入ってからは、新型コロナウイルス感染症の拡がりに伴い、『コミックマーケット98』をはじめ、多数のコスプレイベントが開催中止に。緊急事態宣言の延長により、イベント自粛のムードもまだまだ続くことになりそうだ。普段はイベントや撮影会などで忙しくしているコスプレイヤーたちは、いま現在、どのように過ごしているのだろうか? 今回は、企業の公式コスプレイヤーや役者として活動中の一色華月さんにインタビューを実施し、現状へのリアルな声を聞いた。

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■コミケ中止に安堵「参加者の安全を第一に考えての決断に感謝」

――新型コロナウイルス感染症の影響で『コミケ』を始め、多くのコスプレ関係のイベントが開催中止となっています。華月さんのコスプレ活動には、どのような影響が出ていますか?

【一色華月】3月以降はコスプレをする機会もかなり減りました。私の場合は好きなキャラクターになりきるだけでなく、コスプレをしてたくさんの方たちと交流すること自体が好きなので、さまざまなイベントが開催中止になったことを残念に思っています。

――『コミケ98』など各イベントの開催中止が正式に発表されるまでは、どういった心境でしたか?

【一色華月】コロナ関連のニュースを目にするたびに不安を感じていました。この日のためにコスプレやサークルの準備を頑張ってきたので、「参加をやめる」と簡単には決断しづらくて…。おそらく、そういったコスプレイヤーさんやカメラマンさんはたくさんいらっしゃったと思います。そんななか、公式から開催の中止が発表されて。参加者の安全を第一に考えて決断をしてくださったことに、素直に感謝しています。

――そうした現状を踏まえて、いま現在、コスプレに関してはどういった活動をされていますか?

【一色華月】最近は定期的に宅コスをしていますね。自宅で過ごす時間がものすごく増えたので、それを有効利用してウィッグ作りなどに取り組んでいます。今まではどちらかというと、準備をしたらすぐにコスプレイベントに遊びに行っていたんですけど、この数カ月はずっと家にいるので、そのぶん、衣装やウィッグのクオリティアップに時間をかけられるようになったとポジティブに考えています。

■直接会えなくても、SNSで交流しやすい宅コス「未経験の人も、今が始めるチャンス」

――不要不急の外出自粛が呼びかけられている昨今、自宅でも楽しめる“宅コス”は、注目されるべきコンテンツだと思うのですが、いかがですか?

【一色華月】コスプレ自体のハードルが高く見えている人も多いと思うんですけど、“宅コス”なら人の目を気にせず、のびのびとコスプレを楽しめます。ちょっとでも興味のある人は、おうち時間を有効活用してチャレンジしてもらいたいですね。

――コスプレ未経験の人にとっては、いまが始めるチャンスでもあると。

【一色華月】そうですね。難しく考えずに、まずは「せっかく時間も出来たしやってみようかな」くらいの軽い気持ちで始めてみてもいいんじゃないでしょうか。コスプレは楽しんだもの勝ちだと思います!“宅コス”でコスプレに慣れ親しんで、そこで興味が沸いたら、『コミケ』などのイベントにも足を運んでもらって。そうしてコスプレの盛り上がりをいっしょに体感できる人がひとりでも増えてくれたら、お話しをさせていただいた甲斐があります。

――いまやコスプレの知識は、インターネットですぐに調べることができますが、経験者としてのアドバイスがありましたら、教えてください。

【一色華月】ベースとなる顔やスタイルは人によって違うので、同じキャラクターのコスプレでも、一概に“こうするべき”と言うのは難しいです。なので、ネットで調べた情報をそのまま実践するのではなく、まずはコスプレをしたいキャラクターの画像をたくさん集めて、自分の顔をどうメイクすれば、そのキャラクターに近づけられるかをじっくり研究することが大切だと思います。

――華月さんの場合、具体的にどのような取り組みをされているのでしょう?

【一色華月】まだ慣れていなかった頃は、いきなり自分の顔にメイクをするのではなく、まずは顔写真を印刷して、そちらにペンで描き込んだりして練習しました。そうやってあらかじめ、メイクの方向性をハッキリさせておいたほうが、道具も用意しやすいし、途中で迷うことなくコスプレをすることができました。気になる方はぜひ、試していただけたらと思います。

――貴重なご意見、ありがとうございます。それでは最後に“宅コス”を検討中の皆さんに向けて、ひと言お願いします。

【一色華月】ずっと家にこもっていると最低限の行動しかできなくて、ストレスも溜まる一方ですが、コスプレで好きなキャラクターになりきれば、そうしたモヤモヤも発散できるので、興味のある方は是非、挑戦してみてください。そうして、お気に入りの写真をSNSに投稿したりすれば、交流の輪もさらに広がるので、皆で笑って、この時期を楽しく乗りきりましょう!


取材・文=ソムタム田井