アニメーション映画の常識を覆した、大友克洋監督による劇場アニメーション『AKIRA』(1988年)。公開から30年以上の時を経た2020年。奇しくも劇中の舞台となっている本年、IMAXが導入されている全36館で4月3日より公開される。

【劇中画像】鮮明によみがえった『AKIRA』

 「ヤングマガジン」(講談社)で1982年12月より連載された原作漫画の作者でもある大友氏自ら監督を務めた同作は、製作期間3年、総制作費10億円という、当時のアニメーションでは考えられないほどの時間と労力、そして最高のアニメーション技法を惜しげもなく費やして作り上げられた傑作のひとつだ。

 最高機密「アキラ」を中心として、現代の政治と宗教が入り組み、それに若者たちのエネルギーが炸裂し、スケールはますます大きくなっていく。予測不可能なストーリー展開はもちろん、細密画のように綿密に描きこまれた各カット、息つく間もないスピーディーなアクションシーンは圧巻。そして映画のテーマである、破壊の後の“再生”への願い…。この壮大なSFアニメであると同時に、熱いヒューマン・ドラマでもある同作は、公開から30年以上経った今も色褪せず、アニメ映画/SF映画に大きな影響を与え続けている。

 今回、35mmマスターポジフィルムから4Kスキャン&4Kリマスターを施し、音楽監督山城祥二指揮のもと、半年もの時間をかけて細部にまでこだわりぬいた5.1ch音源のリミックスも実施。生まれ変わった鮮明な映像と、パワフルな高音質サウンドで上映が行えるのは、IMAXだからこそ。覚醒した「力」の爆心地にいるかのような轟音、金田のバイクに一緒に乗ってネオ東京を走っているかのようなクリアな映像など、『AKIRA』の世界の中に入ったかのような映像体験が楽しめる。

 また、Ultra HD Blu-rayかBlu-rayどちらでもリマスター映像を楽しめる『AKIRA 4Kリマスターセット』が4月24日に発売される。

■あらすじ
 1988年7月、関東地区に新型爆弾が使用され、第三次世界大戦が勃発した。

 31年後― 2019年東京湾上に構築されたメガロポリス、ネオ東京は翌年にオリンピック開催を控え、かつての繁栄を取り戻しつつあった。

 健康優良不良少年のグループリーダー・金田は、荒廃したこの都市でバイクを駆り、暴走と抗争を繰り返していた。ある夜、仲間の鉄雄は暴走中、奇怪な実験体の少年と遭遇し、転倒負傷。呆然とする金田たちの前で、彼らは軍の研究所へと連れ去られてしまう。

 鉄雄救出のために研究所へ潜入を試みる金田。だが、彼はそこで、過度の人体実験により新たな「力」に覚醒した、狂気の鉄雄を見る。

 一方、研究所内の特殊ベビールームでは、実験体の少女が、「最高機密=アキラ」の目覚めを予言。

 鉄雄は自らの力の謎に近づくべく、地下深く眠る「アキラ」への接近を開始する。