書いた文字や絵を見ながら消せる“透明”の消しゴムが話題になっている。当初の販売見込みの10倍以上の注文を受け、品薄状態が続いているという。作ったのは、プラスチック消しゴムや修正テープを世界で先駆けて開発した株式会社シード。大正4年から100年以上続く大阪の老舗で、ロングセラー商品「レーダー」の新作として去年9月に発売。デジタル化が進み、需要は減少傾向にある中、消しゴムの将来性を開発担当者に聞いた。

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■“消す”ことの世界先駆社が語る、消しゴムの“ポテンシャル”とは

――“透明”の消しゴムは、ありそうでなかった商品ですよね。

透明消しゴムは元々販売していたのですが、消えにくいことが課題でした。透明度を高めると消えが悪くなり、消せるようにすると不透明になるのです。そのバランスが難しく、足掛け5年かかりました。配合を微妙に変えながら100を超えるサンプルを作成し、何度も消す試験をして検証を重ねました。

――個人的にも最近鉛筆や消しゴムを使う機会が少なくなったように感じますが、購入者はクリエイター層が多いのでしょうか。

そういうわけではないように感じます。文具好きはもちろん、本来の購入層である学生さんに買って頂いています。消しゴムは使わないけど話題だから買ったという方や、使う用と飾る用の複数個買われる方もいらっしゃるようです。

――海外からも反響があったようですね。

香港や中国、韓国、台湾にも出荷していて、イタリアやアメリカ、インドのサイトでも紹介され、注目されています。

――年々デジタル化が進みながらも、「キンケシ」「ねりけし」「カドケシ」など、消しゴムは、鉛筆などに比べても数々のトレンドを生み出してきましたよね。

“消す”という本来の目的に加えて、形、色、香り、パッケージなどのプラスアルファの要素が多いため、これからもアイデア次第で無限の可能性を秘めていると思います。

――“消える”技術を作りつつ、消しゴム需要を“消さない”気概ということでしょうか。

そうですね。日本の文房具の品質の高さは世界にも評価されています。デジタル化による需要減によって市場が縮小しているのは確かですが、海外を含めて“消す”商品のシェアを拡大し、会社は“消えない”ように頑張っていきたいです。