テレビ東京の人気番組『ハイパーハードボイルドグルメリポート』の書籍版が、19日に朝日新聞出版より刊行される。番組企画から取材、編集まですべてを手がけた同局のディレクター・上出遼平氏が完全執筆した同書は、危険地帯取材の裏側や、番組本編に収まりきらなかったエピソードを多数収録しており、書籍化の構想から足かけ4年での出版となる。

【番組カット】テレ東の人気番組が書籍化

 同番組は、ヤバい世界のヤバいやつらのヤバい飯をテーマにした「自称グルメ番組」。メディアが通常立ち入らないような世界中の“ヤバい”エリアを取材し、食を通じて各地に生きる人々のリアルをえぐり取ったその内容は、当初深夜の単発放送ながら視聴者に衝撃を与え、大きな反響を巻き起こした。

 取材対象は「廃墟に暮らす元人食い少年兵」「マフィアの晩餐会」「カルト教団の村」など。だがその映像の“ヤバさ”は、たんなる危険さやもの珍しさのみにとどまらず、翻って視聴者に“当たり前”や“ふつう”とは何かを淡々と問いかける。あまりに異質なこの番組はその後、優れた放送作品に与えられるギャラクシー賞の受賞やゴールデン帯への進出、各種配信プラットフォームで世界展開されるなど、視聴者はもちろん、業界内外から熱狂的な支持を集め続けている。

 今回の書籍購入者特典として、帯記載のQRコードから番組完全未公開エピソード「“地上の楽園”モルディブ ゴミ島飯」編を限定配信。ジャーナリストの田原総一朗氏、King Gnuの井口理が推薦コメント、著者の上出氏が出版にあたって紹介文を寄せている。

■田原総一朗
このようなすさまじい番組を、よく放送できたものだ。クレームを恐れた無駄な番組ばかりがどのテレビ局でも氾濫している中で、とび抜けて危険な番組である。リベリアの旧墓地に住む、元人食い少年兵たち。売春で生きている元少女兵もいた。台湾のマフィアたちの宴会、そしてロシアのカルト教に潜入。これはあきらかに、テレビのささやかならぬ暴動である。

■井口理(King Gnu)
グルメリポートと銘打ちながら「生きるってなんだろう」「人間ってなんだろう」と問いかけてくる番組が今まであったでしょうか。貧しくても、罪人でも、女でも男でも、みんな等しく平等に食べて生きている。おれたちみんな血の通った人間なんだと教えてくれる。すげー。

■上出遼平氏
これは番組の単なる「書籍版」ではありません。番組の劣化版なら出す意味がない。これは『ハイパーハードボイルドグルメリポート』の「最終型」です。ここに、最も深い旅があります。流行りの伏線もどんでん返しも明日使える雑学も、秒で稼げるノウハウもありません。ただ、僕が見た凶暴で美しい世界だけがあります。この番組が、この本が、他のどんな旅とも違うということが、読めば否が応でもわかると思います。あなたを旅に連れ出したくて、ささやかな命を削って書きました。読んでみてください。