先日発表された『第43回日本アカデミー賞』で、昨年11月に公開された映画『決算!忠臣蔵』の演技が高く評価され、優秀助演男優賞を獲得したナインティナイン・岡村隆史(49)。自身のラジオ『岡村隆史のオールナイトニッポン』(ニッポン放送・毎週木曜 深1:00)で“ムービースター”を自称してきたが、受賞によって“リアル・ムービースター”になった岡村に、番組の生放送前にインタビューを敢行。受賞の喜びの声を聞いた。

【写真】2冠を目指してピースサインを決める岡村隆史

■男だらけの現場で自然体の演技に 女優さんがいたら「変にカッコつけていたかも(笑)」

――優秀助演男優賞おめでとうございます!

【岡村】“リアル・ムービースター”になっちゃいました(笑)。最初にチーフマネージャーから受賞したって聞いた時は、「ノミネートされただけか」と思って、周りからお祝いされても「いやいや、ノミネートやで」って返してたんです。でも神田さん(以前のラジオのディレクター)から「ノミネートじゃなくて、優秀助演男優賞を受賞したんだよ」って教えてもらって、改めて「すごいやん!」って気づいて。他の受賞者の名前を見て「何このメンバー! えらいとこ入ってしまって、俺だけ場違いやん!」ってあせりました(笑)

――受賞できる自信はありましたか?

【岡村】いやいや、とんでもない。堤真一さんをはじめ共演者の皆さん、中村義洋監督、カメラや照明、衣装などのスタッフの方々のおかげです。僕は監督に言われた通りに演技しただけなので。自分で演技プランを立てたわけでもないし、役作りもしていないし。練習したのはそろばんだけです(笑)。あとは、撮影現場が男の人ばっかりだったから、カッコつけなくて自然にできたのも良かったのかもしれない。現場にいつも石原さとみさんとか竹内結子さんがいたら、「ええ芝居せな」って変にカッコつけていたと思います(笑)。

――映画の共演者から祝福は?

【岡村】これが、意外と誰からも(笑)。いま撮影している大河ドラマ『麒麟がくる』の共演者は、長谷川博己さんをはじめ皆さん「おめでとうございます」ってお祝いしてくれました。

――ご自身で考える受賞の決め手とは?

【岡村】コメディー要素の強い作品で、笑えるシーンもたくさんあったのですが、僕は面白いことを一切言わなかったんです。普通はお笑い芸人が笑わせ役になるのですが、この作品は俳優さんが笑わせて芸人が普通のことを言う。作品の中で僕はちょっと“異物”だったので、それがいつものテレビのバラエティーの岡村隆史とは違う、いい意味の違和感になって良かったのかもしれないですね。「岡村はこういうのもできるんだ」って印象に残ったのかな、と。

■「世間の皆さんにはもっとワイワイ騒いでほしい」狙うは2冠&スピーチのリベンジ

――ほかの受賞者は綾野剛、伊勢谷友介、柄本佑、佐々木蔵之介、吉沢亮と人気俳優がズラリ。この中から最優秀助演男優賞が選ばれますが、気になる人は?

【岡村】いま人気の吉沢亮くんですかね。『キングダム』も盛り上がっていたし。佐々木蔵之介さんも『麒麟がくる』で共演していて、この前一緒のシーンがあったんですけど、その時の監督さんが「佐々木さんは緩急の付け方や間の取り方とかすごいですよね」って絶賛されていて。そして「岡村さんにも学んでいただきたいです。岡村さんはせりふを無事に言えたことで安心しちゃう段階なので」って言われました(笑)。レッドカーペットではこの6人が並ぶと思うのですが、僕みたいなチンピラ芸人がこの中に入ったのは、とんでもない快挙ですよ。自分でもビックリしてるし、世間の皆さんにはもっとワイワイ騒いでほしいです。ビッグニュースなのにオリコンさんもすぐに取材に来てくれないし……。年末の『岡-1GP』とかじゃなく、こういうときこそ駆けつけてくださいよ(笑)。

――失礼いたしました(笑)。ラジオでは以前からリスナーの投票で決まる『話題賞』を狙うと公言していましたが、優秀助演男優賞を受賞しても『話題賞』を狙う?

【岡村】もちろん、最優秀助演男優賞と特別賞との2冠狙っています。このチャンスを逃したら、2冠のチャンスなんてもうないと思うので、今年パパっと2ついっとかんとアカンぞ、と。リスナーには優秀助演男優賞を取ったことで安心しないで、話題賞にも投票していただきたいですね。
(『話題賞』投票フォームは『オールナイトニッポン』公式サイト内)

――やはりスピーチのリベンジをしたい?
(※岡村は『てぃだかんかん 海とサンゴと小さな奇跡』の演技で9年前の『第34回日本アカデミー賞』の話題賞俳優部門を獲得。ステージで緊張してしまい「はなはだ簡単ではございますが、うれしいお言葉とさせていただきます」という迷スピーチを残し、現在も番組のネタになっている)

【岡村】前回は舞い上がってしまって、訳のわからんことを言ってしまいましたから……。僕だけじゃなく、南海キャンディーズの山ちゃんとかオードリーの若林(正恭)くんとか、あのステージで芸人はみんな失敗してるので、自分がビシッと決めたいですよ。山ちゃんなんて、レポーターで行ったのにもらったカンペの情報が全部間違っていたという(笑)。

――今後もムービースターとして映画にこだわる?

【岡村】映画はオファーがあったら出たいなと思っていますけど、やってみたいのは刑事役。正統派もいいし、武田鉄矢さんがやっていた『刑事物語』のリブートみたいなのも面白そうですよね。あと、明石家さんまさんから『花の駐在さん』を引き継がせていただいたので、『花の駐在さん THE MOVIE』みたいな構想を考えていて、ホンマは2020年に公開できたら良かったんですけど、結局さんまさんに言えずでした。ただ、昔はすぐにせりふを覚えられたんですけど、最近は覚えが悪くなってきて…(笑)。専門用語は無理なので、刑事役でも現場を走り回ってるほうがありがたいです。今田耕司さんが以前に天才外科医を演じた時に、せりふが難しくて泣きそうになってましたので(笑)。

■不気味すぎる大河ドラマの役柄 長く出続けるために「考察で盛り上げて」

――俳優としてのもう一つの注目作、大河ドラマ『麒麟がくる』もスタートしました。反響は?

【岡村】「登場人物の中で一人だけ、ずば抜けて汚かったね」って言われました(笑)。カラフルな世界観の中で、汚かったのは僕だけですから。でも、僕が第1話の序盤で早くも登場したり、農民役なのにオープニング映像で名前が3番目に出てきたり、僕が演じる菊丸には何かあるんでしょうね。全然教えてもらってないですけど(笑)。

――ネットでは“菊丸考察”が盛り上がっています。「あの汚れも伏線なのか」とか…

【岡村】大河ドラマが好きな人は「あれ?」と思うみたいで、そうやって考えていただくのも制作側の狙いかもしれないし、そのままホンマの農民かもしれない。ただ、ネットの影響力は大きいので「菊丸は必要か?邪魔じゃない?」みたいな声が増えると、途中で殺されちゃう可能性もある(笑)。みなさんが「楽しみ」とか言ってくれたり、考察で盛り上げていただいたほうが長く出続けられると思うので、応援お願いします。

――開始前はいろいろあったドラマですが、スタートするとポジティブな反響が多いです。

【岡村】キャスト変更があったので同じシーンを2回撮影されている方もいますし、僕も先日「このシーン、前にやったな」という撮影がありました。以前に比べてセットがちょっと小さくなっていた気がしましたけど(笑)。でも、だからといって現場が暗いわけでもなく、座長の長谷川さんがすごく気配りをしてくださったり、堺正章先生も帰蝶の代役発表前には「アンジェリーナ・ジョリーじゃない?」と言って和ませてくれたり、すごくいい空気ですね。

――俳優業も順調に進んでいきそうですね。

【岡村】ただ、連ドラも出たことないのに大河に手を付けてしまったので、次に何したらええかな(笑)。優秀助演男優賞を取って、大河ドラマで3番目に名前が出てきて、みんな「岡村、どないなってる?」って驚いてるかもしれませんが、僕もちょっとパニックになってますよ。ただ、本職はお笑いをやらせてもらっていますので、ムービースターや大河俳優は横道として進んで、気がついたら芸人としてのランクが上がってたらいいなと思いながら頑張ります。

◆岡村隆史(おかむら・たかし)1970年7月3日生まれ。大阪府出身。1990年4月に高校のサッカー部の後輩・矢部浩之とナインティナインを結成。1992年「ABCお笑い新人グランプリ」、93年「上方お笑い大賞」受賞。俳優として『岸和田少年愚連隊 BOYS BE AMBITIOUS』で97年「ブルーリボン賞・新人賞」、『てぃだかんかん~海とサンゴと小さな奇跡~』で2011年「日本アカデミー賞・話題賞俳優部門」を受賞。