家庭用ゲーム機黎明期に誕生し、今も楽しめる名作から、“クソゲー”と呼ばれる不人気作まで、さまざまなソフトを生み出した『ファミリーコンピュータ』。不人気作のなかには当時中古ソフト屋で、販売価格の数十分の一で投げ売りされていたものも。ところが、時代の流れと共に物の価値が逆転し、当時投げ売りされていたものが一転、高額で取引されているケースもあるという。そこで今回、ゲームソフト所有本数3万本、約3000万円をゲームに捧げたファミコン芸人・フジタ協力のもと、今、価値が上がっている“成り上がり”ファミコンソフトをピックアップ。そのソフトにまつわるトリビアと合わせて紹介してもらった。※価格はすべてフジタによる推定。(箱説明書ありの状態並)

【写真】最高5万円まで高騰!『舛添要一 朝までファミコン』などの希少ソフト全20タイトル

価値数倍~数百倍に!“成り上がり”ファミコンソフト10

 発売から数年、数ヶ月で中古ソフト屋で投げ売りされていたにも関わらず、ここ数年その価値が大きく上がったソフト。フジタによると、やはり年々ソフトは状態のいいものが減っており、近年価格が上がっているソフトに関しては、供給(市場に流通する数)よりも需要が大きいという。

◆『キャプテンセイバー』 
中古価格/【当時】200~300円→【現在】3万円
 このソフトはファミコン後期の作品なんですが、タイトーの全ファミコンソフトの中でも3タイトルしかない特殊な形状が大きな特徴。加えて、細かいんですけどケースのなかに入っている「カセットについてのお願い」というチラシが、他のソフトとは異なるものが入っています。ゲーム内容は、シンプルなアクションゲーム。即死ポイントは多いんですけど、それなりに面白いです。
【値上がりの要因】
 ファミコン後期のソフトであること(1990年11月のスーパーファミコン発売後もファミコンのソフトは1994年まで発売され続けたが、あまり売れなかったため、全体的に本数が少ない)。全タイトルの中でも珍しい、特殊な形状であることが要因として考えられます。

◆『ドラゴンズレア』 
中古価格/【当時】1000円→【現在】2万円
 ファミコンソフト約1050タイトルの中でも4タイトルしかない、カセットがツートンカラーのソフト。白×紫はこのソフトだけなんです。内容は地味なクソゲー(笑)。操作性が良くなく、ワンテンポ遅れて反応するので、やって見ると全然うまくいかない。しかも、ゲームを始めて一画面目に城に入ろうとしてドアに触れると即死なんです。どうやって城に入ればいいかわからず、城に入れないまま先に進めずにやめた人も多いと思います。
【値上がりの要因】
 僕も含め、さまざまなメディアで紹介していたので、昔を懐かしんでやりたい人がソフトを求めたことが、値上がりの要因ではないかと思います。

◆『舛添要一 朝までファミコン』 
中古価格/【当時】500円→【都知事問題があったとき】5万円→【現在】1万円
 舛添さんが出てくる選択式のアドベンチャーゲーム。途中「舛添要一クイズ」というものがあって、それに正解しないと「バカモン!」って怒られるんです。カセットの説明書の2倍くらいの厚さの「舛添BOOK」というものがついていて、いろいろな訓示が書いてあるんです。そのなかに「自分の金も使えないやつは最低だ」って書かれているんですけど、“あの問題”の時にブーメランで返ってきて、騒がれたという作品です(笑)。
【値上がりの要因】
 都知事問題があったときにソフトを持っているだけで、テレビやラジオに呼ばれました(笑)。これはすごく価格が上がりましたが、タレントものは価値が両極になる場合が多いですね。実際『たけしの挑戦状』は売れたので希少性がなく、そこまで上がっていません。

◆『ギミック!』 
中古価格/【当時】2000~3000円→【現在】7万円
 ファミコン後期の作品なのであまり売れなかったんですが隠れた名作です。アクションゲームなんですけど、アニメーション、グラフィック、音楽など、ファミコンの限界を超えたといわれるくらい素晴らしい作品と言われていて、今も人気の『星のカービィ』の制作者も「このゲームには負けた」といわれるくらい。もう少し早く世に出ていれば、今も歴史として残る、続編が出ているんじゃないかと思えるくらいのゲームです。
【値上がりの要因】
 発売がファミコン後期なので、販売本数が少なく、さらに知る人ぞ知る名作のため、求める人おり、価格が上がっていると考えられます。

◆『悪魔城ドラキュラ』 
中古価格/【当時】1980円(新品)→【現在】3万円
 スタンダードなアクションゲームです。『悪魔城ドラキュラ』シリーズはその後もいろんな機種で出ているんですけど、1作目に関して言えば操作感が悪く、いろいろ不親切な部分が多かったですね。敵が不気味で怖いっていうのが良かったです。
【値上がりの要因】
 もともと「ディスクシステム」用のソフトとして販売され、ファミコン後期にファミコン用ソフトになって発売されたので、販売本数が少ないです。あと、『ドラキュラ』って海外で人気なので海外に流出し、国内流通が少なくなっていると考えられます。

◆『高橋名人の冒険島IV」 
中古価格/【当時】1980円(新品で)→【現在】3万円
 「高橋名人の冒険島」シリーズは、IとかIIに比べるとIVは圧倒的に本数が少ないんです。ファミコンソフト一番最後の1本なので。ゲームとしては、I、IIがすごく難しいのに、III、IVは簡単になっている。面白いと思うんですけど、シリーズとしてブレがある作品です。
【値上がりの要因】
 ファミコン後期による本数の少なさで、需要が供給を上回っている状態のため。

◆『バトルフォーミュラ』
中古価格/【当時】2000円(新品で)→【現在】5万円
 カーアクションゲーム。『ギミック!』ほどではないけど、全体的に完成度が高く、音楽もよかった、名作と言われる作品です。ゲームの難易度が高めで、「クリアするまで終わらない」みたいな企画でやっているソフトですね。
【値上がりの要因】
 『ゲームセンターCX』でフィーチャーされたことが要因だと思います。

◆『ロックマン』 
中古価格/【当時】2000~3000円→【現在】2万円
 ロックマンは名作。これはスーパーマリオにも言えることなんですけど、2作ともすごくよくできていて、プレイヤーの思うように動くんです。ロックマンは、マリオよりもより複雑に思うように動ける。開発チームがすごい優秀だったんだと思います。
【値上がりの要因】
 実はソフトだけだと今も4000円くらいなんですが、値上がりの秘密は説明書。ページ仕立てではなく、大きな地図のように1枚を折りたたんでいく形。ユーザーは小学生ですから、当然雑に扱って切れたり、落書きがあったり、きれいなものが圧倒的に少ないというのが要因ですね。

◆『パックマン』(再販版)
中古価格/【当時】980円→【現在】1万円
 発売当初って、ソフトのサイズギリギリの紙のパッケージだったんですけど、それが頑丈なハードケースに入れて再販されたんです。ハードケースが余っていただけなのか…理由はわかりません。なぜか廉価版ではなく、ケースがグレードアップするという謎…。
【値上がりの要因】
 ファミコン初期大ヒットタイトルなので、再販版の販売数が少ないため流通数が少ない。

◆『囲碁指南 94』 
中古価格/【当時】1980円→【現在】2万円
 囲碁ユーザーという限られた人をターゲットにしているのに、プレイヤーが対戦できない囲碁のゲームです。いくつかある「棋譜」をただただ見るだけ。持っていますが、やったことはないです(笑)
【値上がりの要因】
 そもそもターゲットが狭すぎますよね。それゆえの圧倒的な流通量の少なさ。


 今回、特に価格が上がっているファミコンソフトを紹介したが、フジタも価格が上がることを喜ぶのではなく、ゲームとして楽しんでほしいと願っている。昔を懐かしんで、久しぶりにプレイしてみては?