独特の存在感と色気を放ち、出演作が常に話題作となる俳優・長谷川博己。今年は、NHKの大河ドラマ『麒麟がくる』(19日スタート、毎週日曜 後8:00 総合ほか※初回は75分拡大版)で主人公・明智光秀を演じる。

【麒麟がくる】主なキャラクタービジュアルまとめ

 連続テレビ小説『まんぷく』(2018年)でヒロインの夫・立花萬平を演じ、昨年2月末に撮了した後、同6月から『麒麟がくる』の撮影に入った。それからちょうど半年経った頃、何か変わったことは?と聞くと、「早起きになりました」と即答した。

 「僕も40歳を超えたからなのか。それも、4時、5時にパッと目が覚めるんです。早起きの習慣がついたというか、早すぎですよね。あまり朝は強い方ではなかったというか、苦手だったので自分でも不思議。なんか興奮するんですよね。戦国時代の人みたい。武将らしくなっているのかな(笑)」

 茶目っ気たっぷりに語り、笑わせた。「本能寺の変」で主君・織田信長に謀叛(むほん)を起こした戦国武将として知らえる光秀だが、本作では最新の研究成果もまじえて、謎に包まれている前半生から「新しい光秀像」を浮き彫りにしていく、としている。

 「明智に関してはいろんな説があって、いろんな資料や本を読んだんですが、調べれば調べるほどわからなくなっていく。賛否両論出ると思いますが、池端俊策先生が書かれる台本の中での光秀を演じていこう、と。池端先生も本能寺の変を起こした光秀から逆算して考えないでほしい、とおっしゃっていた。子どもの頃からものすごく聡明で、家族や美濃という国を守りたいと思っている一人の青年として物語ははじまります。

 そして、斎藤道三や帰蝶の無茶を黙ってきく。『…』がものすごく多いんですね。それをどう演じるか。わかりやすくしてはいけない気がするし、そもそも正解はない。どう演じたらいいか、壁にぶつかっていた時に池端先生から、光秀も五分五分だったんじゃないか、その場で瞬発的に決めている可能性もある、と。その結果、矛盾が生じることもある。それがすごく人間くさくて面白いと思った。僕も現場で瞬発力を大事にして、道三役の本木雅弘さんの姿を見て、本番で表現を変えることもあります。そうやって『麒麟がくる』という作品の中での光秀像を作っていっています」

 新しい光秀像で「今の時代に通じるものを築いていけたら。今の日本に光秀のようなヒーローがいてくれたらいいな、そう思ってもらえたらいいな、と思いますし、そういう思いで演じています」と、意気込む。

 大河ドラマは『八重の桜』(13年)以来、2作目。今回は主演ということで、サッカーに例えるなら全体の状況を見渡し、瞬時に判断しながらパスを回す「司令塔』の役割が求められる。

 「正直言うと、自分の役に入り込みたいというか、それ以外のことはあんまり考えたくないタイプ。座長らしいことはできていない気もするんですが(笑)。全体をちゃんと見通して、ボールを円滑に回していけるようにやっていきたい。ただ、主役という立場から観る(大河ドラマの)景色というのは、なかなか気分がいいですね。これほど役者冥利に尽きることはない。大変で、疲れすぎて、もうイヤだっ、となる時もありますが(笑)、次の日早起きして、広大なオープンセットで朝日を見ながら撮影していると、なんて素晴らしい経験をさせていただいているんだと、幸せを感じています」

■第一回「光秀、西へ」(1月19日 後8:00~9:14 総合)

 領地を荒らす野盗を撃退した際、明智光秀(長谷川博己)は、その頭領が持っていた「鉄砲」という見たことのない武器に興味を持つ。美濃守護代・斎藤氏の名跡を継ぐ斎藤道三(本木雅弘)に掛け合い、ある約束と引き換えに、鉄砲がどういうものか探る旅に出る。堺ではひょんなことから三好長慶の家臣・松永久秀(吉田鋼太郎)に気に入られる。次に向かった京では、名医と名高い望月東庵(堺正章)と出会うが、大のばくち好きで、本当に名医なのかヤブ医者なのかわからない。そんな中、大名同士の抗争が始まり、町は大火事になる。