Netflixオリジナルシリーズ『Giri / Haji』の独占配信が、きょう10日よりスタートした。英国ドラマシリーズでありながら、日本から窪塚洋介、平岳大、本木雅弘らがメインキャストとして出演している注目作。中でも本木は、これまで演じてきたどの役とも異なる、ヤクザの組長・福原を熱演しており、端正な顔立ちであるがゆえに、底知れない怖さがいっそうを際立ち、迫力満点だ。

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 同作は、東京とロンドン、2つの都市をまたいで起きた殺人事件が、裏社会の重大な権力抗争へと波及していく様を描く。事件の鍵を握る、日本人の兄弟、兄であり刑事の健三を平、行方不明になる弟・勇人を窪塚が演じる。

 本木が演じる福原は、常に無表情で笑顔を見せることはなく、声を荒げることもない落ち着いた人物。しかし言葉の中でサラッと物騒なことを言ってのける恐ろしい一面も持っており、主人公の刑事、健三に対して行方不明の弟を探すよう静かな脅しをかけるシーンでは独特のすごみをきかせる。

 いわゆるヤクザらしい男のように見えるが、その内面は既存のヤクザ像とは大きく異なっている、と本木は言う。「福原は、非常に葛藤を抱えた人格を持つ人間です。伝統的なヤクザの親分は、ヤクザの仁義と美学に従って生きていると思いますが、福原はそこから少し距離を置いています。組織の親分としての立場を超えて、脆(もろ)さだったり、心が揺れ動いたりする人間的な側面を垣間見ることができます。権力者の型にはまらないヤクザの親分は、かなり新しいと思います」。

 非常に複雑な内面を持ち合わせているからこそ、共感もできるキャラクターのようだ。「ヤクザを別の世界の生き物ではなく、現実に苦しむ人間として、皆さんが新たに理解する一助になるかもしれません」と、語っている。

 本木といえば、日本アカデミー賞の最優秀賞を3回――『シコふんじゃった。』(1992年)と『おくりびと』(2008年)で最優秀主演男優賞、『日本のいちばん長い日』(15年)で最優秀助演男優賞を受賞しており、日本屈指の演技派として知られる。今年はNHKの大河ドラマ『麒麟がくる』の斎藤道三役も期待されている。

 製作総指揮のジュリアン・ファリノは「福原役のために本木さんは入念に準備してからきてくれました。それだけでなく、数多くのとても興味深い質問もしてくれましたよ」と語り、役への探求に余念がなかったことを明かす。本木がさらなる高みを目指して挑んだ本作の福原の姿は必見。そして、タイトルにもなっている“義理”と“恥”とは何か。義理や恥といった日本特有の概念――現代ではそれも忘れられつつあるといわれる――が、どのように描かれているのか。日本人であっても世代によって異なる受け取り方をしそうな、興味深い作品となっている。