12月28日から4日間、東京ビッグサイトで開催中の『コミックマーケット97』。初日はのべ19万人が来場し、大盛況の幕開けとなった。目当ての同人誌やグッズを目指して多くの人々が殺到するだけに、毎回問題になるのがルールを無視した“徹夜組”の存在だ。運営サイドも様々な対策を行っているが、改善までに至ってはいない様子。来場者の声から、問題点と対策を考える。

 コミケは午前10時に開場するが、その何時間も前から並ぶ参加者は大勢おり、整然とした“待機列”がよく話題に上る。だが、毎回問題になるのが、前日夜から並び始める“徹夜組”だ。コミケ準備会は、事前に発売されるコミケカタログでも徹夜を禁止しているほか、公式ツイッターでも「コミックマーケットでは深夜来場は認めておりません。絶対に深夜来場をしないようにお願いします」と注意喚起。

 にもかかわらず徹夜で並ぶ参加者はあとを絶たず、今回もSNSでは「企業ブースの徹夜組、5,000人くらいいるようだ」との目撃談も。近隣への迷惑や防犯上の問題があることはもちろん、ルールを逸脱しているにもかかわらず、「始発で到着した参加者の列に割り込み、先に入場しているのでは?」と、問題視されていた。今回、運営スタッフが始発組を駅から入場口近くに誘導し、徹夜組は離れた場所に待機させていた…という動きもあったようだが、効果のほどは定かではない。

 SNSなどでは、「ルールを守らない徹夜組にはペナルティを与えるべき」という意見もあるが、実際には難しい問題だ。「ペナルティはあってほしいけれど、徹夜組の待機列を禁止したら“列を作らずに周囲を徘徊する”、“徹夜組が分散して運営がコントロールできなくなる”といった問題が起きるのでは?」と心配するのは、来場者のさもふさん(会社員)。

 同じく洲さん(学生)も、「ペナルティは難しい」と考える一人だ。「徹夜組の中には転売屋などもいて、コミケ愛のない人たちもいる。仮にペナルティを課したとして、現場で揉めごとや暴動が起きたら、コミケ中止という事態も考えられる」と懸念を表す。

 「参加者のほとんどはコミケ愛があって、コミケ文化のバトンを繋いでいきたい、存続させるために問題を起こしてはいけない、という認識がある」と代弁するのは、うどんげさん(フリーター)。「徹夜組が揉め事を起こさないようにコントロールするという、運営のジレンマもあるのではないか」と、運営側の苦労もおもんぱかった。

 40年以上もの長きにわたって続いてきたコミケは、これまで全参加者の自治の元、文化を育て、守ってきた。だが、大規模になり注目を集めるようになった分だけ、自浄作用を働かせるのは難しくなる。徹夜組などの問題行動を起こす来場者をどう扱っていくべきか、今後の対応に注目していきたい。