世界最大規模の同人誌即売会『コミックマーケット97(以下、C97)』が28日より東京ビッグサイトで開幕した。C97は冬コミ初の4日間開催。今回も初日の来場者数は約19万人を記録し、“冬コミ”の初日としては歴代最多の来場者数となった。そんな中、「コミケの避難所」なるものが登場し、話題となっている。主催者の綱嶋さんに反響を聞いた。

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■コミケの乗換駅ながら「100万人がスルーする駅」と揶揄された過去

 「コミケの避難所」がある現場は大崎駅。りんかい線とJR山手線、埼京線、湘南新宿ラインが走る駅だ。今年12月からは相鉄線の乗り入れも開始された。コミケ会場である東京ビッグサイトへ向かうため、期間中のべ100万人が大崎を経由しているという。JR線からりんかい線への乗り換える客が多く見られる一方で、大崎駅に降りる客が極めて少ないことからSNSでは「100万人がスルーする駅」と揶揄されていた。

 そんな汚名返上のために、大崎駅が奮起した。「大崎コミックシェルター」という名前のもと、駅前にテントを設置。コミケ戦士たちの休憩所として、JR大崎駅南口を開放し、「戦利品(コミケで購入したグッズ)提示」でビールを無料配布したり、温かいおしるこを提供している。オタク大歓迎という大盤振る舞いからネットでは「大崎狂ってる!」と歓喜の声に変わってきた。

■「悲壮なおじさんが頑張ってる」 オタクの声で有名に

 コミックシェルターを始めた時の反響は、「最初はひどいものでした(苦笑)。初回、大崎一番太郎(大崎駅西口商店会のマスコットキャラクター)が面白がってお手製のクーポンを発行したのですが、誰にも見向きもされなかった。そのせいで協力店舗も3店舗から1店舗に減りました」と散々だった。来場者数も、最初の3回目くらいまでは期間中10人~100人程度だった。しかし、4回目頃から参加者が徐々に増えていったという。「前回、夏コミ期間中の参加者はのべ2万人でした」(綱嶋さん)

 同イベントが一躍有名になったターニングポイントとして、SNSでの大きな反響が3回あったという。1回目は、一般客の「悲壮なおじさんが頑張ってる」とつぶやいて数百リツイート。2回目は、公式「コミケの戦利品をチラ見せ(無言でOK)すればおしるこ無料」のつぶやき。3回目は、大崎駅のユニクロ店長が自作ポスターでイベントアピールし1000超えのリツイートを得たこと。「SNSによる反響が大きいです」(綱嶋さん)

■C97タイミングで「サンリオ協賛」を獲得! 地元で更なる認知拡大へ

 大崎駅のキャラクター、大崎一番太郎の声を務める声優の山口勝平さんも「大崎コミックシェルター」会場に顔出しするなど、イベントに関わる名物キャラ(スタッフ)も増えた。ONE PIECE、名探偵コナン、犬夜叉などで活躍する声優の山口勝平さんのほか、「スタッフやイベントが認知されリピーターが増えた結果としてイベントの定着が進みつつあると思います」(綱嶋さん)

 当初、大崎の地元企業には“まったく相手にされなかった”同イベントだが、C97では大崎に本社を構えるサンリオをスポンサーに迎えることができたという。その道のりとしては、「サンリオエクスポにコミックシェルターの委員会メンバーで参加し、SHOW BY ROCK!!の担当者と知り合いました。ブランディングへの意思であったり、地元での社会貢献活動としてのニーズが一致した結果、協賛していただきました」(綱嶋さん)

 C97の初日となった28日は、コミケ帰りの人が集まり、無料ドリンクをもらう人の姿が。ブースとしてはマスコットの大崎一番太郎が大人気で、写真を撮る人で大いに賑わう。マスコットに群がる社会人の男性に聞くと「大崎一番太郎がクセになる可愛さ」と笑みを見せていた。大崎コミックシェルターに毎年参加している40代女性は、「ここ数年で一番盛り上がっていた」と語った。初参加の人も多く、20代男性は「乗り換えのついでに寄ってみた。温かいドリンクが嬉しい」とコミケの疲れを取っていた。

 『コミックマーケット97』(C97)と同様、『大崎コミックシェルター』は12月28日(土)~31日(火)の4日間、大崎駅南改札前と大崎駅周辺エリアにて開催。