12月末に開催された大型イベント『コミックマーケット97』も大盛況となり、同イベントの目玉のひとつ“コスプレ”にクローズアップした情報がメディアを賑わせた年末年始。その興奮は冷めやらず、2020年もこれまで以上に、コスプレを取り巻く環境が注目を浴びることになりそうだ。こちらの記事では、『コミケ97』でも人気を集めていたふたりのコスプレイヤー、かうさんとゆずき綾さんにインタビューを実施。“コスプレに対する取り組み方”について、それぞれの意見を聞かせてもらった。

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■中国語を駆使した“ビジネス”としてのコスプレ活動を模索「好きなことを仕事にして何が悪い!」(かう)

 日本と台湾のハーフであり、活動歴も10年目に突入したかうさん。企業の公式コスプレイヤーを務めるなど、仕事としてもコスプレに関わっているが、それに伴い「お金のためにコスプレをするなんて」と、批判的な意見を耳にする機会もあるという。

 とはいえ本人は、こうした世の中の風潮にも前向きな気持ちで取り組んでいるようで、その胸の内を明かしてくれた。「たしかに、批判的な声を耳にすることもありますが、私はあまり気にしないです。むしろ“自分が好きなことを仕事にして何が悪いんだ”という気持ちの方が強いくらい。でもそこで、文句を言っていても仕方ないですから。作品の魅力を、より多くの方に知っていただくために、そのお手伝いをするのがコスプレイヤーの仕事なんだ…ということを、これからも活動を続けていくなかで、伝えていきたいと思っています」。

 かうさんは、小学4年生から中学3年生までの6年間、台湾で暮らしていたため、今でも中国語は得意とのこと。イベントでは、アジア圏の来場者に対するアテンドを任されることが多く、そうした語学力も彼女ならではの強みと言えそうだ。2020年には、東京五輪が開催され、大勢の外国人旅行者が日本を訪れることが予想される。海外へコスプレの魅力を伝える活動への興味を聞いてみると、「ものすごく興味があります! 今年は海外の方と触れ合える機会が多くなりそうなので、コスプレはもちろん、私自身にも興味を持っていただけるような活動をしないと…と、あれこれ模索中です。今でもライブ配信で、海外の方とやり取りをすることがあるんですけど、今後はより本格的に、海外向けの配信に挑戦するのもいいですね」。

■自信の活動よりも衣装制作で大忙し「コスプレ初心者をサポートするお仕事もしてみたいです」(ゆずき綾)

 一方のゆずき綾さんは、地元・青森でコスプレ活動を始めた後、就職のタイミングで上京してきた、地方出身のコスプレイヤー。東京では、システムエンジニアとして数年働いたものの、ひたすら仕事に追われる日々に疑問を感じ転職を決意。そんなタイミングで参加したイベントでクオリティの高いコスプレが企業の目にとまり、公式コスプレイヤーの仕事を依頼されるようになったという。

 最近では、コンパニオンや公式レイヤーとしてイベントに出演するだけでなく、衣装制作の依頼を受けることも増えてきたそうだ。「コンパニオンとして関わらせていただいた、ゲームメーカーさんからお話をいただいたのがきっかけです。“衣装制作も一括して任せられるレイヤーを探している”ということで、お引き受けして。そのとき作成した衣装の評判が良くて、そこからだんだんと、他社様からもお声がけいただけるようになりました」。

 大型イベントの際には、2、3着の制作をまとめて依頼されたり、複数の企業から一斉に連絡が来ることもあるようで、ゆずきさん自身も、コスプレ衣装の制作にはやり甲斐を感じているそう。「せっかくこうして、衣装制作を任せていただけるようになってきたので、衣装屋として本格的に業務を展開することも検討しています。それと、昨今の盛り上がりを受けて、これからますますコスプレに興味を持つ人が増えてくると思うので、そうした初心者の方たちに衣装の作り方やウィッグカット、メイクのノウハウなどを教えてあげる、お手伝いのような仕事もできたら楽しそうですね」と話してくれた。


取材・文=ソムタム田井