NHKで放送中の大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~』(毎週日曜 後8:00 総合ほか)。11月3日放送の第41回より、昭和39年(1964年)10月10日に開会式を迎えるまでの“裏側”をあぶり出してきたが、きょう12月1日に放送される第45回「火の鳥」を含めて残り3回。東京オリンピックで“東洋の魔女”と呼ばれることになる女子バレーボール日本代表チームの主将の河西昌枝(かさい・まさえ)を演じる安藤サクラに、撮影の“裏側”を聞いた。

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 安藤にはバレーボールの経験がなく、「少し不安もありましたが、脚本を拝見すると出演シーンも多くはなかったので、『これならお受けできるかも』と決断しました」と、明かす。

 しかし、撮影に向けたバレーボールの練習は1日2時間程度で10日間ほどしかなかったという。「私のようなバレーボール初心者が、オリンピックに出場する日本代表選手のように見えるようになるためには短すぎる時間だったかもしれません」と吐露。

 それでも、練習や撮影時には、日本代表でプレーした斎藤真由美やアメリカ代表としてバルセロナ五輪銅メダルを獲得したヨーコ・ゼッターランドが実技指導にあたり、「本当に感謝しています。撮影のためとはいえ、一流の方にご指導いただけるなんて光栄でした。大河ドラマならではのぜいたくな経験だったと思います」。

 回転レシーブにも果敢にチャレンジした安藤。「できないなりに、形にするのは簡単ではありませんでした。私のような“シロウト”が東洋の魔女の回転レシーブをすると、全身に見たことのないようなアザができる、ということだけは皆さんにお伝えしておきたいです」と、役者魂をのぞかせた。

 バレーボールの実演以外に、撮影で気を配っていたのが“おしゃれ”だった。

 「河西選手はいつも爪に透明マニキュアを塗っていらしたと伺い、バレーボール一色の生活の中にも女性らしさを大切にされていたエピソードだなと、とても心に残りました。それから写真を拝見したら、河西選手は印象的なパーマをかけていらして、大変おしゃれな方だとも感じたんです。ですから私も演じる際は髪型や爪など、細かいところもちゃんとしたい、と思いました」。

 今年、ラグビーワールドカップで初のベスト8に進出した日本代表選手がインタビューなどで「犠牲」という言葉を使っていたことを覚えている人も多いだろう。“東洋の魔女”たちも同じだ。

 「大松博文監督も河西さんをはじめとする選手たちも太平洋戦争を経験して東京五輪に臨んだ世代。あの時代を生き抜いた人たちだからこそ出せるエネルギーというのはあると思いますし、私もその時代の人たちが持っていた熱量に少しでも近づけるよう、その思いに応えられるように、気持ちを持っていきたいと考えて演じていました」。

 最後に視聴者へメッセージを送る。「監督(演出)から、東洋の魔女のバレーボールパートは『いだてん』で描いてきた女子スポーツの集大成的な意味も担っていると伺い、とても重要な役目だと感じていました。演じられて本当にありがたいですし、こうした形で参加できることはすごくぜいたくなことだと改めて思いました。役者としてまた貴重な経験をさせていただいたと思っています。皆さんにも楽しんでご覧いただけたらうれしいです」。