「一寸先はハプニング」。アントニオ猪木の名言を思い返すような復活劇だった。お笑いコンビ・アンタッチャブルが、29日放送のフジテレビ系バラエティー番組『全力!脱力タイムズ』(毎週金曜 後11:00)で“電撃復活”。柴田英嗣(44)が2010年2月から約1年間にわたって休養に入って以来、コンビでの活動は行われていなかったが、番組終盤に相方・山崎弘也(43)がサプライズで登場し、約10年ぶりに漫才を披露した。センターマイクで絶妙なかけあいをする2人の真後ろで、うれしそうな笑顔を浮かべていたのが、同番組のMCにして“総合演出”も務めている、くりぃむしちゅー・有田哲平(48)だった。

【写真】コンビ復活!アンタ柴田のツッコミがさく裂した『全力!脱力タイムズ』

■番組ファンが色めき立った通常運転の中の“変化” 柴田がジャケットを脱ぎ捨てた瞬間に時計が動いた

 今回の共演が実現した舞台となった同番組は、メインMCのアリタ哲平(有田)を筆頭に、同局の小澤陽子アナウンサー、全力解説員、ゲストコメンテーターが“報道番組”という枠組みを使って見せるドタバタ劇が持ち味。この日の放送も、事前に大々的な告知がされることなく、柴田と女優の新木優子をゲストに迎えて、いつも通りに番組がスタート。しかしながら、番組ファンたちは、次回予告の放映タイミングが通常よりも早かったこと、滝沢カレンの独特のワードセンスが光るVTR企画「THE美食遺産」がなかったことなどから「何かが起こるのではないか…」と色めき立っていた。

 そんな期待がふくらんでいくなか、エンディングパートへと突入。新木が「アンタッチャブルさんが好きなんですけど、最近漫才を見る機会が少なくなってしまって残念だなと」とオーダーすると、俳優の小手伸也が山崎に扮して登場した。柴田が驚きながらも2人で漫才することになったが、ネタの途中で小手が「ちょっとネタが飛んじゃって」と急にダンマリ。しびれを切らしたアリタが、小手を半ば強制的に退場させて仕切り直しすることに。

 アリタに手を引かれながら戻ってきたのは、小手ではなく本物の山崎。まさかの展開に、柴田は「バカだめだって、お前。違うってマジで? いやいや、おいおいおい、ちょっと待てよ、これ本当に。おいおいおい、そんな出方あるか!?」とその場に倒れ込んで大興奮。「この番組でやるの?」と戸惑いながらも「おっしゃー」と気合いを入れた柴田はジャケットを脱ぎ捨て、2人でセンターマイクの前に立った。

 山崎が「いやーありがたいですね」と切り出しながら「加藤さん」とファンキー加藤の名前で軽くイジりながら10年ぶりの漫才がスタート。絶叫しながらボケ倒していく山崎に対して、柴田は床に膝をつけて「猪木イズム…お前、アドリブが過ぎるな、本当に!」とツッコミを入れながらもうれしそうな笑顔に。“全力”で漫才をやり終えると、柴田は「今後はどうなるんですか? 人力舎ー! 山崎が出てきているぞ」と絶叫。山崎は「ネタ番組として最高の…」とのらりくらりと語ると、柴田が「いやいや、これはクイズ番組だから」とツッコミを入れ、アリタも「報道番組ですから」と“訂正”を入れるなど、和気あいあいな雰囲気で10年ぶりの共演を終えた。

■有田がインタビューで語っていた『脱力』の“真骨頂” 今回の復活劇につながるプロレス愛

 衝撃の復活に、ネット上でも「まさかの2人の漫才。泣きそう」「やっとコンビに戻れたな」など、歓喜の声が続々。復帰の舞台が『脱力タイムズ』だったという点についても「脱力タイムズでよかった」「告知なしで復活、最高!」「ずっとハラハラだった」など、好意的な意見が相次いで寄せられた。ここで、昨年6月にORICON NEWSのインタビューで、同番組のスタンスについて有田が語っていたことを改めて振り返りたい。

 「僕としては、ゲストのツッコミ役の芸人さんは視聴者のメッセンジャー的な存在だと思っているんです。いつも見てくれている視聴者の中には『たぶん、この後はこうくるだろうな』っという見方の人がいて、それと同じように何度も出ている芸人さんも『あっ、このパターンか』という風になっていくと、我々としては刺激がないわけです(笑)。もっと『えー!』っていうような、『そっちにいくんだ』という風にゲストの芸人さんに思ってもらえたら、視聴者のみなさんも同じ反応になると考えていて。だから、番組が“進化”してきたというよりも“裏切り行為”という言葉の方がしっくりきますね(笑)」

 まさに、これこそ冒頭にあげた「一寸先はハプニング」の“猪木イズム”。奇しくも、有田の熱い“プロレス愛”がほとばしるAmazon Prime Videoのプロレストークバラエティー『有田と週刊プロレスと』ファイナルシーズン(※毎週水曜更新)で、27日に配信されたテーマが「アントニオ猪木のレスラー人生」。有田が新日本プロレスの旗揚げまでを振り返った上で、そこで示された人生の教訓は「歴史があって今がある。今の積み重ねが未来となる」だった。有田を含めたスタッフ陣の“裏切り”演出が、見事にハマった今回の放送。元日にもスペシャルが放送されるなど、『脱力タイムズ』はまだまだ視聴者の心を揺さぶってくれそうだ。