昨年9月15日に亡くなった女優・樹木希林さんの名言集『一切なりゆき 樹木希林のことば』(文藝春秋/2018年12月20日発売)が、期間内(※)に123.6万部を売り上げ、「オリコン年間“本”ランキング」の総合部門にあたる「年間BOOKランキング 2019」1位に輝いた。新書作品による年間1位は、08年の集計開始以来、史上初。また、年間の累積売上としては、歴代TOP10入りとなる9位にランクインした。

【誌面より】グッとくる…希林さん名言「壁なんかない」

なお今年度は、多くの樹木さん関連書籍が発売され、好セールスを記録。なかでも『樹木希林 120の遺言 死ぬときぐらい好きにさせてよ』(宝島社/1月28日発売)は、期間内売上44.4万部(年間4位)を記録し、樹木さん作品が合わせて2作同時TOP5入りを果たした。

◆ジャンル別「新書」では、33週連続で1位を獲得

 本作は、1985年から昨年までに発⾏された雑誌インタビューや対談記事から、樹木さんの154の名⾔を厳選。「人間でも⼀回、ダメになった人が好き」、「欲や執着があると、それが弱みになって、人がつけこみやすくなる」など、わかりやすくてユーモアがあり、深い説得⼒を持つ樹木さんの⾔葉の数々が収録されている。このほか、樹木さんの⼦どもの頃の思い出や、故・夫の内⽥裕也さんとのエピソード、出演映画の裏話、娘の也哉⼦さんによる喪主代理あいさつなども掲載されている。

「2019年上半期ランキング」では、期間内売上90.0万部を記録し1位を獲得。「週間BOOKランキング」でも、19年1/21付で初の1位になって以降、常に上位にランクインし、7/8付で今年度初となる累積売上100万部を突破。7/29付までで31週連続のTOP10入りを記録し、一周忌となる9月にかけて再びTOP10入りしてセールスを伸ばした。また、ジャンル別「新書」では、初登場の18年12/31付~19年8/12付まで33週連続の1位となり、「連続1位獲得週数」では歴代1位を記録した。


◆担当編集語る希林さんの言葉の魅力「フッと肩の力を抜いてくれたり、励ましてくれたりする」

 担当編集・石橋俊澄氏は、本作が多くの人に支持された要因について、「樹木希林さんという存在が唯一無二だったからでしょうね。それは女優として存在感があったというだけではなく、彼女が人間として人間らしく生きたということでしょう。そして、何よりも心に沁みるような言葉をたくさん遺したからだと思います」と分析。「誰しもその人生はそう平坦ではありません。いろんな辛いこともあるのですが、そんなときに、希林さんの言葉は、フッと肩の力を抜いてくれたり、励ましてくれたりする。『人生なりゆきでいいのよね』と前向きになれる」(石橋さん)と、その言葉の魅力について語る。

 読者からは、さまざまな感想や意見が寄せられているといい、「樹木さんと同じがんに罹患して、治療中のベッドの上から書いてこられた手紙にはぐっと来ました。ほかにも、病気の方や人生がうまくいっていない多くの方々から手紙を頂戴しました。こんなにも多くの人たちの心に届いたことを嬉しく思います」と石橋さん。

「バッグに入れて何度も読み返している、何年かおきに読み返すと心に刺さる部分が違ってくると思う――。そんな感想を何度も耳にしました。それだけ、樹木さんの言葉は味わい深く、また含蓄に富んでいて、人生の真理にも迫ってもいるのだと思います。枕頭の書という言葉がありますが、それに相応しいのがこの本です。おこがましいのですが、ぜひ人生の伴走の書として読み続けられることを願います」(石橋さん)と話している。

※集計期間:2018年12/3付~2019年11/25付(実質集計期間は、18年11月19日~19年11月17日)