タレントの草なぎ剛(45)が27日と28日の2日間にわたって、東京・昭和女子大学の人見記念講堂で『草なぎ剛のはっぴょう会』を開催。初ソロライブにして、自身が書きためてきた楽曲、約7年間練習を続けてきたギターを披露する場に、27日は奥田民生とTRICERATOPSの和田唱、28日は斉藤和義、ORIGINAL LOVEの田島貴男という豪華なゲストが駆けつけ、両日で約4000人の観客をわかせた。

【ライブ写真】『草なぎ剛のはっぴょう会』公演の様子

 初日、草なぎは2人のバンドメンバーとともに「はっぴょうかいのテーマ」からスタート。「めちゃくちゃ走っちゃったね」と反省しながら、うしろに並んだヴィンテージのバイクやジャケットについて「このセット、全部僕の私物です。美術費ゼロなんですけど、搬入から手伝わないといけなくて」と満面の笑みを浮かべた。その後も自身の楽曲を披露しながら「ギター始めて7年くらい、これは僕が初めてギターを練習した曲です」と井上陽水の「夢の中へ」をカバーした。

 軽快なMCを交えながら、一気に8曲を歌った草なぎは「1曲やるって疲れるね」と本音をポツリ。「さぁーここからが本番ですよ」とMCモードに切り替え、和田を呼び込むと「きょうは来てくれて本当にありがとう!」と感謝の思いを伝えた。和田のパートで、草なぎは一旦ステージ袖に下がる予定となっていたが「ちょうど、ここなら邪魔にならないから、ここで聴いてもいい?」とステージ後方に設けられたイスを指差しながら提案すると、会場から割れんばかりの拍手が送られた。

 草なぎが「唱さんは僕の師匠です。ワダソン」と尊敬のまなざしを向けると、和田も「ステキなニックネーム、うれしいです」とにっこり。コールアンドレスポンスを交えながら、会場のボルテージを上げていった和田は、最後に草なぎと一緒に歌唱。このコラボで草なぎは人生初のギターソロに挑戦し、ファンからも声援が送られた。会場の熱気が冷めやらぬ中、続いて登場した奥田は「呼んで、選んでいただきありがとうございます」と感謝。「弾き語りみたいなの本当に初? もう45(歳)だろ(笑)。おっそ」と愛あるイジりを見せると、草なぎも「ジャンルが違ったもので」と笑いながら応じるなど、和やかな雰囲気で始まった。

 歌う曲をその場で決めるという奥田に、草なぎは「すごいロックですね」と感激しながら、ギターに関することを質問攻め。そこから、圧巻のパフォーマンスを見せた奥田に「最高でした。奥田民生さんの魂が…好きです」と賛辞を送った。「ギターを始めてから見る世界が変わってきました。民生さん、唱さん、僕の中ではレジェンドのギター弾き。夢の中にいるようで、いやー楽しかった」と喜びをかみしめながら、最後は3人で「さすらい」を歌唱。「人は流れ流れてたどり着くところがあって…この歌の歌詞を自分と重ね合わせて、どんな時でもグッときます。すごい方たちに挟まれて僕は幸せです」と締めくくった。

 初日を終えた草なぎは「いやーなんか、終わったなーみたいな。でも、またあしたあるんだな、みたいな。すごい楽しかったですね。緊張を超えたら、人間ってこんなに楽しくなるんだなって。もちろん、ドキドキしていたんですけど、お客さんも温かくて、世の中で一番整った環境でギターを弾かせてもらっている」としみじみ。「全部失敗していましたね(笑)。よくわからなかったですね。手拍子を会場の方がするのが初めてだったので、それでズレちゃって。会場の方も気を使っちゃって、私たちが手拍子すると、剛くん下手になっちゃうのねって感じで(苦笑)。だから、リズムがすごく難しくて。ドキドキしていると速くなっちゃうし。でも、そこがすごく楽しかった。ギターって、自分の鼓動とか、気分とかが出るんだなって。またあしたちょっと頑張ります」と翌日への課題を口にした。

 和田とのコラボでの“ギターソロ”については「あれは全部、唱くんに教わったフレーズで。わざわざ僕のために考えてくれた。家だとできるんだけど、変に力入っちゃって。あれは0点でしたね。最後助けてって言ってしまって…。『ヘルプミー』ですからね(笑)。『ヘルプミーギターソロ』っていう感じで、そういう曲を今度書いてみようかな」と自虐を交えながら回顧。「練習してもできないんだもん(笑)。それもなんでほかの人ができるのかなって。くやしいってなるわけよ(笑)。オレだって練習しているのに、なんでできないのって、不思議だって思うわけ。だから、すごいくやしいって思っているのと、ちょっとできた時は、楽しいみたいな。ツンデレみたいなものですかね」とギターの奥深さを語った。

 そんなギターに出会ったきっかけは「本当に、何かいろんなきっかけがあるんですけど、大杉漣さんと舞台をやった時に教えてくれたり。小澤征悦さんもギターが好きで、2人が楽屋でセッションしていて、聞こえてくるんですよ。めちゃくちゃかっこいいな、今から舞台やるのに何でギターみたいな(笑)。それで『ちょっと待ってオレもやりたい』ってなりましたね」とコメント。「そこから、斉藤和義さんのライブに漣さんが連れて行ってくれて、そこで初めて人が生で弾き語りをやっているライブを見て、すごい感動して、僕もなんかできないけど、何かやりたいみたいに思ったんですね。それできょうやってみたんですけど、1曲も成功したのがなかったんです。だけど、それは僕の中で新しい音楽。客席の方に手拍子でリズムがズレちゃったとしても、それが僕の音楽なんだなって思った」と課題と手応えの初日を終えた。

 そして迎えた2日目。最初に自身が楽曲を披露する場面では、前日に和田がコールアンドレスポンスの練習を行っていた手法を取り入れ、観客とさらに一体感を作ることに成功。その後、田島を呼び込むと熱いハグをかわし「田島さん、大好きです(笑)。田島さんがリハーサルで『リズムは一生かけてつかむものなんだよ』っておっしゃっていて、すごい感動しました」と思いを伝えた。初日同様、ステージ中央の後方にあるイスにちょこんと座った草なぎは、田島が熱のこもったパフォーマンスを間近で堪能すると「めちゃくちゃかっこよかった。リズムの意味がわかりました。タンバリンとかの音も足でやって、全部ひとりでやっているんですよ。音を全部自分で作っている。聖徳太子です」と絶賛した。

 続けて登場した斉藤にも「人の弾き語りを初めて見たのが和義さんでした。人がギターを弾くエネルギーに感銘を受けて、ここまできました」と感激しきり。「いやー最高ですね。自分の部屋にいる気分でした。僕が一番楽しんじゃって、こんなぜいたくなところで弾けるなんてない。日本一幸せな環境でした。きのうからずっと夢の中にいるようで、レジェンドに挟まれた2日間、本当にありがとうございます。これから本当に練習して、少しでもいい音楽を届けられるように頑張ります」と2日間のライブを終えた。

 ライブ直後、草なぎは「思いを伝えて、作品として曲を作って、会場に来てくれた方が気持ちが動いてくれたりとか、それのメロディーと歌詞とか。音楽っていうことなのかなっていうか。今までも音楽触れてきて、コンサートをやってきた。自分の中では新しい音楽の世界に飛び込んだかなというのがあります」と告白。「7年経っても、F(コード)が押さえられないんですよ(笑)。きのう本当に押さえられなくて。きょうはそれが課題で、押さえられたから(笑)。ひとつずつ上達している」と茶目っ気たっぷりに明かした。

 私物で埋め尽くされた豪華な舞台について「2億です(笑)。買ったときの値段だとそうだから。本物のヴィンテージしかおいてないので。僕の人生が詰まっているのかな(笑)。毎回みなさん楽しんでいただけるように。細部にわたって、舞台は作り物がない。唯一、偽物があるとすれば僕の歌とギターだけ」と自虐を交えながら力説。「セットを見て、できあがった時にずっと見ていられる。やる前に途方に暮れちゃって。いつか本物のギターを弾けるようになりたいなと。はっぴょう会っていうひらがなのタイトルなんですけど、やっていることは真面目に。こんなステキな環境をいただいたので、これからも続けていきたい」と意気込んだ。

 草なぎ本人の持つ人間性、音楽とギターへの愛情、アーティストへのリスペクト、ギターを弾きながら楽しむ姿勢…「はっぴょう会」という砕けたテーマながら、その奥に隠された草なぎの本気度が伝わってくる2日間のライブとなった。

 『草なぎ剛のはっぴょう会』の模様は、稲垣吾郎、草なぎ、香取慎吾3人によるAbemaTVのレギュラー番組『7.2 新しい別の窓#21』(12月1日、後5:00~)内でも放送する。