2016年の熊本地震からの創造的復興をテーマにしたオール熊本アニメ『なつなぐ!』制作発表会が18日、都内で行われた。同作は来年1月から、首都圏ではとTOKYO MX、熊本県では熊本放送で放送予定となっているが、自治体が制作するアニメで1クール全12話を地上波で放送するのは日本初(※キャラクター・データバンク 2019年9月調べ)となる。

【画像】オール熊本アニメ『なつなぐ!』キービジュアル

 熊本県では、熊本地震発生以降、さまざまな形で復興支援が寄せられていることへの感謝の気持ちを届けるとともに、地震の記憶を風化させず、熊本の魅力を伝えるために「熊本地震からの復興プロモーション」を展開。今回は、監督、アニメプロデューサーなどの主要スタッフ、メインの声優を熊本県出身者で固め、かつ、熊本を舞台にした「オール熊本アニメ」制作プロジェクトを立ち上げた。

 『なつなぐ!』のストーリーは、東京の大学生・欅夏奈(けやきなつな)が、熊本地震で連絡が取れなくなってしまった、まだ見ぬ友人を探すために熊本を訪れ、地元の元気な中学生・いずみをはじめとする、情に厚く個性豊かな人々と出会い、成長していく姿を描くハートフルな内容となっている。

 この日の会見では、監督を『サザエさん』の作画や劇場版『名探偵コナン』の演出を務める本多康之氏、プロデューサーを福留俊氏、脚本をどめし氏、主人公のいずみ役を青山吉能が担当することが発表。タイトルの『なつなぐ!』には「つながりの物語」「変わらない友情を熊本という舞台がつなぐ」「夏という言葉がポジティブなイメージを持ち、復興への真向きなものになる」との願いが込められている。

 青山は「18歳までずっと熊本で育ちまして、自分にとっても切っても切り離せない場所だったので、まさかこんなお話をいただけるとは思ってなくて信じられなかったのですが、ずっと地元のアニメに携わりたいというのが夢だったので、お話を聞いた時に人目を気にせず飛んで跳ねて喜んでいました」とにっこり。「3年前に震災があって、より故郷に対する気持ちが強くなったので、復興というところでどう盛り上げていけるかなと思っています」と言葉に力を込めた。

 作品にかける思いについて「復興という重いテーマではあると思う。個人的な話ですが、16歳の時から声優のお仕事を始めたのですが、最初の2年くらいは熊本から飛行機で通っていて。なんで熊本に生まれたんだろうという葛藤がありました」と告白。「初めて上京してひとりになって、今まであった環境が当たり前じゃないんだってなった時に震災があって。すごく重く重くのしかかってきて、自分の感情や、母や友人から聞く状況は鮮明に思い出されるので、前を向いていくということと当時を忘れてはいけない」と語っていた。