デビュー35周年イヤーを迎えた歌手で女優の中山美穂のニューアルバム『Neuf Neuf』が12月4日に発売される。オリジナル曲収録作品としては、1999年9月リリースの「Adore」以来約20年ぶり。「ずっと音楽活動をやりたかった」という中山が、どういう思いで本作を制作したのか? 話を聞いた。

【動画】忘れらんねえよ・柴田作のアルバムリード曲「君のこと」MV

◆20年間、ずっと音楽をやりたいなと思っていた

――12月4日にアルバム『Neuf Neuf』をリリースされるわけですが、どういう経緯で制作、発売することになったのですか?
【中山】20年間、ずっと音楽をやりたいなという気持ちを持ち続けていて、チャンスがあればと思っていたんですけど、なかなかきっかけがなかったんです。ただ、発売とか全然関係なしに、自分でも曲を作ったり、作ってもらったり、ライブをやるわけではないんですけど、バンドのメンバーを集めてリハーサルをやったりということはやっていたんですね。

 そんなとき、昨年の暮れくらいなんですけど、浜崎貴司さん(FLYING KIDS)の対バン形式のライブに「美穂ちゃんやらない?」って誘われて。「やりたいんだけど、私できるのかな?無理かも」と思いつつ、でもこんなチャンスないと思って、引き受けました。浜ちゃんとは、ドラマ(TBS系『もしも願いが叶うなら』/1994年)で共演させていただいてから長いお付き合いで、私が音楽やりたいというのはすごいわかってくれていました。そのライブをレコード会社の方が見に来てくださってアルバムに…という流れになりました。もちろん、デビュー35周年だからというのもあると思いますけど、ほんと、浜崎さんに感謝です。

◆忘れらんねえよ×中山美穂 妙に合ってますよね?(笑)

――アルバム『Neuf Neuf』は音楽プロデューサーの高田漣さんが全曲アレンジを担当され、新曲のプロデュースも手がけてらっしゃいます。
【中山】高田さんの存在は大きかったですね。これまで同じレコード会社ではあったんですけど、接点がなくて、紹介していただいたんです。高田さんは最初から「シティポップみたいな感じでやりたいんだよね」って言ってくださって。私がイメージしていたものも、どこかしら懐かしさが感じられて、新しいものをやりたかった。実際、高田さんの最新のアルバムを聴いた時、「これだ」って思ったんです。

――イメージは共有しやすかった?
【中山】と言っても、最初から、ガチガチに決めて作り始めたわけではなく、1曲1曲選びつつ、やりながら流れを作っていったという感じです。

――アルバムには新録のセルフカバー曲が4曲収録されていますが、実際に歌われてみて、懐かしさを感じられました?
【中山】それがリカバーというより、まったくの新曲をやっている気分でした。懐かしさとか全然なかったです。本当に新しい曲として捉えていて、「いい曲」みたいな感覚でした。10代のころから割と大人っぽい曲を歌わせてもらっていましたし、今聴いても、今歌っても全然違和感がない。変わらないということなんですかね(笑)

――新曲も4曲収録されており、「君のこと」はロックバンド・忘れらんねえよの柴田隆浩さんの曲です。どういった接点で柴田さんに曲を書いていただくことになったのですか?
【中山】本多劇場で舞台(2016年上演『魔術』)をやっていた時に、開演前、終演後のBGMでずっと「忘れらんねえよ」がかかっていて、聴いているうちに大好きになったんですよ。舞台が終わるころには、全部覚えちゃって、一緒になって歌っているという。私、彼(柴田)を見ているとお母さんみたいな気分になっちゃって、ライブ見てると涙が出るんですよ、「頑張れ、柴田って」(笑)。そんなつながりで、「曲書いてくれる?」ってお願いしたらすぐに書いてくれて。それを聴いた時に感動したんです。そういう温かさみたいなものを今作に入れたかったんです。曲は、「柴田君」って感じの曲なんですけど、妙に合ってますよね?(笑)。意外なんだけどいいマッチングだったと思います。浜崎さんのライブで初めて披露して、今回改めてアレンジしました。

◆来年には誕生日ライブを中野サンプラザで

――これらの曲を含め、アルバム制作全体を振り返っていかがでした?
【中山】アルバムが出来上がったときは、すごく充実感がありましたけど、やっているときは大変でしたね。久しぶりのレコーディングだったし、スタジオの環境も全然違うものになっていたし、知っている感覚と全然違って、楽しいというよりも、戸惑いばかりでした。

 実際、高田さんがOKでも、自分が納得いかないこともありました。気持ちの乗り方とかですかね。リズムとか音程とかジャッジしてくれるからいいんですけど、なんか乗ってないなとか。昔の自分を知っているからだと思うんですよ。昔の自分はバンと出し切ったもので覚えているから、そこに到達したいって思うと焦りがでてきて。もしかしたらできないのかもしれないって。さらっと歌えない自分がもどかしかったし、みんなが許すなら夜中まで歌っていたいって思っていました。ただ、描いていたものとピッタリなもの、これが自分のアルバムじゃなくても聴きたいと思えるものができました。

――アルバム発売以降も、来年3月1日の誕生日には東京・中野サンプラザでライブを開催されます。【中山】実はアルバムを作ったからライブという流れではないんです。バンドメンバーと定期的にリハをやっていたんですけど、そのなかで、「中野サンプラザ建て直しになるみたいだよ」って話が出てきて、「最後にもう1回歌いたい」って言ってたんですよ。それだったら、来年の誕生日にって、聞いてみたらたまたま空いてて。メンバーのほうがモチベーションが上がってます(笑)。アルバムの曲も歌うでしょうけど、お祭りみたいな感じで、お客さんが聴きたい曲をやりたいと思っています。

――音楽活動は今後も続けていかれますか?
【中山】積極的にやれたらいいですね。特にライブはやっていきたいです。こちら(ステージ)からは笑顔が見えるので、それを一度経験してしまうと……続けたくなりますよね。ツアーとかできたらうれしいですね。