『これは経費で落ちません!』(NHK総合)で、主人公の森若沙名子(多部未華子)にめげずにアタックする、営業部の若手エース・山田太陽役を熱演した重岡大毅(ジャニーズWEST)が、『第17回コンフィデスアワード・ドラマ賞』で新人賞を受賞した。お調子者だが優しく笑顔がまぶしい好青年役で役者としての実力を世間に見せつけた。グループ活動とはひと味違う役者としての姿に迫る。

【撮り下ろし写真】トロフィーを手に、笑みを浮かべる重岡大毅

◆いつまでも新人でいたい

――『第17回コンフィデスアワード・ドラマ賞』で新人賞を受賞しました。まずは率直なお気持ちをお聞かせください。
重岡 あまり賞をいただいたことがないので、とても嬉しいです。今までもらった賞といえば、昔、地元のサッカーチームで4~5チームくらい集まったなかの、さらに自分のチームのなかでもらえる「優秀選手賞」みたいなもので、小さいメダルをもらったのが最後でしたから(笑)。それに、基本的にグループで活動しているので、個人でいただけたことも嬉しいです。

――普段、歌やパフォーマンスで活動されていますが、演技が評価されての受賞です。
重岡 演技はすごく好きなので、いろんな人に「重岡が新人賞を取ったんだ」って言ってほしいです。とりあえずは皆に、「俺取ったんやで」って言ってまわります(笑)。家族が喜ぶかな。じいちゃん、ばあちゃんとか。

――新人賞は一度きりですからね。
重岡 そうやん!よかったー新人賞取れて。全然関係のない話ですが、最近、甲子園とか春の高校バレーとか観ていると、俺にはもうない時間なんだなと思っていたんです。いつまでも新人でいたいけどなー(笑)。

――作中では、笑顔がステキな営業部のエース・山田太陽という役を演じました。どんなところが魅力だと感じましたか?
重岡 とにかく“頑張る男”なのかな、と思って演じていました。主人公の森若さんに猛アプローチするんですが、何度シャッターを閉められてもガンガン行くから、こいつヤバいな(笑)と思いましたよ。

――重岡さんご自身は、ガンガン攻めるタイプではない?
重岡 いけて最初の一発くらいでしょうかね。森若(沙名子)さん(多部未華子)のように何度も「ガラガラー」ってシャッターを降ろされるとやっぱり難しくなると思うんですけど…。でも太陽は、決して鈍感だとか馬鹿なわけではなくて、しっかり傷つきながらも頑張っているところに惹かれました。

――ひたむきに頑張る役どころでしたが、ご自身と共通するところはありますか?
重岡 そうですね。あまり見えないかもしれませんが、やっぱり僕も同じくひたむきではあると思いますよ。

◆現場で対応して、とにかくリラックスすることを大事にしている

――主人公を演じた多部未華子さんとの共演はいかがでしたか?
重岡 実はあまり現場で話をする機会がなかったんですが、第一線で活躍されている方ですから、“職人”という感じがありました。ひょうひょうとしていて、現場に来るとさっとOKを出して、小走りで帰っていくイメージでしたね。打ち上げでやっと話したくらいでした。でもそこで多部さんが、(キャスティングの際に)僕を推薦…というか、いいんじゃないかと言ってくださったことを聞いて、とても嬉しかったです。

――現場の雰囲気はいかがでしたか?
重岡 現場はとても大好きでした。明るい作品でしたから、エネルギーがありました。とくに中島悟監督が好きでしたね。昭和の時代はわかりませんが、昭和のええ風が吹いている雰囲気で、ブイブイな感じがすごく伝わってきました(笑)。とてもエネルギー溢れる方で面白かったですね。

――いい雰囲気の現場ですね。
重岡 そうですね。でもあまりおしゃべりしすぎて多部さんにジャマって思われたら嫌やなって、本当はもっとうるさいんですけど、静かにしていました(笑)。

――視聴者からは、ナチュラルな演技に共感する声が多く、審査員も絶賛していました。
重岡 そうなんや!ちょっと…褒められたら、どうしたらいいかわからん(笑)。

――褒められるのは苦手ですか(笑)。ナチュラルな演技ほど難しいと思います。
重岡 あまり意識したことはありませんね。どちらかというと現場で対応して、とにかくリラックスすることを大事にしています。何か縛られるものがあると力が入っちゃって。それが嫌なんですよね。まあそれでも力は入るんですけど、できるだけ深呼吸して。以前、ドラマに出演させて頂いた時、他の共演者の方々に、演技について「普通でいいんだよ」と言っていただいて、気が付きました。それからあまり深く考えないようにしたら、演技を楽しめるようになってきたんです。

◆自分の青春というものを演じてみたい

――今後はどんな役に挑戦してみたいですか?
重岡 明るい役をいただくことが多いんですけど、実は、普段そうでもないから(笑)。社交的でもないし、わりと1人が好きなんです。でも今は、明るいイメージを持ってオファーしてくださるので、いろんな役をやっていきたいと思います。基本的には熱い作品が好きなので、野球とかスポーツものはやりたいですね。若いときからジャニーズでしたから、自分の青春というものを演じてみたいです。

――青春ドラマの熱血先生も似合いそうです。
重岡 やってみたいなー。最近はやっと年相応の役をいただけるようになってきましたが、ギリギリまで学生役ばかりでしたからね(笑)。これまで演じたのも、『溺れるナイフ』や『宇宙を駆けるよだか』など、原作がある作品が多いです。演じる前はいつも原作を読むのですけど、そこのキラキラ感にやられるんですよね。自分にこの役ができるかなって、いつも思います。でもそれが演じるとリアルになっていくわけですから、演技って面白いですよね。

――役者業について、ジャニーズWESTのメンバーからはどんな反応がありますか?
重岡 けっこうみんな観てくれていて、よかったって言ってくれます。『これは経費で~』もそう言ってくれていたし、「知り合いの役者さんが褒めとったで」とか言ってくれるし。気持ちを上げてくれる、いいメンバーです。

――皆さん俳優としても活躍していて、メンバー同士のライバル意識というのはあるのでしょうか。
重岡 昔はあったかな。それこそメンバーに対して「ええなーお仕事決まって。スケジュール真っ白やな、どうしよー」みたいな気持ちはありましたが、今はメンバーもそれぞれ、自分のやりたいことが見えてきて、それをやらせてもらっていますしね。

――重岡さんのやりたいこととは?
重岡 お芝居はもちろん好きなんですが、やっぱりライブが好きですね。ライブで満足がいくものを作ることです。

――ではライブ演出などへの興味はありますか?
重岡 どちらかというとプレイヤー向きかな、と思っています。

――演技でもライブでも、現場で起きたことにどう対応していくか、という感じでしょうか。
重岡 そうですね。あんまり用意しているものよりも、新鮮さのほうを大事にしたいと思っています。演技では、作品にもよりますが、セリフを入れていくだけであえて練習はしません。

――あまり未来を見据えて何かを準備する、というタイプではない?
重岡 こうなってみたいな、じゃあこれをがんばろう、という意識はありますが、その通りにはならないとも思っています。今までの自分もそうしてこなかったから。その瞬間、その現場で楽しむ、という感覚です。

――これからいろんな役を演じられるのも楽しみです。
重岡 どうなるんでしょうね…とりあえずは今が楽しいです。お芝居は他人の人生を歩いている感じがして。とにかくものづくりの現場が好きなので、そこにはずっといたいなって思います。