アイドルグループ・V6としてはもちろん、いまや司会、俳優など、幅広い分野で活躍する井ノ原快彦。ジャニーズ事務所に入所して30年あまり。「合格」と言われないまま、仲間たちと助け合って乗り越え、現在のポジションを築いた。また新たな挑戦を行った井ノ原に、若手時代の思い、40代となった今も続けるアイドルとしての考えも聞いた。

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■「オーディションに受かったかどうかも聞いていないまま、30年以上」

――『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』(11月8日公開)で、初めてアニメ映画のナレーションを担当されました。

【井ノ原快彦】劇場版アニメのナレーションは初めてでしたが、僕自身ナレーションのお仕事はすごく好きなんですよね。だから、今回のオファーを受けたときは、とてもうれしかったです。一生懸命生きているキャラクターたちを邪魔することなく、説明しすぎることなく、ただただ見守るという感じでした。もともとカワイイものが好きですし、貴重な体験をさせていただきました。

――本作では、キャラクターたちの“絆”もひとつのキーワード。井ノ原さんご自身が仲間たちに対して絆を感じることは?

【井ノ原快彦】ありますね。ちょっと昔の話になりますが、僕が入った頃も、ジャニーズってシステマティックではなかったんですよ。僕は、オーディションに受かったかどうかも聞いていないまま、30年以上やっていますから(笑)。合格の通知も来ないまま「再来週、来て」と言われ、行ってみたら「新しい子たち」と呼ばれて…そのとき初めて「受かったのかな?」と思ったくらい。当時そんな状態ですから、“新しい子”である僕らは助け合うしかないじゃないですか。いまだにその頃の仲間とは連絡を取り合っています。

――まさに“仲間”だったんですね。

【井ノ原快彦】幸いなことに、ジャニーズJr.のときに仲良くなった仲間はV6のメンバーにもいますし、TOKIOにもいます。そんな仲間たちから「最近、どう?」なんて聞かれると、なんだか「お前の人生、どうなの?」と問われているような気がして。「まぁまぁ普通だよ」と答えるんですが、そんな会話ができるメンバーがいるのがジャニーズだなと思いますし、不思議と絆を感じますよね。


■アフレコ、司会、コンサート…「どうしたら届くか?」を考えて

――実際のアフレコ現場はいかがでしたか?

【井ノ原快彦】作業的には、少しずつ少しずつ細かく進めていった感じです。僕なんて、ナレーションに関してはほぼ素人みたいなもの。監督がいろいろと指示してくださることがうれしくて、いろんな面を引き出していただきました。

――井ノ原さんはバラエティーや情報番組の司会も多いですが、そういった現場とは一味違いましたか?

【井ノ原快彦】アフレコブースでは後ろからスタッフさんに見られているんですが、バラエティーの収録ではスタッフさんが正面にいます。たまに見ていて欲しくないときもあるんですけど(笑)、集中すれば一緒ですね。結局は、僕らはカメラの向こうで観ている方たちに向けてやっている。この作品もスクリーンの向こうにいるお客さんに向けて作っているので、そういう思いは観ている方たちにもきっと届くんじゃないかなって。

――コンサートとも違いますか?

【井ノ原快彦】気持ちの面では、「どうしたら届くんだろう?」「どうしたら心を動かすことができるんだろう?」と思ってやっているリハーサルに似ていますかね。コンサートでも、舞台監督が「こっちの方が伝わりやすい」など指示を出してくれます。ただ、コンサートの本番は、明らかに違いますね。本番が始まってしまうと、ステージは僕らのものになる。アクシデントがあっても全部対応しなくてはいけないですし、一発本番という覚悟を決めなきゃいけない。でも、コンサートの面白さはそんなところにもあると感じています。

■芸能人はシャイで人見知り、我に返り「俺は何を歌ってるんだろう」

――『すみっコぐらし』には様々なキャラクターが登場します。恥ずかしがり屋で気が弱い「ねこ」のようなキャラもいますが、井ノ原さんはそういう一面は?

【井ノ原快彦】芸能人って、シャイで人見知りな人が多いんですよ。僕もいまだに、ハッと我に返って「俺は何を歌ってるんだろう…」と思っちゃうことがあるくらい (笑)。うちのメンバーも同じですね。

――ちなみに“すみっこ”は好きですか?

【井ノ原快彦】大好きです(笑)。学生時代も、教室の一番後ろのはじっこが好きでした。そういえば、V6になって、メンバー内で僕が最初に一人暮らしを始めたんです。そのときの部屋がワンルームだったんですが、「このスペースをすべて合わせた場所が家賃に含まれているんだ」と考えたら、まだその中で行ったことのないスペースがあることに気づいて。すべてを堪能しようと、ベランダのすみっこに椅子を置いて座ったこともありました。友だちからは、その考え方は変だと言われましたけど (笑)。

(文:今 泉)