上野樹里主演のフジテレビ系月9ドラマ『監察医 朝顔』が、19年7月クールの“質の高いドラマ”を表彰する『第17回コンフィデンスアワード・ドラマ賞』で、「優秀作品賞」を受賞。加えて主演の上野が「主演女優賞」に輝き、『~朝顔』が2部門を受賞した。なお、「最優秀作品賞」はTBS系金曜ドラマ『凪のお暇』、2作選ばれる「優秀作品賞」のもう1作には、NHK総合のよるドラ『だから私は推しました』が選ばれた。

【受賞コメント全文】上野樹里「災害国である日本から学びメッセージを込めた」

◆法医学ドラマにしてホームドラマ、父娘の日常を通して震災を描く

 本作は、法医学者の主人公・万木朝顔(上野)が、父親で刑事の平(時任三郎)と共に遺体の“生きた証”を探し、遺された人々の心を救っていくヒューマンドラマ。この物語には、朝顔の母親・里子(石田ひかり)が東日本大震災で被災し、遺体も見つかっていない状況という背景があり、各話でさまざまな事件が起こる一方で、朝顔と平が里子を失った事実を少しずつ受け止め、時間をかけて哀しみを乗り越えていく様子が全編を通して丁寧に描かれた。

 原作は、2006年~13年にかけて発表された同名漫画。原作では阪神大震災で母を亡くしたという設定になっているが、今回ドラマ化するにあたり設定を変更。東日本大震災について扱い、未だ哀しみの癒えない震災と誠実に向き合った。

◆気鋭の若手女性プロデューサーが手がけた、初の単独連ドラ

 手がけたのは、本作が初の連ドラ単独プロデュースとなる金城綾香氏。上野とは小児外科を舞台にした『グッド・ドクター』(18年)で現場を共にしており、彼女の真摯な役作りを目の当たりにしたことも理由に、命を見つめる本作の企画に至った。

 主人公の家庭でのシーンを多く採用。また、6話から舞台を5年後に移すことで、父娘が徐々に哀しみを乗り越えていく様子を印象的に描き、有識者からは「東日本大震災を採り入れた脚色、各局が避けたがるホームドラマの要素、静かなトーンに終始するなど、プロデューサーの思い切りが光った」(木村隆志氏/コラムニスト・コンサルタント)と高評価。派手さはないものの、丁寧な作りが支持され、『コンフィデンス』誌によるドラマ満足度調査「オリコン ドラマバリュー」は初回の59Ptから堅調に推移し、最終話で90Ptまで上昇した。

 受賞を受け上野は、「震災や、法医学といった『死』という大きなテーマの中で、人の弱い部分や心の痛み、悲しみを抱えながらも、朝顔のように健やかに真っ直ぐに生きる姿をみなさんにご覧いただき、そして災害国である日本で、失った命から学び、より良い環境づくりができるようにメッセージを込められたことを有り難く思っています。今後もいいドラマ作りに励んでいきます」とコメント。金城氏は、「何もかもが手探り状態でしたが、上野樹里さん、時任三郎さんをはじめ、キャスト・スタッフ皆さんがこの作品を愛し、何がこの作品にとってベストかを各々が取捨選択してくれていた現場でしたので、その思いが作品に表れたのだと感じています」と語っている。